和から洋へ、庭をデザインする~神川町B様邸 2011年春~2012年冬
テーマ:しごと
2013/01/23 04:58
以前の会社時代からお世話になっている方がいて、その方が仕切っている現在の勤め先は土木専門の会社です。これはその方からのご依頼で、庭の設計と、その会社で対応できない箇所の施工ということで引き受けたお宅です。
2011年の春、震災の直後に初回打ち合せをし、何度か打ち合せを重ねてプランに変更を加えました。
興の向くままに石を並べ、植栽された庭を全面的に改装し、手つかずの玄関前を含めて和洋取り混ぜたスタイルにされたいとのこと。
最初はサン・ルームのご要望を加え、しかしそれでも全体に和の雰囲気を残した提案でした。
その後、プランは和洋併せ持ったフロントから、一旦袖垣で仕切られたその先で和に。さらにその奥に向かって洋へと変化するものと改め、
最終的には玄関前にスロープを追加することになってよりモダンに。袖垣もスリットフェンスに改めてお洒落なものに変わっていきました。
施工開始はその年の冬。わたしはロックガーデンの製作に入ったばかりで、時折そちらの現場を抜けさせて頂きながら対応し、翌春、ロックガーデンの完成を待って担当するウッドデッキやスリットフェンス、植栽の仕上げなどの施工に戻りました。
そしてこれが完成後1年が経過した、昨年冬の再訪時の写真です。
紆余曲折を重ねた玄関前の植栽は、やはり和洋の雰囲気を併せ持つホンコンエンシスとトウカエデ ‘花散里’、そして ヤマボウシ ‘サトミ’ を骨格とし、足元はビバーナム、イヌツゲ ‘貴婦人’、コトネアスターで埋めました。季節には花散る里がとても美しかったとのことです。
スロープの左はイヌツゲとリシマキア・ヌンムラリアで日陰部分をカバーし、その正面にはサカキのトリカラー。
門塀裏の植え込みを3種のアベリア、ホープレイズとフランシスメイソンとエドワード・ゴーチャーで埋めました。
スリットフェンスはウリンの角材。70×70を柱とし、45×60のスリットを並べてできる限り細かな線を集めてみました。
足元にはさらにビンカのマイノールを加え、
フェンスの先のグランドカバーはリシマキアからヒメイワダレソウへ。
樹木もクロモジ、カシワバアジサイ、斑入りヤツデ、ソヨゴと続きます。このあたりの和室からの眺めは和の雰囲気で…
その先も和の飛び石とシャラ、ヤマモミジと和のテイストを保ちつつ、ウリン製のウッドデッキとタイル張りのテラス、明るい落葉樹の庭と変化していきます。
生け垣にはトキワマンサク。
その先にはトウネズミモチ ‘トリカラー’。
裏手の菜園に至ってはわたしのデザインの及ぶところではありませんが、実のところわたしの最も好きなエリアです。
冬12月も暮れ近くになって、まずここまでの彩りを残す庭になってくれたこと、していただいたことに深く感謝いたしました。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/