リスク回避術
先日 あるコンビニエンスストアに 立ち寄った。
喉が 乾いていたので ジュースを買ったのだが レジのところに並んでいると チキンや フランクフルトなどのホットフードが 目につき ポテトを 買うことにした。
アルバイトの店員ではなく 50歳くらい?のマネージャーっぽい人が ポテトを ケースから出し 包んでくれようとしている。
「あ あのー これが 本当に 食べたいのですか?」
「 エーーーーーー 食べたいのですか とは なんか 問題でも あるんですか?」
「はい 実は このポテト 少し調理してから 時間が 経っているので・・・・・・ もし これで よろしければ お代は いりませんので・・・・・」
なるほど そういうことか。
コンビニやファーストフードは 厳密なマニュアルで 調理してから 規定時間を過ぎたものは 全国一定の品質を保つため まだ 食べられる範囲でも 捨ててしまうらしい。
今回の件も それなのだろう。
そんなことなら 大丈夫 少しくらい規定時間を過ぎていたって 僕は なんともない。 ましてや 油で揚げたポテトだから へーき へーき
「いいよ いいよ 時間経過くらいで タダで もらうのも 申し訳ないから 半分でも 払おうか?」
「いやいや 結構です。代金は いただきません。どうぞ これでよかったら 食べてください」
「そうですか ほんとに いいんですか?じゃあ 遠慮なく いただきます」
コンビニの扉を開け タダでもらったポテトに すぐに 食いつくのも 少し恥ずかしかったので 車で 少し走り店から 離れたところで 食べはじめた。
「ガジッ」
ポテトからは カリッ とか サクッ とか およそ おいしそうな音は 聞かれなかった。
油と塩が しみ込んだデンプン質の棒 そうだ これは 「芋けんぴ」に近い食感だ。
一瞬 「ムカッ」ときたが それも 数秒と 続かなかった。
「そうだ これは タダだったんだ。 店員さん さすがだ。見事なリスク回避術だ。 僕が 店から 離れたところで 食べることまで お見通しだったのかもしれない」
リスク回避の仕方は 商売によって 契約形態によって 違うだろう。
また 今回のように お客は満足していないが リスクが避けられる方法を取る場合と お客の満足を得ながらリスクも避けられる方法も あるだろう。
自分の商売に当てはめた時は どのように なるかなー?
そんなことを 考えながら 結局 その固くて まずい ポテトを ジュースで 流し込みながら 全部 食べてしまった