18.
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2009/05/02 23:14
合図 5/2
息子が合図を したような
そんな気がして 部屋を出る
間違いだから 戻るけど
いつもの合図を くれたよな
私の合図が 聞こえたと
お前の足音 近づいて
元栓開けて「もういいよっ」
返る言葉も また合図
男同士は照れくさい
合図でちょうどいい感じ
花咲く合図
雪振る合図
恋した合図
泣く合図
止まれの合図
進めの合図
春真っ盛りだと
ハナミズキ
息子が合図を したような
そんな気がして 部屋を出る
間違いだから 戻るけど
いつもの合図を くれたよな
私の合図が 聞こえたと
お前の足音 近づいて
元栓開けて「もういいよっ」
返る言葉も また合図
男同士は照れくさい
合図でちょうどいい感じ
花咲く合図
雪振る合図
恋した合図
泣く合図
止まれの合図
進めの合図
春真っ盛りだと
ハナミズキ
17.
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2009/05/01 23:08
いつも自分の いる場所は 5/1
自分がどこに いるのかを
確かめ安堵を 得るために
どこかの 誰かを見回して
勝っているとか 負けてるとかと
右往左往の毎日に
嫌気が差して
魔が差して
どう生きるか とか
なに すべきかを
一日 今日も忘れてる
いつも自分がいる場所を
自分自身が見失い
居るべき場所を
行き過ぎる
行き過ぎ気づき戻る術(すべ)
バス降り歩く 帰り道
自分で歩く 戻り道
戻れば 希望も 沸いてくる
休めば 希望も 蘇る
いつも 自分の居る場所は
遠くて近くて
模索中
自分がどこに いるのかを
確かめ安堵を 得るために
どこかの 誰かを見回して
勝っているとか 負けてるとかと
右往左往の毎日に
嫌気が差して
魔が差して
どう生きるか とか
なに すべきかを
一日 今日も忘れてる
いつも自分がいる場所を
自分自身が見失い
居るべき場所を
行き過ぎる
行き過ぎ気づき戻る術(すべ)
バス降り歩く 帰り道
自分で歩く 戻り道
戻れば 希望も 沸いてくる
休めば 希望も 蘇る
いつも 自分の居る場所は
遠くて近くて
模索中
16.
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2009/04/30 23:40
ねえちゃんへ 4/30
まだまだ雪の残る道
都会へ出るという別れ
カバンの中には 何がある
思い出 それとも希望かな
玄関先の写真には
今まで見たことないような
黒ブチ眼鏡の 父の顔
言葉も出ない春の朝
雪はまだまだ降っていて
春まだ遠く 3月の
汽車の音響く故郷に
里山低く 眺めてる
姉ちゃん泣くなよ すぐ来いよ
夏にはスイカも冷やしとく
姉ちゃん泣くなよ すぐ来いよ
今度はケンカも 負けないよ
まだまだ雪の残る道
都会へ出るという別れ
カバンの中には 何がある
思い出 それとも希望かな
玄関先の写真には
今まで見たことないような
黒ブチ眼鏡の 父の顔
言葉も出ない春の朝
雪はまだまだ降っていて
春まだ遠く 3月の
汽車の音響く故郷に
里山低く 眺めてる
姉ちゃん泣くなよ すぐ来いよ
夏にはスイカも冷やしとく
姉ちゃん泣くなよ すぐ来いよ
今度はケンカも 負けないよ
15.
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2009/04/29 22:53
風の音(ね) 4/29
いつか歩いた石畳
祭りばやしの笛の音
小さな屋台 アセチレン
かがんだ浴衣に 渡る風
遠き空より 流れ来る
風はあかねの雲を馳せ
ひょいと担がれ 肩車
想い さやかに こぼれ出る
いつしかあなたは かくれんぼ
木の葉にまぎれて 笑ってる
それでも風は 声に似て
いつでもそばで 笑い声
いつか歩いた石畳
祭りばやしの笛の音
小さな屋台 アセチレン
かがんだ浴衣に 渡る風
遠き空より 流れ来る
風はあかねの雲を馳せ
ひょいと担がれ 肩車
想い さやかに こぼれ出る
いつしかあなたは かくれんぼ
木の葉にまぎれて 笑ってる
それでも風は 声に似て
いつでもそばで 笑い声
14.
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2009/04/28 22:36
三日月の夜に 4/28
それぞれが
それぞれ自分の 立ち位置で
今日の月を見つめてる。
笑えたものは 感謝して
おごるものかと 三日月の
細い光に 映される
見えない影に手を合わす
哭いて過ごした ものたちは
負けてなるかと 一筋の
光を瞳に宿しては
明日の不安と戦かわん
それぞれ自分の 立ち位置が
見えない月に 向かわせる
ひとり一人の立ち位置に
変わらぬ三日月 西の空
それぞれが
それぞれ自分の 立ち位置で
今日の月を見つめてる。
笑えたものは 感謝して
おごるものかと 三日月の
細い光に 映される
見えない影に手を合わす
哭いて過ごした ものたちは
負けてなるかと 一筋の
光を瞳に宿しては
明日の不安と戦かわん
それぞれ自分の 立ち位置が
見えない月に 向かわせる
ひとり一人の立ち位置に
変わらぬ三日月 西の空
13.
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2009/04/27 22:31
それでも 4/27
それでも 生きて いけるんだ
文字を 書けない祖母だった
中学生
生意気盛りで多感な日
祖母とコタツに入ってた
代筆頼むと 祖母が言う
祖母は文字を 書けないと
初めて知った冬の宵
それでも こうしてきたんだね
明治に生まれてきたんだね
酒飲みばあちゃん 集まって
近所の三人集まって
わいわい がやがや 歌ってた
酒飲みじいちゃん 負けまいと
唐傘広げて踊り出す
それでも 生きて いけるんだ
文字を 書けない祖母だった
中学生
生意気盛りで多感な日
祖母とコタツに入ってた
代筆頼むと 祖母が言う
祖母は文字を 書けないと
初めて知った冬の宵
それでも こうしてきたんだね
明治に生まれてきたんだね
酒飲みばあちゃん 集まって
近所の三人集まって
わいわい がやがや 歌ってた
酒飲みじいちゃん 負けまいと
唐傘広げて踊り出す
12.
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2009/04/26 21:24
忘れもの 4/26
どこかに 確かに 忘れてて
いつかも 忘れた 宝物
何かを 確かに 忘れてて
忘れた物さえ おぼつかぬ
なんとか やれて いるからと
忘れたままに 朝が来る
ありがとね って笑ったら
照れくさそうな 君の顔
明日もよろしく 手を振れば
笑顔の君が お辞儀する
なんとか やれて いるからと
忘れたものを 見つけてる
私は笑えて いたのかな
明日は雨も あがるかな
上がれば 虹も架かるかな
虹はあなたを 照らすかな
なんとか やれて 行くために
忘れた物を 忘れた日
どこかに 確かに 忘れてて
いつかも 忘れた 宝物
何かを 確かに 忘れてて
忘れた物さえ おぼつかぬ
なんとか やれて いるからと
忘れたままに 朝が来る
ありがとね って笑ったら
照れくさそうな 君の顔
明日もよろしく 手を振れば
笑顔の君が お辞儀する
なんとか やれて いるからと
忘れたものを 見つけてる
私は笑えて いたのかな
明日は雨も あがるかな
上がれば 虹も架かるかな
虹はあなたを 照らすかな
なんとか やれて 行くために
忘れた物を 忘れた日
11.
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2009/04/23 22:55
咳払い 4/23
かんずは 今日も待っている
夏の日差し込む 戸の口で
いつものシャツと 半ズボン
釣りざお片手に 立っている
かんずは いつも前歩く
夏草刈られた あぜ道の
その先にある ながまると
さんかく ひみつの 鮒の池
麦わら帽子の ちくちくと
かんずの笑顔の 夏休み
田んぼのざわめき 風の音
年上かんずの 咳払い
かんずは 今日も待っている
夏の日差し込む 戸の口で
いつものシャツと 半ズボン
釣りざお片手に 立っている
かんずは いつも前歩く
夏草刈られた あぜ道の
その先にある ながまると
さんかく ひみつの 鮒の池
麦わら帽子の ちくちくと
かんずの笑顔の 夏休み
田んぼのざわめき 風の音
年上かんずの 咳払い
10.
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2009/04/22 22:22
帯 4/22
這っていったら
行けなくなった
あれって 思って
振り返る
柱があって
下のほう
太い釘が 曲げてあり
そこに帯が 結ばれて
帯は ピーンと 伸びていて
私の腰に巻いてある
片手におもちゃが あったよな
泣いてないよな 気がしてる
父の背中に 乗っている
みんなが泳ぐ 川の淵
泳げぬ私は しがみつく
川岸どこかと 振り返る
ある時 私も 父になり
行ってこいよと 送り出す
ランドセル 赤く 震えてて
小さな顔が 振り返る
ちょっと内股 赤いくつ
乗り気のしない 足取りに
きっと いいことあるといい
笑顔で 帰って来るといい
時折 人は振り返る
どうなってるのと
確かめて
あなたがいたと ホッとする
時折 人は振り返る
今いる場所を 確かめて
どこから来たのか
知るために
這っていったら
行けなくなった
あれって 思って
振り返る
柱があって
下のほう
太い釘が 曲げてあり
そこに帯が 結ばれて
帯は ピーンと 伸びていて
私の腰に巻いてある
片手におもちゃが あったよな
泣いてないよな 気がしてる
父の背中に 乗っている
みんなが泳ぐ 川の淵
泳げぬ私は しがみつく
川岸どこかと 振り返る
ある時 私も 父になり
行ってこいよと 送り出す
ランドセル 赤く 震えてて
小さな顔が 振り返る
ちょっと内股 赤いくつ
乗り気のしない 足取りに
きっと いいことあるといい
笑顔で 帰って来るといい
時折 人は振り返る
どうなってるのと
確かめて
あなたがいたと ホッとする
時折 人は振り返る
今いる場所を 確かめて
どこから来たのか
知るために
9.
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2009/04/22 00:11
紙芝居 4/21
扉を開く その前に
きっと雨だと 予感する
「ああ やっぱり雨だ」
電話のベルが 騒いでる
たぶんそうだと 予感する
「ああ やっぱり怒っている」
まして自分が これと決めた日々
これで いいやと決めた道
自分で描く 紙芝居
同じ場面の くり返し
子供のころに 見た夢は
誰かがいつも めくってて
「ああ いつも 目が離せない」
大人になって 見る夢は
明日のことと 決まってる
「ああ 予定されたことばかり」
まして自分で これと決めた日々
こんな もんだと決めた道
自分でめくる 紙芝居
めくらず 変わるはずもない
扉を開く その前に
きっと雨だと 予感する
「ああ やっぱり雨だ」
電話のベルが 騒いでる
たぶんそうだと 予感する
「ああ やっぱり怒っている」
まして自分が これと決めた日々
これで いいやと決めた道
自分で描く 紙芝居
同じ場面の くり返し
子供のころに 見た夢は
誰かがいつも めくってて
「ああ いつも 目が離せない」
大人になって 見る夢は
明日のことと 決まってる
「ああ 予定されたことばかり」
まして自分で これと決めた日々
こんな もんだと決めた道
自分でめくる 紙芝居
めくらず 変わるはずもない