復興田んぼの生きもの調査隊2015年スタート!
テーマ:田んぼの生きもの調査隊
2015/07/03 21:48
今年もいよいよ田んぼのシーズンが到来した。
お世話になっている宮城の田んぼでは5月の半ばには田植えが始まり、関東のこの近辺では6月に入ってから。田植えのシーズンが終わり、いま稲はすくすくと成長を続けている。
このシーズンでしか出会えない生きものがいるので、少しだけ無理を承知で6月は毎週調査の日程を入れた。
場所と時間とを変え、都合7回の調査を行ったのだが…
正直、やり過ぎであったかも知れない(笑)
まずは6月6日(土)。
津波の被害を跳ね返し、昨年から作付を開始した宮城県亘理郡山元町坂元地区の田んぼ。
昨年は最初の年に関わらず、本当に多くの生きものたちが登場して驚かせてくれた。
ここでは仙台に住む古い友人が、小さい息子を連れてきてくれた。
そして山元町の復興に取り組む仲間たちが集まってきてくれた。
開始直後は前夜からの雨も残っていたが、次第に雨もやみ…
最後には晴れ間さえ覗かせてくれた。
概して今回の調査は天候に恵まれたと思う。
泊まった翌日は資材の天日干しと整理さえ出来るくらいに。
翌週の6月13,14日。
東北大学とアースウォッチ・ジャパンによる「東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト」、その南三陸での調査に参加。
自分が主催するので無く、唯一一般調査員として参加させてもらえる貴重な機会となった。
とても勉強になる。
今年はこれ一回きりの開催となってしまったが、できればもう少し研鑽を積みたい思う。
第3週の6月20日(土)、小川町の有機農法の田んぼで農作業と調査。
ここは3年目になるが、いつも生物の多様性に驚かされる。しかも毎回新しい生きものとの出会いが続く。
今回はこれから連携して下さるという埼玉県シェアリング・ネイチャー協会の皆さんと地元の若い親子、里山プロジェクトの皆さんが参加して下さった。
豊かな里山の自然の中に、明るい子ども達の声が響いた。
と、本当はこの後翌週の山元町で終わる予定だったのだが…
この小川町の調査の直前、アースウォッチ・ジャパンの事務局長さんからお電話を頂戴し、急遽イギリスのお客さんにこの小川町の里山を案内してもらえないか、と。
6月25日(木)、平日であったがたまたま仕事の切りを付けられたので、イレギュラーながら小川町の田んぼの第2回調査を実施することにした。
お客さんはアースウォッチ英国本部の方。それに事務局長さん、事務局を手伝うシンガポールの留学生さん、大学で働くその友人のスイスの方、合計4名。
国際色は豊か。
調査の実際を見てもらうのが一番とこれも古い友人の森君に声を掛けたら、彼が快く調査を引き受けてくれた。(じつは前回調査に参加できず、悔しがっていた)
この企画は大成功で、みんなとても日本の里山を楽しんでくれたし、生きもの調査にも夢中になってくれた。
あまり堪能で無い英語でわたしにあれこれ質問してくるのだけは勘弁して欲しかったのだが…
ここでこの農地を切り盛りしている桑原さんが登場。
流ちょうな英語でまたたくまに彼らの疑問に答え、日本の里山と有機農業の実際と日本文化について語り尽くして下さった!
多彩な生きものと多彩な人間とを満喫した、実に有意義な一日だった。
第4週はふたたび山元町へ。
6月27日(土)。
地元の教育委員会が主催する「親子交流体験事業」の一環として、この生きもの調査を実施して下さった。調査地は初めての山下地区。5組の親子、6人の小学生が参加してくれた。
雨ではあったが現地ではサンプリングだけして、町の中央公民館のロビーを使って後のソーティングや同定作業をしようと決めていた。
幸い採取作業の間は大した雨にはならず、子ども達は嬉々として田んぼに網を入れて楽しんでいた。
それにしても小学生たちの集中力は素晴らしく、それに輪を掛けたようにご家族の皆さんも夢中になって生きもの探しを楽しんでくれた。
翌日の28日(日)。
この日むも雨の予報だったが、なかなか自分自身がじっくりと腰を据えた調査を出来ずにいたので、その欲求不満の解消のため、坂元地区のいつもの田んぼに繰り出した。
山元町に帯広から出向して来て下さっている西田さんが付き合ってくれた。
仙台の友人は家族がみんな風邪気味ということで、参加を断念した。
むしろ当然であろう。
が、
この時もたいした雨にはならず…
そして楽しかった!
西田さんも心から楽しんでくれた。
とても熱烈なリピーターになってくれそうだ。
ありがたいことに他の出向職員の皆さん(全国からの)にも声を掛けて、誘ってくれるという。
わたし自身がそうであったように、この活動にはとてもリピーターが多い。
いろいろ気遣って参加してくださる方もいるに違いないが、それでも皆さんとても楽しんでいってくれる。
それが自然の力、生きものの魅力なのだろうなと思う。
そのように楽しみながら自然について学び、知らず震災からの復興を遂げていく郷土について学ぶ、そんな子どもたちが増えていってもらえればと思う。
7月も小川町と山元町で合計3回の調査を実施する。
頑張ろうと思う。
あ、
本業も、もちろん頑張る!
田んぼの生きもの調査隊01 小川町下横田の田んぼを調べる
テーマ:田んぼの生きもの調査隊
2013/07/15 00:58
まさかこんなことになるとは、つい数ヶ月前までには思いもよらなかったことが実現しました。
一昨日7月13日、第1回「田んぼの生きもの調査隊」を開催することができました。
まるでそれを祝福してくれるかのような曇天に恵まれ、一時は小雨さえぱらつく、つい数日前の酷暑が嘘のような調査日和
天気予報はこの日まで厳しい暑さが続くと言っていたのですがね。
まずは何より何より。
この日は、じつは第1回を冠するのも恥ずかしいくらいの試験的な催しでした。
なにせ、主催者がほとんど素人です。
整えた調査キットも、果たしてどれだけ役目を果たしてくれるか未知数です。
時間配分もペース配分も、何もかも出たとこ勝負です。
正直、とても自信が有りませんでしたがそこは気心知れた参加メンバー。皆さん、しかも心が広い!
ですから、何の衒いも気負いも緊張もなくわたしは本番に臨み、むしろ心躍らせてこの日の朝を迎えたほどでした。
が、あにはからんや!
ほとんど専門家と言っても過言と言えないような参加者が2名。
うち一人はなんと準備段階から駆けつけてくれて、いそいそと水汲みまで引き受けてくれました。
森昭彦氏。
わが敬愛するサイエンスライターは時に太陽光パネル製作の講師を務め、植物と昆虫の著作を数冊ものにし、小学校の修学旅行の同行写真撮影をこなし、養蚕に立ち会い、ソーラークッキングの調理実習までやってのける多芸多才、博学多識の人です。
そして、
二人の恐るべき小学5年生女子は自主的な予備調査をすでに実施済み。
カイミジンコを発見して、顕微鏡での観察さえも終えていると言います。
もちろんミジンコ、カイミジンコ、ケンミジンコの別もちゃんと理解しているという…
わたしなどどうにか3種を同定できるようになったのは、つい最近だというのに!
つまりはそのように強力な布陣で臨んだ今回の調査が、失敗に終わるはずがないということです。
参加者10名。調査員6名。(調査キットを6組しか用意できなかったのはわが社が貧乏なせいに他なりません)
この専門家は時に陸生生物にうつつを抜かしておりましたが…
田んぼの生きもの調査、その醍醐味はやはりテントに戻ってからのソーティング作業にあります。
何が出てくるか、直前まで分からない。
この楽しみがあるから、この催しは絶対に続くという確信があります。
このように、
大の大人さえ嬉々として、時に歓声を上げ、没頭できる作業なのですから。
しかもこの頃には小雨さえぱらつき、時折涼しい風さえ吹き抜けていきます。
至福の時。
さて、そのようにして見つけた生きものの数。
水性生物に限定して、その種数は23でした。
コガムシの成虫と幼虫。
この如何にもどう猛そうなやつは畦からも容易に観察することが出来ました。この一番大きなやつが体長2.5センチくらい。成虫もそこそこ大きいのがたくさん捕獲されました。
ゴマフガムシの成虫と幼虫。
まいどお馴染みのチビゲンゴロウですが、
今回はこの小さくて回転しながら泳ぐ幼虫を初めて見ました。
(森先生のおかげです)
シオカラトンボのヤゴ。
東北大学向井助教による「田んぼの生きもの図鑑」を今回、この日に合せて20冊届けていただきましたが、その使い方を教えただけで、みんなどんどん同定していくから、それはもう怖いくらいでした。
その他、キベリヒラタガムシ、ヒメアメンボ、イトミミズ、ユスリカ亜科、ミズアブ、カイミジンコ…
カエルの仲間はニホンアカ、ニホンアマ、シュレーゲルの子どもたちと大人はニホンアマ。
そして、このフタバカゲロウと一緒にいて水面をすいすい歩くやつ。
現場ではわたしも初見で分からなかったのですが、後で聞いたところイトアメンボというのだそうで、
初見ながらも何やら懐かしい姿に、その名がわかってとても嬉しかったものでした。
(これを捕まえたのも森先生です)
そして、
この不思議な生きものについては現在調査中です。
1mmほどの大きさ。透明でお腹とおぼしき辺りに何やら赤い卵のようなものを抱えております。写真下方には黒い小さな点が二つ、目のように並んでいて、何とこれが這うようにして直線的な動いていくので、初めてそれが生きものであると分かります。うん、なかなかのスピードでした。
正体が分からず、こうして何度もしげしげと眺めているうちに、愛おしささえこみ上げてくるから不思議です。
もしかすると、これはとても劇的な出会いであったかも知れません。
(この生きものを発見したのも、もちろん森先生です)
お心当たりの方、どうかご一報下さい。
一旦調査を終えた後、わたしと森先生が同定作業に没入していたところ、二人の小学生調査員が現場に再び顕微鏡を持ち込んで、今度は何と藻の調査を開始しました。
彼女たちの夢は、緑藻ボルボックスに出逢うことなのだそうです。
この、とても多くの出会いに恵まれた1日を、心から感謝したいと思います。
また次回。
そう遠くない将来、第2回田んぼの生きもの調査隊02を実施するつもりです。
いずれは、東北でも
一昨日7月13日、第1回「田んぼの生きもの調査隊」を開催することができました。
まるでそれを祝福してくれるかのような曇天に恵まれ、一時は小雨さえぱらつく、つい数日前の酷暑が嘘のような調査日和
天気予報はこの日まで厳しい暑さが続くと言っていたのですがね。
まずは何より何より。
この日は、じつは第1回を冠するのも恥ずかしいくらいの試験的な催しでした。
なにせ、主催者がほとんど素人です。
整えた調査キットも、果たしてどれだけ役目を果たしてくれるか未知数です。
時間配分もペース配分も、何もかも出たとこ勝負です。
正直、とても自信が有りませんでしたがそこは気心知れた参加メンバー。皆さん、しかも心が広い!
ですから、何の衒いも気負いも緊張もなくわたしは本番に臨み、むしろ心躍らせてこの日の朝を迎えたほどでした。
が、あにはからんや!
ほとんど専門家と言っても過言と言えないような参加者が2名。
うち一人はなんと準備段階から駆けつけてくれて、いそいそと水汲みまで引き受けてくれました。
森昭彦氏。
わが敬愛するサイエンスライターは時に太陽光パネル製作の講師を務め、植物と昆虫の著作を数冊ものにし、小学校の修学旅行の同行写真撮影をこなし、養蚕に立ち会い、ソーラークッキングの調理実習までやってのける多芸多才、博学多識の人です。
そして、
二人の恐るべき小学5年生女子は自主的な予備調査をすでに実施済み。
カイミジンコを発見して、顕微鏡での観察さえも終えていると言います。
もちろんミジンコ、カイミジンコ、ケンミジンコの別もちゃんと理解しているという…
わたしなどどうにか3種を同定できるようになったのは、つい最近だというのに!
つまりはそのように強力な布陣で臨んだ今回の調査が、失敗に終わるはずがないということです。
参加者10名。調査員6名。(調査キットを6組しか用意できなかったのはわが社が貧乏なせいに他なりません)
この専門家は時に陸生生物にうつつを抜かしておりましたが…
田んぼの生きもの調査、その醍醐味はやはりテントに戻ってからのソーティング作業にあります。
何が出てくるか、直前まで分からない。
この楽しみがあるから、この催しは絶対に続くという確信があります。
このように、
大の大人さえ嬉々として、時に歓声を上げ、没頭できる作業なのですから。
しかもこの頃には小雨さえぱらつき、時折涼しい風さえ吹き抜けていきます。
至福の時。
さて、そのようにして見つけた生きものの数。
水性生物に限定して、その種数は23でした。
コガムシの成虫と幼虫。
この如何にもどう猛そうなやつは畦からも容易に観察することが出来ました。この一番大きなやつが体長2.5センチくらい。成虫もそこそこ大きいのがたくさん捕獲されました。
ゴマフガムシの成虫と幼虫。
まいどお馴染みのチビゲンゴロウですが、
今回はこの小さくて回転しながら泳ぐ幼虫を初めて見ました。
(森先生のおかげです)
シオカラトンボのヤゴ。
東北大学向井助教による「田んぼの生きもの図鑑」を今回、この日に合せて20冊届けていただきましたが、その使い方を教えただけで、みんなどんどん同定していくから、それはもう怖いくらいでした。
その他、キベリヒラタガムシ、ヒメアメンボ、イトミミズ、ユスリカ亜科、ミズアブ、カイミジンコ…
カエルの仲間はニホンアカ、ニホンアマ、シュレーゲルの子どもたちと大人はニホンアマ。
そして、このフタバカゲロウと一緒にいて水面をすいすい歩くやつ。
現場ではわたしも初見で分からなかったのですが、後で聞いたところイトアメンボというのだそうで、
初見ながらも何やら懐かしい姿に、その名がわかってとても嬉しかったものでした。
(これを捕まえたのも森先生です)
そして、
この不思議な生きものについては現在調査中です。
1mmほどの大きさ。透明でお腹とおぼしき辺りに何やら赤い卵のようなものを抱えております。写真下方には黒い小さな点が二つ、目のように並んでいて、何とこれが這うようにして直線的な動いていくので、初めてそれが生きものであると分かります。うん、なかなかのスピードでした。
正体が分からず、こうして何度もしげしげと眺めているうちに、愛おしささえこみ上げてくるから不思議です。
もしかすると、これはとても劇的な出会いであったかも知れません。
(この生きものを発見したのも、もちろん森先生です)
お心当たりの方、どうかご一報下さい。
一旦調査を終えた後、わたしと森先生が同定作業に没入していたところ、二人の小学生調査員が現場に再び顕微鏡を持ち込んで、今度は何と藻の調査を開始しました。
彼女たちの夢は、緑藻ボルボックスに出逢うことなのだそうです。
この、とても多くの出会いに恵まれた1日を、心から感謝したいと思います。
また次回。
そう遠くない将来、第2回田んぼの生きもの調査隊02を実施するつもりです。
いずれは、東北でも
小川町の田んぼの生きものを調べる
テーマ:田んぼの生きもの調査隊
2013/07/08 05:03
7月7日、やや曇りがちの七夕の日。
今年2度目の太陽光パネル製作を終えたその足で、来週生きものを調査させて頂けるという田んぼの下見と打合せに出掛けてきました。
庭づくりのお客さまの、そのご実家の好意で田んぼを貸して頂くことになり、小川町にある2枚の田んぼを拝見。
駐車スペースやテントの設営、水の利便性を考えて、そのうちの一枚を選ばせてもらいました。
東北で参加してきた田んぼの生きもの調査を、今回こちらでも独自に進めていきたいと思った経緯については前回のブログで書いたとおり。
その調査を7月13日(土)、この田んぼで行います。
今回はまだ初回で手探り状態。
どんなことになるかは分かりませんが、参加したい、見てみたいと思われる方はわが社のHPのフォームからご一報下さい。
http://www.yui-garden.com/contact/index.html
今回、畦からわずかに覗いただけでも、うにょうにょしたのやら、くりんくりんしたのやら、ばたばた泳ぐのやら、ぴょんぴょん跳ねるのやら、かなりの面白い子たちがおりました。
楽しみです。