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フォレストサンズ長瀞キャンプ場 事のてんまつ その2

テーマ:思い

じつは堂平キャンプのさらに1週間前のこと。

中学時代の同窓生たちが長瀞の新しいキャンプ場を見たいと言って、泊まりがけで秩父を訪ねてきてくれました。
まあ、この連中は何かにかこつけては集まって飲んだり遠出したりを年数回、毎年のように行っている仲間なので、今回もゴルフや秩父観光を兼ねた1泊旅行ではあったのですが…

フォレストサンズ長瀞0806-5

そのような次第で10人ほどでフォレストサンズ長瀞キャンプ場の厄介になりました。

当日は夏休みに入って間もない週末ということもあってコテージは子供会の貸し切りで満室、トレーラーハウスも19棟のうち空きがディキャンプで使用した1棟を加えた2棟だけという盛況ぶりでした。

フォレストサンズ長瀞0806-1

正式にオープンしてから初めてのキャンプ場は隅々まで整備され、スタッフの努力が随所に見られます。

思えばわたしは全体のレイアウトと1期の植栽工事、水場のデザインと設計程度に関わっただけで、いわば美味しいところだけ頂いて後の面倒くさい雑務は他のスタッフにお任せしてしまったような具合で、それだけによくぞここまで、という思いでした。

フォレストサンズ長瀞0806-2

あまり日本人が使い慣れていないトレーラーハウスですので、その使用に当たっては様々な説明が必要。
これは満願ビレッジオートキャンプ場で運営に当たった際、わたし自身が経験した事でもありますが、チェックイン時のスタッフによる説明はベッドメイクの実演を含めると20分から30分に及びます。
本当にお疲れさま~

フォレストサンズ長瀞0806-3

わたしだけでなく、みんなが苦労して製作した Rock Fall も家族連れが水遊びに興じてくれていましたし、その後には子供会の夜のイベントのステージとしても使ってもらっていたようで、とにかく何より何よりスマイル(男の子)

フォレストサンズ長瀞0806-4

われわれも遅くまで語り明かし…みんな満足して帰って行ってくれましたハート2



フォレストサンズ長瀞はとても魅力的なキャンプ場ですが、この夏はオープンして間もなくまだまだ知られていない穴場となっております。
夏休みの後半にもまだまだ空きがあるようですので、ぜひご来場ください。
(その際にはわたしにぜひご一報を! 少しくらいの優遇はしてもらえるはずですのでビックリマーク


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合歓の盆 秩父音頭まつり

テーマ:イベント
堂平から下山したその足で向かったのが、8月14日に開催された「合歓の盆 秩父音頭まつり」の会場でした。

秩父音頭まつり会場

今年は地域PTAの代表と言うことで運営員会の一員に加えて頂き、かなり早い準備段階から関わらせていただきました。
震災の影響や被災した方たちへの配慮から当初は開催の是非が議論されましたし、恒例の花火大会について中止という意見もありましたが、むしろ復興支援の気持ちをこめて例年通りに開催する方向で決定を見たのでした。
その趣旨にのっとり、秩父地区に避難されている福島県双葉町の皆さんをお招きしようと言う案も浮上したのですが、双葉町の皆さんは皆さんでご自分達の盆を過ごされたいとのことでやむなく断念するという経緯もありました。(同日、双葉町の皆さんの多くが避難されている加須市で盛大に盆踊りが開催されたと新聞に報じられていましたね)

秩父音頭まつり ミーナ

秩父音頭まつりの眼目は正調流し踊りコンクールにあります。
老若男女がこぞってチームを組み、町内のメインストリートから役場の広場までを練り踊ってその華麗さを競います。各箇所には歌い手、囃子方がいてその唄と囃子を披露してくれるのですが、秩父地区にはどの町内にもこうした方たちがいて、どんな小さな盆踊り大会でもテープなどでなく、生の演奏と唄とで踊るようです。

秩父音頭

今年の出場チーム数は76を数え、16時45分にスタートした最初のチームから最後のチームが舞い終えるまで3時間半の長丁場でした。その中にはわが皆野中学からの参加チームが12、小学校や子供会、スポ小などの子供達をはじめ、青年のチーム、ご婦人のチーム、お年寄りのチームなども多数有って、町外からの参加も少なくありませんでした。
わたしは15時から準備に加わり、引き続きこのコンクール参加者の受付、PTAの仕事で会場の巡回、翌日の片付け作業といった役割を受け持ちました。

秩父音頭まつり 流し踊りコンクール

秩父音頭の舞いは大層美しく、そのひとつひとつに養蚕や農耕などの秩父の暮らしぶりが表現されていて、特に雁の飛翔を表す両手を斜めに傾けながら拡げる所作の美しさは圧巻だと思っています。
素朴ながらウィットに富んだ歌詞や小気味の良いはやし言葉、軽快さ華やかさ(小太鼓と鉦)と力強さ(大太鼓)、そして独特の哀調(笛)とが相まって、心を打ちます。

秩父音頭まつり 夜

この皆野町に居を構えて16年め。
わたしは初めて、祭の場に最初から最後までとどまって、その賑わいと風情を堪能したのでした。


YouTubeで昨年の様子が動画で紹介されていると教わりました。
興味のある方こちらをご覧ください。



ガーデナーの条件~再び、森昭彦さんについて

テーマ:思い

前回のブログで森昭彦くんについて書いたのですが、後から考えてみると本来伝えたかったことがほとんど書けていなかったことに気付きました。
…お恥ずかしいことです。
少し気が高ぶっていたのでしょうか?

と言うわけで、改めて森昭彦くんについて。あるいは優れたガーデナーの条件について。


かなり以前から自分のホームページで書いてきたことでもあり、事あるごとに後輩たちにも伝えてきた優れたガーデナーの条件。

幅広い知識。
豊富な経験。
豊かな感性。
そして、心意気!

ガーデナーたるもの、植物や動物、様々な自然の有り様に関しては勿論、世の中の流れや人の心の動き、そして何よりも人が暮らしていく中で培われ蓄積されてきたあらゆる英知を自分のものにしていなくてはならないと思います。
ガーデナーたるもの、優れた仕事との出会いばかりでなく間違いや失敗の経験からも学ぶことを多くして、それらすべてを今に活かさなくてはならないと思います。
ガーデナーたるもの、もとより優れたものを見る目を養い、その美意識をフルに稼働させて万人に通じる本当の美を、自らの仕事の中で再現出来なくてはならないと思います。
そしてガーデナーたるもの、自らの良心と誇りに恥じることなく仕事をまっとうし、まっとうするためには目先の利潤や名誉、損得や労苦などで志を曇らせてはならないと思います。

…などと高く掲げた理想にわたし自身がとおに落第しているのですが、世にガーデナーを自称する者が多い中、これらに合致するのはほんのひと握り。
そのほとんどが紛いものである現実に、忸怩たる思いをしているのは井出さんだけではないと思います。

確かに最初の3つ。知識と経験と感性…それらは分かるとしても、人間としての資質まで条件にするのはどんなものか? まして利益追求を前提としないビジネスなど存在しないのではないか?

わたしが思うのは、人の幸せを左右する仕事に就くものはすべからくその人間性までが問われなければならないのではないか、という事です。
もうひとつ。
植物や動物など生き物と向き合う仕事に就くものも同様に、人間としてまっすぐな心を持たなくてはならないと思います。
さらにもうひとつ言うなら、仕事の精度や質に関して法や令によって厳しく定められている業種はともかく、それの無い業種はすでにその良心やモラルやマナーを固く信じられているのだから、それを裏切る者であってはならないという事です。
わたしはそれらすべてがこのガーデナーという職種に該当するのではないかと思っています。


あ、森くんの話でしたね。
いえ、脱線ではありません。

わたしは彼と直接対面する以前、その著作を通して彼もまたほんの一握りの希少種…レッドリスト掲載の絶滅危惧種なのではないかという気がしていました。
そして会って話して分かったこと…
現在彼が活動の中心としている国営武蔵丘陵森林公園での仕事もまた、ボランティアであるということ。
売れ筋よりも内容に比重を置いた著作も、彼の十分な収入源となっていないこと。
…やはり彼もまた、愛すべき絶滅危惧種でした。

先日お話しした井出さん然り、その井出さんがわたしと会う少し前に会談したというO先生然り、どさくさに紛れて言ってしまうならガーデン工房 結 -YUI- 然り…
まっとうで良い仕事をしようとすると決してお金持ちにはなれません。
ただ、負け惜しみでなく、心はとても豊かですのでたいていのことは許せます。
そこで優れたガーデナーとしての5つ目の条件です。

強くて温かい絆で結ばれたネットワークを持っていること!

森くんとわたしを結んでくれた30年来のキャンプ仲間がそれです。
また、普段はお互い連絡を取り合う事が無くてもいざという時は駆けつけて儲け度外視で助け合う同業者仲間たちがそれです。
そして、仕事が終わって何年経過しても未だに家族同然に扱ってくださり、いつでも温かい声援を送って下さるお客さまたちがそれです。

これも先日、井出さんと話して考えたことですが…
腕の良い職人さんはお金さえ積めば来てくれるかも知れない。
でも、その職人さんにその腕以上の良い仕事をして貰うのはお金ではなく、つまるところその依頼主次第ではないか、と。
この人間のためならもうひとつ頑張ってやってもいい、この人間の喜ぶ顔が見たいからもうひとつおまけをしてやろう…そうしたところに伝説は生まれます。
そういうネットワークを生み出せる者こそが、優れたガーデナーではないでしょうか?

わたしは勿論自分で生み出す力を持たないので、仲間たちが作ってくれたネットワークに助けてもらってばかりいるのですが、そして人間の資質においても、知識や感性においてもまだまだ学ぶことがいっぱいですが、(経験だけはとりあえず35年ばかり溜めましたので) 今ここで森くんのような人間と出会う機会をもらったということは、きっとまだまだ頑張って構わないぞという事なのでしょう。

そう言った意味で絶滅危惧種の森くんは同時に、さながらユキノシタ科のタコノアシが自然の豊かさを示す基準となるのと同じような「環境指標生物」みたいなものかもしれません。(「身近な野の花のふしぎ」P.184参照)

彼ががんばってやっているのだから、まだまだこの世界も捨てたもんじゃないぞ、みたいな…







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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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