二礼二拍手一礼
本日のタイトルを 見て すぐ なんのことか分かった方は 「覚えておきたい大人の作法」を なかなか知っている方と お見受けいたします
これは 神社や神棚を お参りする作法です。神道にも いろいろな宗派があるので これが全てではありませんが 一般的には この方法が 多いようです。
さて 年末に リピーターのお客さまから 「店長さん 急なお願いなんですけれど 神棚を 移動したいので 来てください」と ご相談がありました。
「方向」(一般的に家相といわれることも多い)の関係で 今の場所から この場所に 神棚を移したいとの ご依頼です。
壁は 石膏ボードの上に クロス貼り 二階までの吹き抜けになっています。
ここでお仕事をさせて頂く上で 工事屋として 絶対言ってはいけない禁句が あります。
「ここは 取付しづらいので こっちにしましょう!」 です。
神棚という一家にとり 一番大事な場所を 扱わせて頂くのに 職人のこんな意見は 絶対無用です。
一家の主が 「ここ」と 決めたら 絶対「ここ」なのです。
他のことなら プロの提案をしてあげたほうが 良いこともありますが
神棚の場合は 「ここ」につけるために どんな種類の道具でも どんな工法でも 考えていくのが 職人です。
次に 取付にあたり 絶対 やってはいけない事を 言います。
「神棚が 強度不足で 落ちること」です。
石膏ボードには 釘が 効きません。
吹き抜けなので 上の天井を使うこともできません。
L型などの形をした「棚受け金物」(方杖などとも呼びます)を 使うことが多いのですが 釘が効く位置に取りつけると 棚板との位置関係が アンバランスになってしまいます。また 今回 「できれば このL型の棚受け金物は使わずに すっきりと取り付けたい」ということが お客さまのご希望だったので 一般的な方法は 却下しました。
時間をかけて 下地をいじってもよいのですが 今回 神棚の移動日 及び 時間は 暦の関係で 決められています。
そこで 今回は このような方法を取りました。
アルミ製のくちばし型をした棚板受け金具(銀色の部分)を取付ました。これならば この金具のどこかに釘の効く構造材があればよく どんな構造で作られた建物でも 絶対 釘を効かせることができます。 棚板の下も すっきりしています。
神棚をしっかりと取付させていただきました。山盛りのお供え物をしても もう大丈夫です。
最後に「お社」を 移動する際には 念には念を入れて 手をよく洗い 「二礼 二拍手 一礼」にて 移させて頂きました。
ご家族にとり 大切な場所を 扱わせていただき 有難うございました。
コメント
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2011/01/29 13:02大人では…無いのかもしれませんが(笑)
弓を引いていた際に、練習の最初と最後
道場の神棚に向かって礼拝をしていたので
神棚を見ると神聖な気持ちになりますね!
(弓道の場合一揖二拝二拍手一拝一揖なので
ちょっとだけ作法が変わりますが…)
大切な場所を、礼節を重んじている方に施工していただいて
お客様も喜んでいらっしゃいますね、きっと♪(Y)[Res]やっちゃん2011/01/29 15:47horyさん 有難うございます。
神様 仏様への礼儀作法というのは 「本で読んだから」できるといったものではありません。
いままで それとなく そのような作法を教えてくれた両親や先生方に 感謝しています
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