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「ダモンネみはらし」のこと

テーマ:思い
一昨日、ダモンネみはらしにおいて出村圭一さんによる津軽三味線のコンサートがありました。

津軽三味線ライブ!~津軽の響き~01

生で聴く津軽三味線の澄んだ音色と力強いバチの響きに酔いしれ、途中にはみんなで民謡を歌うコーナーもあって、楽しく素敵なひと時を過ごさせていただきました。

津軽三味線ライブ!~津軽の響き~02


ダモンネみはらしとの出会いは、昨年の6月、熊谷のOさんのお宅の仕事をしている時でした。

Oさん宅を施工中…たしかキッチンガーデンを作るために既存の芝をはがして別の場所に移している時のこと。

「ずいぶんと楽しそうに仕事してるねえ」
と声を掛けてくれたのがお向かいのSさんでした。
「はい。楽しいっすよ」
それからたびたび話すうちに、このSさん、いろいろ工具のことに詳しく作業内容に対する理解も早いし…

「なんかこんな仕事をなさっていたんですか?」

「いやいや、今も近所でレンガ張ってるんだよ、近所のおじさんたちと一緒に…。今度、遊びにおいでよ」

近所? レンガ張り? おじさんたち?
…なぞの言葉を残して好奇心たっぷりで話好きでファンキーなSさんは去っていったのでした。

で、昼休みにふと立ち寄ったのが「ダモンネみはらし」です。

ダモンネみはらし 昨年7月外観

看板には「ふるさといきいきサロン」とあり、その月の予定表が外に置いてありました。
手打ちうどん、ヨガ教室、パソコン教室、青空マーケット…

これは公共の公民館のようなところなのか…いや、それにしてはあちこちがまだ工事中だし、ガーデンなんて妙に手の掛かった手作り感いっぱいなものだし…

ダモンネみはらし 昨年7月ガーデン

後々聞いて徐々に理解を深めていったダモンネみはらしについて書かせて貰いますが、間違いがあったらごめんなさい。
このダモンネみはらしは、公的な機関で福祉関係のお仕事をなさっているS家の奥さんの発案で始まりました。
地域のお年寄りが気楽に立ち寄って交流してもらえる場を作りたい。
貯蓄と退職金を使ってこのログハウスを建設し、屋根葺きなど一部は家族総出で行い、外部の舗装もご近所の方から寄贈してもらったレンガを、やはり有志が集まって敷いていったのだそうです。
さまざまな教室もすべて講師はスタッフとご近所の方でまかない、受講料も材料費代のみ。あるいは無料。
いや、お茶や菓子も出すから事実上の赤字でしょうか…
後になって市の委託事業となり補助金も出るようになりましたが、事実上のボランティア事業だとわたしは理解しています。

となれば何か手伝えることはないかと考えるのが、ガーデン工房 結 -YUI-でして、わたしも仲間に加えてもらい夏の間は月に一回ガーデニング教室を開催してダモンネの庭づくりのお手伝いをしました。

ダモンネみはらし 2月ガーデン

うちに在庫していたコッツ・ストーンを使ったサークルづくりにはスタッフの方のお孫さんも参加してくれました。

そうそう。

こちらのスタッフですが、館長であるSさんと現在は職場復帰中の奥さんの他、主力は奥さんの知り合いでご近所に住む3人の素敵な女性たちと、このダモンネの開設に合わせて山梨から戻ってきた(呼び戻された?)三女のYさんからになります。
こちらのガーデンは、山野草や宿根草に関する知識が豊富でなにより植物と木工をこよなく愛するYさんが、有志の方の力を借りながら育ててきたもので、そこで育てられた野草やハーブはオリジナルの野草茶になり、キッチンガーデンの野菜たちはお菓子になったして、どちらもコンサートの際には参加者全員に振る舞われることになります。

夏にはアルパという南米の小型のハープを倉品真希子さんという方が演奏して下さるオーガニック・コンサート(お礼に手作りの野菜や花を持って行って頂きました)が開催され、冬にはわたしの古い友人であるプロのフルート奏者、浜川君に来て貰って2台のフルートとピアノによるアトリエ・ソワのコンサートも開かれました。

アトリエ・ソワダモンネみはらし秋のフルートコンサート


そして、こちらは秋の青空マーケットの様子。

ダモンネみはらし 青空マーケット

わたしも花と野菜とハーブの苗を安く売らせてもらいました。


忙しい仕事の合間にしかお手伝い出来ないのが残念ですが、このダモンネみはらしの、出来る人が出来ることをして、持っている人がそれぞれ持っているものを持ち寄って、手作りでみんなの心地よい空間を作ろうという取り組みは、わがガーデン工房 結 -YUI-のコンセプトととても近いものがあります。
また、植物の力を借りた園芸療法や有機野菜づくり、パーマカルチャーによる農的なくらしへの取り組みと、三女のYさんと共有するテーマも多く、勉強させてもらうことも多々あり、いろいろな方とも知り合いになって、わたしの仕事にもとても良い影響を与えてもらっている気がします。

現に一昨日のコンサートでは昨年の夏に施工させて頂いたOさんご一家も、またSさんご一家も来てくださり、秋のマーケットには小川町のYさんや、かつて大きな庭を手がけさせていただいた熊谷のYさん親子も顔を出してくださり、いろいろな交流がリンクしてさらに拡がっていくようで、すごくワクワクします。


また随時、報告させて頂きますので、お楽しみに。



よろしければ、ホームページもご覧下さい。
 http://www.yui-garden.com/









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昨年のしごと~小川町Y様邸

テーマ:しごと
S様邸を終えた頃には梅雨も明け、例のすさまじい猛暑の夏が始まっておりました。
暑さと戦いながら設計をし、小さなお仕事をいくつかこなす傍ら、お打ち合わせを重ねたのが小川町のYさんのお宅でした。

01着工前 縁側

最初は現況の金属製の縁台を撤去し、広めのウッドデッキを作りたいというご希望でしたが、お打ち合わせを重ねるうちにお話が外回りの生垣の撤去にまで拡がりました。

02着工前 生垣

お宅の前には調整池が拡がり、その周囲に植えられた桜の街路樹が大きく育って季節にはさぞ美しいと想像されましたが、確かにニッコウヒバの生垣が鬱蒼として外の景色を楽しめない状態でしたし、お庭の芝は元気を無くし風の通りもあまり良くなく、ヤブ蚊もいっぱいでした。

04着工前 失礼!

あ、失礼!

03着工前 エントランス



奥様のご希望はピケットフェンス。
色は白。
植栽を含めてあとはお任せ、というところで決定をみました。

が、うーん金属製のピケットフェンスは数々あるけど質感が今イチ…
木製のしっかりしたのはやはり高価。

さんざ悩んだ挙げ句、タカショーさんのe-ウッドフェンス10型の無塗装のものなら何とか手が届きそうだということになりました。
塗装はわたしたちでやりましょう!
ということに。

05完成 正面 

最初、白は汚れが目立つのではと心配もしましたが、うーんさすがは奥様のご希望に添って正解だったのは、お庭がぐんと明るくなりました。
お庭の既存の樹木も思い切り剪定しましたので庭の内側にも日差しが降り注ぐようになり(8月の施工でしたので注ぎすぎていささかバテましたが!)、風がしっかり抜けるようになり、何より、外観が見ての通りです。

06完成 ピケットフェンス

フェンスの前と後ろには今まで使えなかったドライな環境を得意とするラベンダーやタイムを中心としたハーブ類とグラス、セダム類の苗を植えました。昨年ひと夏でしっかり大きくなり今年が楽しみです。

07完成 フェンス足元

そしてウッドデッキ。
価格のこともあり、ルーフも掛かっていましたので雨の届かない部分は安価なSPF材を使い、外側の手すりや柱、幕板にはレッドシーダー材を使用しました。近頃はずっとウリンのデッキばかりを作って参りましたので、久しぶりの塗装が楽しかったです。
材料のうちに一度塗装して、施工後に切断面の塗装、完成後に仕上げ塗装と3回に分けて行いましたが、完成が9月初旬のまだ暑さの厳しい折りでしたのでお客さまのご厚意により、最後の塗装は10月半ばにさせて頂きました。
おかげで、しっかり成長した植物たちを確認することもできました。

08完成 ウッドデッキ


この夏にお近づきになったO様、S様、そしてこちらのY様…
実はその後も親しくおつき合いを頂いて、おそらくこの先も仕事を離れた交流がずっと続いていくことになりそうです。

お仕事にもお客さまにも恵まれた、昨年の夏でした。(それにしても暑かったけれど!)




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フェントン・ハウス・ガーデンⅡ~イングリッシュ・ガーデンの旅 18

テーマ:イングリッシュガーデン
引き返してさらに下の段に下りると、

10 果樹園

そこはリンゴの果樹園。
まだ実の色づきには早いながら、快い間隔に植えられた果樹園の中はとても涼しくて気持ちの良い空間でした。

その北側、ノース・テラスのベンチの下あたりに温室があります。

11 温室外観

小さいながら、とても生活感があって、こんなところでこの庭園が今もしっかりと生きていることを教えてくれます。

12 温室内部

その傍らの雨水タンクも、日本のみんなが欲しがりそうな姿をしていました。

13 雨水樽


壁面の泉水は眠っていましたが…

14 壁面水栓

果樹園の南はとても充実したベジタブル・ガーデンでした。

ガーデンのスタイル展示というのではなく、本当に自給を実現出来る広さがあります。

15-3 ベジタブル・ガーデン03

15 ベジタブル・ガーデン01

15-2 ベジタブル・ガーデン02

少々雑然としていても、全体を眺めて美しいと思えるキッチン・ガーデンを、今回の旅行ではたくさん見ました。
これはもっと勉強して、日本でたくさん作っていきたいと思っています。
…だって楽しいですからね。
実用的だし!

その脇、果樹のエスパリエは壁面でなく、西側を南北に結ぶ小径とベジタブル・ガーデンを仕切るようにして並んでいました。

16 エスパリエ

16-2 西側の小径


歴史がありながら今も生きて、しかも大切に管理されているガーデンからは、本当にたくさんのものを学ぶことができます。

結果的にこのガーデンが今回イギリスで見た最後のガーデンとなったわけですが、このガーデンならぜひとも欲しいと思いました。

シシングハーストもキフツゲートも素敵でしたが、(もちろん誰かがわたしなどにそれらをくれる筈はありませんが)それを自分が欲しいとか面倒見たいとか思ったことは有りませんでした。
まあ、あまりに広大すぎて手に負えませんし…

でもフェントン・ハウスのガーデンは、このガーデンなら面倒見たいと思えるような、両手を拡げれば隅々まで手が届きそうな、そのあらゆる場所を好きになれそうな、そんな身近で居心地が良くてとても気持ちの良いガーデンだったと思います。

22 レンガの外壁



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プロフィール

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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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