ロックガーデンを造る~H市N様邸03 2012年夏

テーマ:しごと
 昨年の春、4月下旬から5月にかけて…
 
 このブログの記事を書くにあたり、こちらのお宅に植え込んだ低木や宿根草たちの数を集計してみました。

 約90種、650株。
 われながら、少し愕然となるような数字でした。
 よくもまあ、植えたものです。


 それらが6月を迎え、力強く育ち始めました。

01 2012年6月


 ロックガーデンですので、そこはただの石組みとは違い、岩と岩の間にたっぷりと腐食土を入れています。
 それらの表土が当初、雨のたびに流出してお客さまにご迷惑を掛けてきました。

 でも、それも夏までですので、どうかそれまではご辛抱下さい。
 わたしはそう申し上げてきました。

02 2012年6月
 

 それまでには岩と岩の間に植え込んだ低木がしっかりと根を拡げ、あるいは宿根草たちが地表を覆い、おのずと土の流出を止めてくれる筈でした。

03 2012年6月


 ロックガーデンはどうしてもドライなものにならざるを得ません。
 地表の水分はすぐに岩間に染みこんでしまい、さらに岩自体が水分を吸収します。
 だからここで使う植物は乾燥に強く、日当たりの良い箇所では暑さにも強くなくてはなりません。

04 2012年6月

 
 そうした中で少しでも早く地表面を覆ってくれるグランドカバーとしてわたしが採用したのは、

 クリーピング系のタイム、セダム類、ヒメイワダレソウ、ヒメツルソバ、リシマキア ‘ヌンムラリア・オーレア’、ロニセラ、アメリカンブルー、コンボルブルズ、グーデニア、オノエマンセマといった仲間たちでした。

05 2012年6月


 それらを環境ごとに使い分け、例えば南側はクリーピング・タイムを中心に、東のガレージをセダム類で、西側の落葉の林の足元はヒメイワダレソウで覆い、北の和の庭の建物寄りを日陰にも強いヒメツルソバで、樹の足元を同じくリシマキアでというように植え分けたのでした。

07 2012年6月


10 2012年6月


 6月のこの時点ではごらん通り、ようやくシュートを延ばし、根を拡げ始めたところです。

 一方でその他の植物たちも確実に大きくなり、あるいは花を咲かせ、あるいは色づき…

06 2012年6月


08 2012年6月


09 2012年6月


 これが5月のことでした。


 さらに長かった7,8月を経て…

11 2012年9月


 さすがに9月ともなれば、植物たちのボリュームがはっきりそれと分かるほど増大しています。

12 2012年9月


 このときの訪問ではさすがに追加は出来ず、秋の宿根草の植え込みは翌月まで待つことにしました。
 その代わり、かなりの量の切り戻しを行いました。

13 2012年9月


 土の露出もめっきり少なくなり、これでもう雨ごとの流出も過去のもの。

14 2012年9月


 キッチンガーデンの野菜たちもこんなに大きくなり、

15 2012年9月


 何よりも驚異的だったのはヒメイワダレソウたち。

16 2012年9月


 雑草の世話をしなくて済むよう、早々に緑のカーペットにしてしまいましょう、
 …とは申し上げましたが、

17 2012年9月


 まさか半年足らずでここまでこの場所を気に入ってもらえるとは!

18 2012年9月


 和の庭のグランドカバーももう一息といったところです。

19 2012年9月


 10月の再訪と追加植栽をお約束して、まだまだ残暑厳しい9月の庭を後にしたのでした。

20 2012年9月




よろしければ、ホームページもご覧下さい。
 http://www.yui-garden.com/

 

























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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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