アントステラ
横浜へ 大学サークルの同窓会にいった帰り 横浜駅構内に入ると 甘い香りが 漂ってきた。
一緒にいた友達が 「すっかり横浜駅も変わったけれど この香りには 記憶があるよ」と言った。
「ふーん そうだっけ・・・・・・」と思いながら 歩いていくと 自分も なんとなく 思いだしてきた。
「アントステラ(ステラおばさん)のクッキーの匂いだったか」
人間の記憶というのは 視覚だけじゃないことを 改めて 感じる。
せっかくなので クッキーの詰め合わせを おみやげに買った。
次の朝
「ねえ パパ 机の上のクッキー 開けていいの 食べていいの?おみやげなの?」
といって起こされた。
起きていくと すでに 袋のリボンは 外され 「ひとり三枚ずつ チョコ味は 一枚ずつ」と 配給の割合まで 決まっていた。
今の時代 クッキーは めづらしいものではないし 「アントステラ」だって ここにしかないわけではないが 懐かしさを 感じながら 子供たちと このクッキーを一緒に食べていることに不思議な気持ちになった。