フェントン・ハウス・ガーデンⅠ~イングリッシュ・ガーデンの旅 17
テーマ:イングリッシュガーデン
2011/02/21 06:52
ハムステッドの森を歩いた後、体力と時間に余裕があって、しかもちゃんと辿り着けたらぜひとも行きたいと思っていた場所がありました。
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フェントン・ハウス。
ハムステッドの街中にあってこの街でもっとも古い建物なのだそうです。
1693年というから名誉革命の直後、ステュアート朝のメアリー2世・ウィリアム3世共同統治時代でございます。
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イギリスに行く前にはかなり庭園史と並行して英国史も勉強しましたが…。
それもすでに過去の遺物となりました。
でも、ここで復習。
英国庭園史的にはこの時代、フランスやオランダの影響を受けて流行した整形式庭園がやや下火となり、18世紀になって後にイングリッシュ・ガーデンの代名詞となる風景式庭園が誕生するまでの過渡的な時期でした。フランスからオランダを経て小振りになった整形式庭園は、イギリス人の好みにあったようです。
まして、田舎の地主のみなさんにそれほどの敷地がある筈もなく…
かくして、郊外のマナー・ハウスに居心地の良い、気持ちのよいこぢんまりとした庭園が誕生したのでした。
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この日は確か水曜日。訪れたのは15時前。
まさにピタリと公開時間に訪れることができたのは天恵というべでしょう。
フェントンはかつての所有者からとった名前のようです。最後の所有者の死後、ナショナル・トラストの管理下に入りました。
とてもしっかりと丁寧に管理された素敵な庭です。
まずは案内図を…
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周囲をぐるりとレンガの塀に囲まれた庭園は、3(4)段構造のサンクン・ガーデンとなっています。
これがけっして広くない庭園にとてつもない奥行きと空間の拡がりとを与えています。
まず館の右手入口を抜けると庭園の東側に沿って北へと延びるイースト・テラス。
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右手の壁面植栽を見せながら、左手に目をやると庭全体の構造をそれとなく見下ろすことが出来ます。(勿論、細部はまだしっかりと隠されていますが)
この予習をさせながらたっぷり期待に胸躍らせてくれるという、洒脱な趣向が面白いと思いました。
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館からもその窓ごとに庭の景色がいろいろと楽しめそうですね。
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わずかに下がって2段めに芝生の広い庭があり、その北にクロス・ボーダーと呼ばれるハーブ・ガーデンを経て、ローズ・ガーデンがあります。
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イースト・テラスとローン・ガーデンとの高低差がわずか1.2mほどであったのに対し、見ての通りローズ・ガーデンは2mほど下っていますから、ここにもサンクンの仕掛けが施されています。
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イースト・テラスを突き当たって左に折れると、ノース・テラス。
そのまた突き当たりにベンチが据えられてあって、とても気持ちの良い場所になっていました。
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階段を下ってサンクン・ガーデンの2段目に下ります。
左手にローズ・ガーデンを見て、クロス・ボーダー。
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この時期まだ花は咲き揃っていませんが、ハーブたちが間もなく見頃を迎えようかという時季でした。
2段目の西側の縁を南北に貫くのが、スプリング・ボーダー。
こちらはすでに花盛りでした。
右手、1段下のベジタブル・ガーデンを見下ろす位置です。
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左手にはローン・ガーデン。
円錐形に仕立てられた常緑樹は斑入りヒイラギでした。
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2色に分けられた芝生は、種類が違うのでしょうか?
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そのローン・ガーデンから最初のイースト・テラスを見れば、ここが2重のボーダーになっていることがわかります。
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その南端、館の北面にやはり斑入りヒイラギのトピアリーが並ぶ小径があり、入り口付近に戻る階段が。
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サンクン・ガーデンの高低差がこのようにして様々な景色を生み出しています。
次回は最下層にある果樹園やベジタブル・ガーデンをご案内します。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
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フェントン・ハウス。
ハムステッドの街中にあってこの街でもっとも古い建物なのだそうです。
1693年というから名誉革命の直後、ステュアート朝のメアリー2世・ウィリアム3世共同統治時代でございます。
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イギリスに行く前にはかなり庭園史と並行して英国史も勉強しましたが…。
それもすでに過去の遺物となりました。
でも、ここで復習。
英国庭園史的にはこの時代、フランスやオランダの影響を受けて流行した整形式庭園がやや下火となり、18世紀になって後にイングリッシュ・ガーデンの代名詞となる風景式庭園が誕生するまでの過渡的な時期でした。フランスからオランダを経て小振りになった整形式庭園は、イギリス人の好みにあったようです。
まして、田舎の地主のみなさんにそれほどの敷地がある筈もなく…
かくして、郊外のマナー・ハウスに居心地の良い、気持ちのよいこぢんまりとした庭園が誕生したのでした。
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この日は確か水曜日。訪れたのは15時前。
まさにピタリと公開時間に訪れることができたのは天恵というべでしょう。
フェントンはかつての所有者からとった名前のようです。最後の所有者の死後、ナショナル・トラストの管理下に入りました。
とてもしっかりと丁寧に管理された素敵な庭です。
まずは案内図を…
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周囲をぐるりとレンガの塀に囲まれた庭園は、3(4)段構造のサンクン・ガーデンとなっています。
これがけっして広くない庭園にとてつもない奥行きと空間の拡がりとを与えています。
まず館の右手入口を抜けると庭園の東側に沿って北へと延びるイースト・テラス。
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右手の壁面植栽を見せながら、左手に目をやると庭全体の構造をそれとなく見下ろすことが出来ます。(勿論、細部はまだしっかりと隠されていますが)
この予習をさせながらたっぷり期待に胸躍らせてくれるという、洒脱な趣向が面白いと思いました。
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館からもその窓ごとに庭の景色がいろいろと楽しめそうですね。
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わずかに下がって2段めに芝生の広い庭があり、その北にクロス・ボーダーと呼ばれるハーブ・ガーデンを経て、ローズ・ガーデンがあります。
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イースト・テラスとローン・ガーデンとの高低差がわずか1.2mほどであったのに対し、見ての通りローズ・ガーデンは2mほど下っていますから、ここにもサンクンの仕掛けが施されています。
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イースト・テラスを突き当たって左に折れると、ノース・テラス。
そのまた突き当たりにベンチが据えられてあって、とても気持ちの良い場所になっていました。
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階段を下ってサンクン・ガーデンの2段目に下ります。
左手にローズ・ガーデンを見て、クロス・ボーダー。
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この時期まだ花は咲き揃っていませんが、ハーブたちが間もなく見頃を迎えようかという時季でした。
2段目の西側の縁を南北に貫くのが、スプリング・ボーダー。
こちらはすでに花盛りでした。
右手、1段下のベジタブル・ガーデンを見下ろす位置です。
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左手にはローン・ガーデン。
円錐形に仕立てられた常緑樹は斑入りヒイラギでした。
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2色に分けられた芝生は、種類が違うのでしょうか?
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その南端、館の北面にやはり斑入りヒイラギのトピアリーが並ぶ小径があり、入り口付近に戻る階段が。
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サンクン・ガーデンの高低差がこのようにして様々な景色を生み出しています。
次回は最下層にある果樹園やベジタブル・ガーデンをご案内します。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/