情熱とは すごいものなり!
昨日のブログで 紹介させていただいた「蛍の住む庭」のお客さん。
元エンジニアの方だが まだまだ びっくりさせられたところがあるので もう一丁 紹介してしまいましょう!
僕らが つくった駐車場や門を抜けて 「蛍の住む庭」の方へ歩いていく途中に これは ありました。
これは 「待屋」(まちや)と呼ばれるものです。
格調高い茶庭などにあるものですが 僕自身 この商売をしていても 今まで 作ったことは一度もありません。
珍しいので しばらく見ていると・・・・・・
「」
細部に 少しずつ 違和感を 覚えた。
違和感イコール「これって 職人さんが つくったものだろうか? もしかして・・・・」
「旦那さん もしかして これも 自分で作った?」
「ハハ そうだよ!なかなか 面白いだろう! やっぱり 社長から見ると プロが作ったかどうか ばれちゃうかな」
「いやー 僕も こんなもの作ったことがないので・・・・・でも 材料が 寄せ集めっぽいので それで もしかして 自分で 作ったのかなーと思って・・・・」
この待屋は 屋根や扉は 真新しい材木なのだが 柱などは しばらく風雨にさらされたようないい感じの枯れ具合なのだ。
「ハハ 最初作ろうと思ったのはさあ 隣りの植木を支えていた杉丸太の支柱が要らないっていうから タダでもらったことが きっかけなんだよー」
なるほど どおりで・・・
「へー すごい!廃材から 作ったなんて バイタリティが すごいですねー。でも 廃材を使ったことによる偶然なのかどうか 知りませんが このくぐり戸の高さが 絶妙で いいじゃないですか?」
「おー さすが 社長。あなた お茶庭つくったことあるの?やっぱり いいところ見つけるねー みんなからは この高さが 中途半端に低くて 使いにくいって 言われるんだよね」
くぐり戸の高さは 低く 大人だと頭をぶつけてしまう。幅も狭く 広い庭へ通ずる入り口にしては 不便この上ない。
「どんなに偉い人でも 頭を下げて 肩をすぼめて 入るのが 茶の心だって 本で読んだことがあったので そんな風に作ってみたんだけどねー」
「そうですね 僕も そう聞いたことがあります。僕は 本格的な茶庭を作ったことがありませんが いやー 本当 いい勉強になりました」
「あんまり 写真撮るなよー 恥ずかしいから・・・ 屋根を 杉皮とかで 貼って 進化させようかな・・・・・・ナントカ カントカ・・・・・」
まだまだ 創作意欲は とどまることを知らない
これに近い物を(もちろん細部まで もっとすごいけれど) 造園家の先生がつくったら きっと 数十万 いや 百数十万円かかるかもしれない
見積もりを とって びっくりして 作ること自体を あきらめてしまう人が 圧倒的だろう。
「待屋」に限らず 作りたい人がいても それを阻んでしまうのは 多分に 業者の責任もあるだろう。
日本の文化が 消えていく原因のひとつかもしれない
「作りたいものは 作る 心豊かになるために」
この情熱に しばし 感動し そして 身の引き締まる想いを した一日だった。
ちなみに 伺った目的であるオーニングの補修 角度調整の代金は 頂かなかった。
この感動と相殺にさせていただいた。 お釣りを返さないといけないくらいだったけれど・・・・
蛍の住む庭
4.5年前に外構工事をやらせていただいたお客様のところへ 久々にいった。
その時に取付させて頂いた日除け用オーニングの角度調整の為だ。
お世話になったお客さんの家に 久々にいくのは 僕の楽しみの一つだ。
きれいになっている家もあり 汚くなっている家もあり・・・・ いずれにしても 一回きりの付き合いでないこと自体が うれしい
「うっ」
正直 驚いた。
「変わりましたねー」
当時は ほとんど なにもなかった庭。
植木屋さんが 少し大きい植木と 庭石と 芝生を 貼っていたことは 記憶にあった。
「ほとんど 自分で やったんだよ」
「えーーー こんなに立派に作られたら 僕らの出番は ないはずだ」
「あれ なんですか? 川作ったんですか?」
広い芝生の中に 幅30cm程度の川が 流れている
それなりの水流もある
「フフッ そうなんだよ。 これが作りたくてね。井戸まで 掘ったんだよ。でも これは 水中ポンプで 循環させているけれどね・・・・・・・・ 社長 よーく 見てみてよ 川底に 貝みたいのいるだろう」
「あれ これって もしかして カワニナじゃないですか? とすると もしかして・・・・」
「そうなんだよ 蛍を 飼っているんだよ 今 結構 夜になると 飛ぶんだよ」
「どこから 蛍捕まえてきたんですか?」
「いや 社長 それが 今の時代は インターネットで 蛍も カワニナも売っているんだよ。それを知ったら どうしても 庭で 飼ってみたくてね。一生懸命 穴掘って 作ったんだよ」
「へー この流れは この池に 最終的に流れ込むんですね。でも この距離だと 結構 水が 蒸発しちゃって この夏は 大変だったでしょう?」
「おー さすが 社長だ!細かいところ知ってるね。 じゃあ これ見てよ」
お客さんは 池の脇に隠されていた水中ポンプと配電盤を 見せてくれた。
「この水中ポンプの脇の浮玉(フロート)が 水位の変化を感知すると センサーが 働いて 井戸の圧力スイッチに対応して 自動で 井戸水を池に供給し 一定の水位を 保つように・・・・・ナントカ カントカ・・・・」
配電盤の中には オリジナルで 作られた基盤が ビッシリと取り付けられていた。
「旦那さん・・・ 昔 何屋さんだったんですか?」
「僕はね 工場プラントを設計するエンジニアやってたんだよ」
「なるほど・・・ はっきり言って ここまで システマチックにした人 みたことないですよ。 このシステム 売れるんじゃないですか!いやー貴重な物を見せて頂き 勉強になりました!」
「ハハ 庭に蛍を 飼う人が いっぱいいればの話だけどね」
そんな風に照れながら言う旦那さんの顔は 確かに輝いていた
エンジニアとしての知識を使い 自分で 庭を作ったという満足感は 庭を乱舞する蛍の光を 一層 輝いてみせることだろう。
田んぼにて
千葉は 連日 稲刈りの真っ最中!
おかげさまで 今のところ 台風も 大雨もなかったので 稲も あまり倒れず 大型コンバインが 大活躍している。
コンバインは 稲穂から 実を 採り 稲わらの方は 細かく 裁断してしまうので 最近では 稲ワラが 貴重な物になっている。
僕の好きな「落花生ボッチ」の笠も ワラではなく ビニールシートが 使われているのは コンバインが普及したことも原因のひとつだ。
少し前までは 稲刈りが 終わると 稲ワラを 天日で乾かす光景が 田んぼに広がっていたが 今では 稲刈り後の田んぼは 何もなく 広々としたもんだ。
と 思っていると こんな光景に出くわした。
車を降り 近くに寄ってみてみると
器用に丸められた稲ワラが 田んぼの中に点在している
畜産の敷きワラなどの為なのだろうが 田んぼの中では はじめて見た!
牧場近くの牧草地では 同じものを見たことがあったが 田んぼでは はじめてだ。
「確か こんな お菓子あったよなー?」
思わず パンチ キック あるいは 上に座ってみたかったが アラフォー男が 田んぼの真ん中で こんなことやっていると 通報されそうなので やめた。
稲が刈り取られた後 田んぼのあちこちから 煙が 漂う。
刈り取り跡に 火をつけ 燃やすのだ。
夕方 その煙の高さが 低くなる。 空から うっすらと露を含んだ重い空気が 降りてくるので 煙の上昇が わずかに抑えられるのだ。 昼間は あいかわらず 猛暑だが はっきりと 初秋らしい 空気が 空から降りていることを 煙が 教えてくれる。
新米でつくった おいしいおにぎりを 早く食べたいな