ゆっくり 走ろう2
(昨日からの続きです)
まさか まさかの スピード違反 取り締まりにあってしまった僕。
絶体絶命 このピンチを どう 乗り切るか?
はたして 大逆転は あるのか?
「なにー スピード違反!何キロオーバーですか?流れに続いて 走っていただけですよ」
「だから 前の車もみんな 違反です。何キロオーバーかは あのマイクロバスの中の職員に聞いてください」 と 若い警官
「」
「あれっ 後部座席に置いてある木刀は なんですか?」
やばい!今日は 剣道の稽古の日だったので 車に 剣道の道具を積んでいたんだ。
昔 成田空港の近くで 過激派対策の検問が あった時 やっぱり木刀を積んでいて やたら 職務質問された記憶が よみがえる。
でも 今日は 木刀だけでなく 竹刀も 防具も 稽古着も 一緒だ。
「剣道の道具ですよ」
「誰がやるんですか?」
「僕が やるんですよ 防具も あるでしょ」
「いつも やっているんですか?」
「そうです。週に 2日は 子供たちを指導したりしています」
「そうですか。御苦労さまです」
御苦労さまじゃ ないだろ。 そう思うなら 見逃してくれー
仕方なく 路肩に 車を停め 免許証と車検証を 持って 警察のマイクロバスに乗る。
「げえっ なんだ この混雑ぶりは・・・・・・」
マイクロバスの中は 違反者と警官のペアで いっぱい
この道路が いかに 荒稼ぎできるかを 物語る光景だ。
「この道路は 50キロ道路なんです。あなたは あそこに見える看板付近に設定された区間3メートルの範囲を 時速70キロで 走っていたのです。免許証を 拝見します。」
「あれっ この住所。私は この近くの出身なんですよ。あの曲がり角あたりですよね」
「そうです。まさに その曲がり角が ウチです」
「そうですか・・・社長さん こんな方まで 営業に来るんですね」
「・・・・・」
僕は まだ職業も 言ってないのに この警官 今 「社長」って 僕の事 いったぞ・・・・・
住所と名前から 僕の正体を 見破ったぞ・・・・・・
僕は 観念した。罰金15000円 引かれた点数 2点
観念すると 周りの声が 良く聞こえ始めた。
若いサラリーマンが かなり 吠えてる
「前後の車の流れに従って 走っていたんだ。なんで 俺の前の車は つかまってないんだ。 それに この直線道路で 車の流れを無視している方が 危険じゃないか。車に スピードが出る以上 スピードそのものが 危険な訳じゃなく 他の車との関係で スピードが 出過ぎていると危険だからだろ。車列の流れ全体を優先した方が 危険性が 少ないじゃないか」
おおー なかなか 雄弁な人だ。でも その抗弁は 警察のマイクロバスの中では むなしい。
僕の前を走っていた運転手は 外国人だった。
マイクロバスから 別のパトカーに 移された。あれは かなり まずい・・・・・
続々と マイクロバスに 泣きそうな顔のドライバーが 入ってくる。
警官のつけている無線から
「えー 次は メタリックのセダンが いきまーす その次は 白いバンの商用車 ・・・・・・・・」
別れ際に
「この振り込み用紙の期限は 3月24日までです。給料日前かも しれませんが お願いしますね」
「はい・・・・」