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朝露のころ

テーマ:
一年前の6月。
ブログを書けなくなった頃に遡って、写真や仕事の記録を整理し始めました。

去年の梅雨入り前の関東は、とても空気がさっぱりとした気持ちの良い日が続いていました。

でも、まれに朝露の降りる朝もありました。

朝の公園02

  それは静かで危うい風
  日なたの始まりのあたりから
  草先の露を揺らして渡ってくる
  さざめき揺らしながらも
  散らすことはせずに

  捕まえようとして
  差し伸べかけた指を
  するり
  すり抜けたのは
  遠い春の日の記憶の欠けらに似て
  去年の夏の熱情の残り香にも似て

  軽やかで優しい
  足音を待つ濃密な時間
  秋の芳醇な森の音を聴き
  冴え渡る冬の空を見上げる

  つかの間
  この草原の露が乾くまでのあいだ

  人の世の季節をみごと
  流れ切る



朝の公園01



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車上荒らしのてんまつと新しいお仕事

テーマ:思い
車上荒らしに合って、手持ちの財産を全部持って行かれたのは、先月の21日のこと。

ちょっとした会合の二時間ほどの間、仕事の車の助手席の鍵を壊されてのことでした。
支払いの為に準備していた現金の他、仕事用と家庭用に分けて持っていた複数の通帳、キャッシュカード、クレジットカード類、さらに運転免許証に保険証…

現金は頑張って働けばいつか取り戻せるし、通帳やカード類はすぐに使用出来ないよう手を打ちましたが、それら全てを再発行する為の労力と時間たるや…

ま、そのお陰で仕事は一時完全休業を余儀なくされ、思わぬところで生まれた時間をたんまり読書や音楽鑑賞に充て、ブログを再開するだけの気持ちの余裕を得られた訳ですので、様々な教訓以上に得るものも多かった経験でした。

が、それでも悔しかったのは同じバッグの中に納められていたために、一緒に持ち去られてしまった品々でした。

友人がくれたバッグ。
わたしが事業を始めたときに、安物の財布では貯まるお金も貯まらないからと、生前に家内が買ってくれたやや高価な仕事用の財布。
イギリスに出掛ける前に父の日のプレゼントと、娘が買ってくれた今は家庭用に使っている財布。
大切な友人が故郷の新潟に戻る前に買ってくれたペンケースとペン類。
つい先日、これも大切な友人が誕生日に贈ってくれたボールペン。
バーテン時代に愛用していたバーテンダーナイフ。

二度と取り戻すことのできないそれらの喪失は、現金やカード類を失ったショックの比ではありませんでした。
…何にしても、クルマに残して離れた自分が悪いのだからと、ただただ反省の毎日でした。

そして、つい先日のことです。
通帳やカード類の再発行が終わり、何だかんだで遅れてしまった設計のことでお詫びに伺ったお客さまのお宅からの帰路、警察から電話が入りました。

盗まれたバッグ類が見つかりました。もちろん、現金やカードはなくなっていますけれど…

とっくに諦めの付いていた現金や、すでに再発行を終えて特に被害もなかったカードのことなんて、どうでも良いことでした。
わたしは警察の下調べが終わるのを待って、いそいそと最寄りの駐在所に向かいました。

で、わたしの持ち物は文字通り現金とカードを除く全てが戻ってきました。

空き地に捨てられていたのを、地主が見つけて通報して下さったとのこと。
今年に入ってここら辺りはまったく雨が降っておらず、だからそれらは屋外に2週間も放置されていたとは思えないほどに綺麗な状態のままでした。

指紋を一切残さないプロの犯行にしては妙な詰めの甘さに感謝しました。
そして、その夜になって今年最初の雨…
天にも感謝しました。
改めて、それらの品々を贈ってくれた一人一人にも感謝しました。
もちろん、警察の方々や拾い主の方にも感謝です。

* * * * * * * * * * * * * * * * *

そんなことが有って昨日。

以前に施工した2件のお宅を訪ねる機会がありました。

横瀬町E様邸

2009年に施工してそれ以後も親しくおつき合いして頂いているEさんのお宅。
樹木のメンテナンスと続きのお仕事を依頼していただきました。


鴻巣市A様邸


2007年に施工して以来、時々様子見にお邪魔しているAさんのお宅。(二人目のお子様のご出産、おめでとうございました)
こちらも前回出来なかった工事の続きを設計することになりました。

共に年賀状で年末の長患いを報告してありましたので、かなり心配をお掛けしていたようです。
そしてどちらも同じように、今回の仕事だけでなく、これから先ずっとわたしに庭づくりの手伝いをしてもらいたいと、そうおっしゃって下さいました。


…とてもありがたいこと。
わたしはこれまで本当に、仕事にもお客さまにも恵まれてきたと思います。

なんだか最近、感謝することでいっぱいです。




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RHSガーデン・ウィズリーⅢ~イングリッシュ・ガーデンの旅 15

テーマ:イングリッシュガーデン
ウィズリーの3回目は、植物だけの力で魅せるガーデン…
ボーダー・ガーデンというくくりで写真を拾っていきたいと思います。

ガーデンである以上、しっかりとしたメンテは不可欠ですが、それでも季節ごとの植え替えなどなかなか出来ないボーダー・ガーデンを一年通じて魅せていくのは、並大抵の技量ではできないと思います。
それだけにガーデナーの力量の問われるこのガーデンには、当然ながら惹かれるものがあります。

ウィズリー ボーダー01

ウィズリー ボーダー02

130メートルも続く著名なミックス・ボーダー。
先に見えるトピアリーの向こうにもそれは続いて、そちらのボーダーの左右は森。脇道に入ると道は深く入り組んで、興味があるもののそんな所に入り込んだら一日でとても見切れないと、怖くなります。

巨大なグンネラがありました。

ウィズリー ボーダー03

ウィズリーにはこのミックス・ボーダーの他に、新しく出来たグラスハウスの前にももうひとつのボーダーが。

ウィズリー ボーダー16

こちらもなかなかのスケールです。

ウィズリー ボーダー09

勿論それだけでなく、小さなモデルガーデンとガーデンをつなぐ園路も、或いはワイルド・ガーデンという森の小径もとても良く整備されていてその左右にも宿根草の連なりを楽しめます。

ウィズリー ボーダー04

ウィズリー ボーダー06

ウィズリー ボーダー05

こんなところも。

ウィズリー ボーダー07


ウィズリー ボーダー08

この時期、ボーダーの中でとてもよく目立つのがまずヘメロカリス。

ヘメロカリス01

実に様々な色があってそれが広大なボーダーの中に点在しています。

ヘメロカリス03


ヘメロカリス02


あと、トリトマの鮮やかなオレンジ。

トリトマ


フロミスの淡いイエロー。

フロミス

まっすぐに伸びる藤色のが高い空間にゆらゆらと揺れて、なかなか印象的なこの花…

ウィズリー ボーダー10


藤色のベロニカ?


それから、アストランティアにもいろいろな花色がありました。

アストランティア


ディエラマ。

ディエラマ


ガウラ。

ガウラ

ペンステモン。

ペンステモン


なんだか藤色系の花が集まってしまいましたが、イエローもあります。

アルストロメリア。

アルストロメリア


なるほど、こうやって集めた花の色を見ると、まあこのシーズンに限ったことかもしれませんが、印象的な強いイエローが少ない。
それが本当に時折出現するから遠目にもそれは分かって、空間をしっかり引き締める効果が顕れるのでしょうね。

ウィズリー ボーダー11

ウィズリー ボーダー14


おそらくはきっと、こんな色の組合せばかりが続くと、落ち着かなかったに違い有りません。

ウィズリー ボーダー12

ウィズリー ボーダー12

日本では季節によってみすぼらしくなったり、こんもりとした茂みにムシが大量発生したり…
なかなか手強いガーデンですが、きっとまだまだ工夫の余地はあるのでしょうね。



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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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