守ってくれよ
昨日 近所のおばちゃんの家で 飼っていた犬が 死んでしまった。
おじちゃんが 今 入院している為 僕に お墓を掘ってほしいと 頼んできた。
僕も よく知っていた犬なので 一輪車にスコップを積みこみ 広い庭のビワの木の近くを 掘ってあげた。
遺体を納め おばちゃんと一緒に手を合わせ 一緒にスコップで 土を少しずつかけていく
おばちゃんのすすり泣く声が 胸を締め付ける。
周りを 掃き清めたころ おばちゃんも ようやく 落ち着き ポツリポツリ話し始めた。
「お父さんに なんて言おうかな 」
ひと月半入院しているおじちゃんには まだ このことを知らせていないと いうことなのだ。
この犬のことを おじちゃんは 特に可愛がっていたのだ。
おじちゃんは 今日の午後から 抗がん剤の治療を 始める。
「少し だまっていようか・・・・・・」
このタイミングで 亡くなったことに 意味が あるのだろうか?
おい おじちゃんの事を 守ってくれよ
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