枕木と土で庭を造る~横瀬町O様邸 2012年夏
テーマ:しごと
2013/01/27 08:43
こういうのを庭園工事、などというとお叱りを受けるかも知れません。
少なくとも外構工事とは呼べないでしょうね。いちおう、少しだけブロック積んだけど…
ご希望は自転車の置き場とガレージの舗装。周囲を安全で清潔にして、ほどほどに植木も入れたい。菜園も…
ちょうど折原ファームでログキャビンを組立てていた最中に最初のお打ち合せをしたことも有って、お勧めしたのでした。
自転車置き場なら、いっそ小型ログにされたらどうですか?
工賃含めて10万ちょっとなら、アルミのサイクルポートとさほど変わらないし、他の荷物も収納できるし、何よりもお洒落だし。
これ、実は施工業者を紹介してお客さんに建てて貰ったので、わが社のメリットはまったく何も無いのですが…、それでもこの景色は良いですよね。
もちろん事前に路盤の入れ替えはしてあります。
正直に言いますと、コンクリートの舗装は好きではありません。
なんだか夏がどんどん暑くなっていく日本の家屋に、コンクリートの照り返しは絶対良くないと思います。
それでも仕事ですので必要とあらば施工しますが、特に必要では無いときは、
今回のように土で固めてしまえば良いと思っています。
ただ、道路に向けた水勾配のある宅地で土だけというのは、いたずらに土を流出させたり、固まるまでの間に不自由な思いをして頂くことにもなるし、何よりもメリハリが無いので…
何度も何度も登場してきますが、
防腐剤を施していない新材の、つまりは耐久性の有る素材の枕木を使います。
ここではオーストラリア産ユーカリ ‘レッドアイアン’製のものを使っています。
中古材は絶対に使いません。
もちろん、既存の土の上にただ真砂土を入れただけではクルマの加重に耐えられないので、事前に路盤材を入れてしっかりと締め固めてあります。
そうすることで、ご家族のライフスタイルの変化に応じて、それこそコンクリートにも、芝生の庭にも、レンガの庭にも、いかようにも転換が可能だから。
今は少なくともお子様がまだ小さいので、走り回っても危なくない土が良いと思いました。
将来は二人のお子様の分を合せ、4台分のガレージが欲しいとおっしゃられたのを聞いて、それがベストだと考えた次第です。
締め固めておけば雑草は生えにくく、それでもほぐせば植物を植えることができますし。
図面下方、東側の庭は土だけをブロックで止めて、その土も腐植性の高い、質の良いものと交換しました。いずれ草花を育てて頂くとしても、今は夏の午後から日陰になって、良い風が抜けるこの部分にベンチでも置いてお子様とくつろいで頂ければと思っています。
とりあえずは、オリーブ、ローレルと、
北東側にはソヨゴと、
北側には常緑ヤマボウシの ‘ホンコンエンシス’を植えました。
すべて常緑です。
バイクハウスとウッドデッキの間の小さな菜園にはジューンベリーを植えてあって、南西側のこちらは落葉です。3枚目の写真に写っていました。
心配なのは何度目くらい雨で土が落ち着いて流れなくなるか…
だから、時々様子を見に行きましたが、
さすがに9月のこの頃になるとすっかり落ち着いておりました。
あとは、ご家族がどれだけこのお庭で楽しんで頂けるか、ですね。
また、見に伺いたいと思っています。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
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レンガで花壇とバーベキュー台を造る~さいたま市N様邸 2012年春~初夏
テーマ:しごと
2013/01/26 07:03
昨年の初夏、ロックガーデンの仕事を終えるのを待って頂いて着手した現場です。
お打ち合せは春でした。
さいたま市というとロックガーデンの現場よりさらに遠いようでいて、それでもこの旧与野地区となると高速道路を使えば1時間半程度で着きます。渋滞にさえぶつからなければ…
仕事場はこの狭い通路を抜けた先の、
こちらです。
中古の住宅をリフォームして購入されたのですが、ここには古い大きなウッドデッキが有ったのだそうです。
それを解体した後に広い庭が出現しました。
こちらにレンガ製のバーベキュー台を作りたいというご要望でした。
足元は芝生。
さらにレンガや石を多く敷き詰めて芝部分を少なく出来れば良かったのですが、予算の関係も有るのでそれは一部に止め、一体感を出すために鉢で育てられていた植物を植えられる花壇も、同じレンガで製作することにしました。
それ以外の狭い通路部分は平板や化粧砂利を敷いて雑草対策とします。
少し時間をいただいての設計となりました。その間、時折お訪ねして再測量をした際に見たハナミズキの花。
この素晴らしい花を見ることで、実はデザインに少し変更を加えたりしました。
5月から6月にかけての施工となり、その後改めて6月下旬にお邪魔したときの写真です。
生育の悪かった芝生は秋口にまた張り替えを行いました。
花壇は奥に3段。
奥の花壇は高さを出しつつ奥行きを感じられるものにして、手前からハーブ、宿根草、低木と植え分けました。
その左右にボーダー花壇を配置しましたが、右側のそれは低木と宿根草、一年草と野菜の混在する楽しい花壇になりました。
バーベキュー台には水栓を付けました。もともと立水栓の無いお庭でしたので、実はこの水道工事が大ごとだったのですが、今となればその痕跡は見えません。
グリル部分は敷き鉄板の上に炭を並べて頂ければ、レンガを汚さず掃除も楽になります。その上のステンレス棒に網や鉄板を乗せて調理します。
ハナミズキの生み出す陰がこの庭の数少ない緑陰となりますので、鉢に植えられてきたシャクナゲはこの場所に。
その他の鉢植えの植物たちも随所に収まりました。
それ以外の、あまり手間を掛けたくない部分は防草シートを施して化粧砂利。
芝生で覆う土の部分も、建物の影になって生育にあまり良くなさそうな部分にはヒメイワダレソウを。
芝とイワダレソウのせめぎ合いで領分を分け合って貰うことにしました。
なかなか思い切って様子を見に伺うことの出来ないお宅ですが(やはり半日以上は掛かりますから)、それでもこの春にはまたお邪魔したいと考えているところです。
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ぶどう棚の付いた木製テラスを造る~美里町S様邸 2011年夏~秋
テーマ:しごと
2013/01/25 09:12
こちらからご依頼を頂いたのは2011年の夏のことでした。
ご要望はずばり、
庭先のブドウのためにブドウ棚とウッドデッキを作って貰いたい。
決して広くはないお庭はそれはもう素敵で、いろいろな植物に溢れるとても楽しいものでした。
その庭先にウッドデッキをを作れば、お庭をさらに狭くしてしまうことになりますが、
・夏の強い日差しを遮ってくれて葉の姿も美しいブドウを、まず大切にしたい。
・小さなお孫さまたちのためにビニールプールなどを出せるドライな空間が欲しい。
・今は連続性の無いお部屋と大切な庭とをつなぐものが欲しい。
だからあえてウッドデッキなのだというお気持ちがとても良く分かりました。
ブドウの移植が前提となりますので、施工はブドウの落葉を待って2011年の秋に行いました。
出来上がったブドウ棚付きテラスがこれ。
ブドウの病害虫のことを考え、またテラスの有用性から屋根付きとしました。
そして、その屋根下に一定の空間を確保しながらブドウ棚をつり下げるという設計です。
床は低くしてブドウの株元に水をやりやすくして、その事で他の植物たちとの距離を縮めました。
隣接するとなりのお部屋には屋根付きの物干し台と縁側。
竿掛けも使い勝手の良い高さと位置を確認しながらの手作りで製作。
縁側です。
その縁側とテラス部分との段差を消してかつ、直接渡ることが出来るように…
端材を使い、おまけとして渡り廊下ならぬ渡り板を取付けました。
お部屋との段差解消のための踏み段。
これは可動式ですので椅子にもなりますし、ブドウを手入れする際の踏み台にもなります。
素材はすべてACQ防腐処理済みの国産杉。
木目が美しく、樹の質感が伝わる上に耐久性には定評があります。
まして屋根を掛ければ何の心配も無いわけで…
お客さまならずとも、ブドウの成長がとても楽しみです。
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