寒おこし
真冬に 畑や花壇の土を 掘り起こしておく
固まったままでよい
夜 寒さで 土は 凍る
そして 次の日 凍った土は 溶ける
また 夜 凍る
そして また 溶ける
これが 繰り返されると 固まっていた土は 砕かれ 細かくなる
来るべき春に向かって 良い土へと 変わっていく
これを 「寒おこし」という
だれかが 昔 気付いたのだろう
だれかが 昔 教えたのだろう
とっても スローな方法だけど
とっても 素晴らしい方法を
大地が 凍てつく この季節
たとえ 収穫は できなくても
今 できることを 精一杯
やっていたのだろう
俺にとっての「寒おこし」は 何だろう
全部 自業自得です はい
「飲みすぎたら だめよ」
と 確かに 女房に言われていたのです。
でも
飲んでしまいました お酒を
近隣商工会 青年部の 合同新年会だったのです。 昨晩は・・・・
一次会
気の許せる仲間たちと 2次会
そして 駄目押しのラーメン屋
高菜と紅ショウガの載ったトンコツラーメンを 食べて
はっきりと 胃が 重くなったのが わかりました。
そして
はっきりと 自分が 明朝 どんだけ つらい目に会うか わかりました。
普段通りの生活ならば まだ 耐えられるはずの 飲酒量だったのです。
でも でも 今は 剣道の早朝寒げいこの 真っ最中。
帰宅は 午前1時過ぎ
今更ながら ウコンを 飲んで 布団に入ったのは 午前2時過ぎだと思う 多分
すぐ 寝た
でも すぐ 起きた
午前4時15分にセットしていた目覚ましが ガンガンなる
ボケーとしながら テレビをつけると 阿部寛と仲間ゆきえが主演していた「トリック」の再放送が やっている
「あれ この内容 はじめて見るなー どんな 結末だったっけ・・・・・・・」
「いかん いかん 見入ってしまったら いかん」
「うーーーー胃が 重い」
多分 俺は とっても 酒くさい
りんごジュースを 2杯飲み モンダミンをする
正確には モンダミンをしてから りんごジュースを飲んだので とてもジュースが まずく それで 口直しにもう一杯飲んだ
少し前に 剣道を 始めた息子を 起こし
「おい 寒げいこに行くか? お前は まだ 防具もつけてないから 別に来なくてもいいけど・・・」
と 試しにいってみると
「あっ 僕 いくよ」
なんと 起き上がってきた
用意をして 表に出る
「ああ 昨日の朝より 寒い」
空気が ピリピリしていて 吸い込むと 鼻の奥が ツンと 痛い
多分 飲酒運転になるな と思いながら 道場へ 向かう
「おはよー」道場に入る
昨日から 道場のストーブが 壊れてしまっている
何故か 今朝は 参加している人数が 多い
素足になると 指先が かなり痛い
今朝は このところ 一番の冷え込みとニュースで 言っているに違いない
「やっぱり 寒げいこは 一番寒いときにやらないと 意味ないっすよ」と この時期を 提案してしまったことを 少し後悔する冷たさだ
「寒い」ことと 「二日酔い」であること 「睡眠不足」であることを 子供たちに 悟られないようにするため
テンションを 上げ始める
朝日が 昇る
稽古が終わり 面を 取る
身体から 湯気が 立ち上る
「勝った このつらい状況に 僕は 勝った」
充実した気持ちで 息子と家に帰る
「あれだけ 言っておいたのに 午前様だったでしょう」
「うん 身に沁みたよ・・・・」
何度 このセリフいったきたことか・・・・
朋有り 遠方より来る
本日 私が 店を作る時に 大変にお世話になった人達が 来てくれた。
言い換えると 店を作ってくれた そこに 私が 入った といっても良いくらい 店の立ち上げに心血を注いでいただいた。
なつかしい話もあり
これからの話もあり
この人達から 教わった色々な事柄が 思い出される
話したいことがいっぱいあり ほとんど 僕が 取り留めもなく 話してしまった。
もともと 聴き上手な方なので 僕も 調子に乗ってしまった。
話しながら 「論語」の一節が 頭をよぎる
子曰く、学びて時に之を習う、亦た説ばしからず乎
朋有り、遠方より来る、亦た楽しからず乎
この商売の道を 歩んでいれば このような喜びに たまに出くわす。
今日は とっても 良い一日で 終われそうです。
帰ってきたスキーヤー3
僕は スキーが うまいわけではない
かっこよく滑るスキーヤーに 憧れていたのだ
高校三年生の冬、本来 受験勉強 ど真ん中のはずであったが 僕は スキー場に いた。
推薦で 早々に 進学先が 決まっていた僕は 高校が 受験の為に 休みになる2月、 1カ月ほど 新潟 妙高高原スキー場近くの民宿に バイトにいった。
観光協会から 発行される無料リフト券を 手にいれ バイトの合間をみて スキー場に 通った。
でも スキーを まともにしたことがなかったし バイトの合間なので スキー教室にも 入れない。
剣道部で鍛えた体力まかせに 毎日 格闘していた。
ある日 民宿に 観光協会から 電話がかかってきた。電話は 僕が取った。
「予約なしで きた方が ひとり 宿を 探しているんだけど お宅 今日空いてる?」
僕は バイトの身なのだが すぐ 返事をしなければならなかったので オーナーに 断りもせず その客を 受け入れた。
歳は 80歳前後のやせたお爺さんだった。スキーの道具と 少しの荷物しか持っていなかった。
宿の予約もせずに スキー場にやってきて もし 泊るところが なかったら どうするつもりなんだ
しかも 連泊していくという。
次の日 そのおじいさんは 古いスキー板を 担いで スキーに出かけた。
昼ごはんを 宿で 食べると いったので 昼ごはんの準備もしなければならず 僕は スキーを練習する時間が 少なくなってしまうので 頭に来ていた。
夜 他の客たちは 部屋で くつろいでいたが その お爺さんは ひとりで さびしいのか ロビーに来た。 野沢菜をつまみに お茶だったか お酒だったか 忘れたが 出してくれという。その場の流れで 僕は 話相手を することになった。
「にいちゃん 明日 一緒に滑ろうか!教えてやるよ 昼ごはんも おごるから 一日すべろう!」
僕は 「まあ 自分も いつも ひとりで 滑っているから じいさんの相手も 悪くないか」と思い 了解した。
じいさんは うまかった
細い体なのに 華麗な姿で 滑っていた。
「にいちゃん スキーはね 体力なんて いらないんだよ。だから この歳になっても 楽しめるんだ」
僕には 衝撃だった。スキー場で これほど 歳をとった人を 見たことがなかったので スキーは 若い 体力のある人が やるもんだと思っていたからだ。
2日間 じいさんと 滑った。というより 教わった。
体力まかせのスキーから 一生でき得るスキーへのシフトだった。
最後の夜、やっぱり ロビーで 話をした。
ちょうど お孫さんが 僕と 同じ年頃で 今 独協大学にいることだとか リフトもなかったころのスキーの話などなど 最初の晩より 楽しく話せた。
「あっ 僕の勤めていた会社のコマーシャルだ!」
ロビーのテレビを 指差した。
コマーシャルは 「痔には ボラギノール」だった。
数日後 僕は どうしても スキーを教えてくれたお礼がしたく 宿帳の住所に 手紙を送った。
しばらくした後 二人で撮った写真と一緒に 大学を楽しめという手紙と 名刺が 入っていた
その名刺には 「天藤製薬株式会社 会長」 と書いてあった
ボラギノールのコマーシャルの最後には 確かに 同じ製薬会社の名前が 写っていた。
その後 手紙のやり取りは していないが あの独特なコマーシャルをみると いつも このことを 思い出す。
体力にかかわらず それなりに一生 スキーを楽しめるキッカケをつくってくれた このお爺さんに感謝している
でも ひとつだけ 気にしていることがある
友達が 僕のスキーをみて よく いうことが あるのだ
「なんか お前って じじくさいすべりだよなー」
帰ってきたスキーヤー2
正月休みが 曜日の関係で 短くなった為もあるだろう
年末年始 冬将軍が 各地で猛威をふるった為もあるだろう
不況の為もあるだろう
でも でも それにしても スキー場が すいている。
かつて リフトに乗るまで 長蛇の列。 昼ごはんを 食べるのも 長蛇の列。
トイレさえも 長蛇の列。
そして 帰りは 渋滞にはまり 疲れ果てて 帰宅する。
これが スキーだったはず。
「私をスキーに連れてって」から 始まり 広瀬香美の歌が流れ まずいラーメンやカレーを結構な値段で 食べる。
それが スキーだったはず。
NHKの「ベストスキー」(確か平沢先生だったかな)を 見て イメージトレーニングをし 「アルペン」にいって スキー用の小物を買い スキー板にワックスを塗り 車にキャリアを乗せ チェーンをつける練習をし 新聞の雪山情報を チェックする
あれが スキーだったはず。
けれど 今は 違う
タイヤは スタッドレス
スノーボードは 車内にも積めるので キャリアつきの車は少なく
スキーもレンタルが 素晴らしい
スキー板も 安定感がよく よく曲がってくれる
スキーウエアは タイトなものより ダブッとしたものが多く 色も 地味目のものが主流になっている
ご飯は 結構うまく
リフトも 高速タイプが 多い
ましてや 散々苦労した ロープタイプのリフト(知ってる人いるかなー)など もう ない
リフトもすいているので 合い席など まずなく 「どちらから きたんですかー」など ナンパをしようもない
あちらこちらに ウジャウジャいた「ナントカ町スポーツ少年団」などの スキー教室も 少ない
今 僕が やっと 子供たちと スキー場にいけるようになったように あのころ 長蛇の列をつくって リフトに並んでいた同じ世代も そろそろ スキー場に戻ってこられる余裕が でてきたころだろう。
この人たちが 戻ってくれば また スキー場も 賑やかになるに違いない。
友達同士というより 家族連れが 多くなるかもしれないな。
帰ってこい スキーヤーよ
派手な ウエアーと共に