フェントン・ハウス・ガーデンⅡ~イングリッシュ・ガーデンの旅 18
テーマ:イングリッシュガーデン
2011/02/23 05:48
引き返してさらに下の段に下りると、
そこはリンゴの果樹園。
まだ実の色づきには早いながら、快い間隔に植えられた果樹園の中はとても涼しくて気持ちの良い空間でした。
その北側、ノース・テラスのベンチの下あたりに温室があります。
小さいながら、とても生活感があって、こんなところでこの庭園が今もしっかりと生きていることを教えてくれます。
その傍らの雨水タンクも、日本のみんなが欲しがりそうな姿をしていました。
壁面の泉水は眠っていましたが…
果樹園の南はとても充実したベジタブル・ガーデンでした。
ガーデンのスタイル展示というのではなく、本当に自給を実現出来る広さがあります。
少々雑然としていても、全体を眺めて美しいと思えるキッチン・ガーデンを、今回の旅行ではたくさん見ました。
これはもっと勉強して、日本でたくさん作っていきたいと思っています。
…だって楽しいですからね。
実用的だし!
その脇、果樹のエスパリエは壁面でなく、西側を南北に結ぶ小径とベジタブル・ガーデンを仕切るようにして並んでいました。
歴史がありながら今も生きて、しかも大切に管理されているガーデンからは、本当にたくさんのものを学ぶことができます。
結果的にこのガーデンが今回イギリスで見た最後のガーデンとなったわけですが、このガーデンならぜひとも欲しいと思いました。
シシングハーストもキフツゲートも素敵でしたが、(もちろん誰かがわたしなどにそれらをくれる筈はありませんが)それを自分が欲しいとか面倒見たいとか思ったことは有りませんでした。
まあ、あまりに広大すぎて手に負えませんし…
でもフェントン・ハウスのガーデンは、このガーデンなら面倒見たいと思えるような、両手を拡げれば隅々まで手が届きそうな、そのあらゆる場所を好きになれそうな、そんな身近で居心地が良くてとても気持ちの良いガーデンだったと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
そこはリンゴの果樹園。
まだ実の色づきには早いながら、快い間隔に植えられた果樹園の中はとても涼しくて気持ちの良い空間でした。
その北側、ノース・テラスのベンチの下あたりに温室があります。
小さいながら、とても生活感があって、こんなところでこの庭園が今もしっかりと生きていることを教えてくれます。
その傍らの雨水タンクも、日本のみんなが欲しがりそうな姿をしていました。
壁面の泉水は眠っていましたが…
果樹園の南はとても充実したベジタブル・ガーデンでした。
ガーデンのスタイル展示というのではなく、本当に自給を実現出来る広さがあります。
少々雑然としていても、全体を眺めて美しいと思えるキッチン・ガーデンを、今回の旅行ではたくさん見ました。
これはもっと勉強して、日本でたくさん作っていきたいと思っています。
…だって楽しいですからね。
実用的だし!
その脇、果樹のエスパリエは壁面でなく、西側を南北に結ぶ小径とベジタブル・ガーデンを仕切るようにして並んでいました。
歴史がありながら今も生きて、しかも大切に管理されているガーデンからは、本当にたくさんのものを学ぶことができます。
結果的にこのガーデンが今回イギリスで見た最後のガーデンとなったわけですが、このガーデンならぜひとも欲しいと思いました。
シシングハーストもキフツゲートも素敵でしたが、(もちろん誰かがわたしなどにそれらをくれる筈はありませんが)それを自分が欲しいとか面倒見たいとか思ったことは有りませんでした。
まあ、あまりに広大すぎて手に負えませんし…
でもフェントン・ハウスのガーデンは、このガーデンなら面倒見たいと思えるような、両手を拡げれば隅々まで手が届きそうな、そのあらゆる場所を好きになれそうな、そんな身近で居心地が良くてとても気持ちの良いガーデンだったと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
フェントン・ハウス・ガーデンⅠ~イングリッシュ・ガーデンの旅 17
テーマ:イングリッシュガーデン
2011/02/21 06:52
ハムステッドの森を歩いた後、体力と時間に余裕があって、しかもちゃんと辿り着けたらぜひとも行きたいと思っていた場所がありました。
フェントン・ハウス。
ハムステッドの街中にあってこの街でもっとも古い建物なのだそうです。
1693年というから名誉革命の直後、ステュアート朝のメアリー2世・ウィリアム3世共同統治時代でございます。
イギリスに行く前にはかなり庭園史と並行して英国史も勉強しましたが…。
それもすでに過去の遺物となりました。
でも、ここで復習。
英国庭園史的にはこの時代、フランスやオランダの影響を受けて流行した整形式庭園がやや下火となり、18世紀になって後にイングリッシュ・ガーデンの代名詞となる風景式庭園が誕生するまでの過渡的な時期でした。フランスからオランダを経て小振りになった整形式庭園は、イギリス人の好みにあったようです。
まして、田舎の地主のみなさんにそれほどの敷地がある筈もなく…
かくして、郊外のマナー・ハウスに居心地の良い、気持ちのよいこぢんまりとした庭園が誕生したのでした。
この日は確か水曜日。訪れたのは15時前。
まさにピタリと公開時間に訪れることができたのは天恵というべでしょう。
フェントンはかつての所有者からとった名前のようです。最後の所有者の死後、ナショナル・トラストの管理下に入りました。
とてもしっかりと丁寧に管理された素敵な庭です。
まずは案内図を…
周囲をぐるりとレンガの塀に囲まれた庭園は、3(4)段構造のサンクン・ガーデンとなっています。
これがけっして広くない庭園にとてつもない奥行きと空間の拡がりとを与えています。
まず館の右手入口を抜けると庭園の東側に沿って北へと延びるイースト・テラス。
右手の壁面植栽を見せながら、左手に目をやると庭全体の構造をそれとなく見下ろすことが出来ます。(勿論、細部はまだしっかりと隠されていますが)
この予習をさせながらたっぷり期待に胸躍らせてくれるという、洒脱な趣向が面白いと思いました。
館からもその窓ごとに庭の景色がいろいろと楽しめそうですね。
わずかに下がって2段めに芝生の広い庭があり、その北にクロス・ボーダーと呼ばれるハーブ・ガーデンを経て、ローズ・ガーデンがあります。
イースト・テラスとローン・ガーデンとの高低差がわずか1.2mほどであったのに対し、見ての通りローズ・ガーデンは2mほど下っていますから、ここにもサンクンの仕掛けが施されています。
イースト・テラスを突き当たって左に折れると、ノース・テラス。
そのまた突き当たりにベンチが据えられてあって、とても気持ちの良い場所になっていました。
階段を下ってサンクン・ガーデンの2段目に下ります。
左手にローズ・ガーデンを見て、クロス・ボーダー。
この時期まだ花は咲き揃っていませんが、ハーブたちが間もなく見頃を迎えようかという時季でした。
2段目の西側の縁を南北に貫くのが、スプリング・ボーダー。
こちらはすでに花盛りでした。
右手、1段下のベジタブル・ガーデンを見下ろす位置です。
左手にはローン・ガーデン。
円錐形に仕立てられた常緑樹は斑入りヒイラギでした。
2色に分けられた芝生は、種類が違うのでしょうか?
そのローン・ガーデンから最初のイースト・テラスを見れば、ここが2重のボーダーになっていることがわかります。
その南端、館の北面にやはり斑入りヒイラギのトピアリーが並ぶ小径があり、入り口付近に戻る階段が。
サンクン・ガーデンの高低差がこのようにして様々な景色を生み出しています。
次回は最下層にある果樹園やベジタブル・ガーデンをご案内します。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
フェントン・ハウス。
ハムステッドの街中にあってこの街でもっとも古い建物なのだそうです。
1693年というから名誉革命の直後、ステュアート朝のメアリー2世・ウィリアム3世共同統治時代でございます。
イギリスに行く前にはかなり庭園史と並行して英国史も勉強しましたが…。
それもすでに過去の遺物となりました。
でも、ここで復習。
英国庭園史的にはこの時代、フランスやオランダの影響を受けて流行した整形式庭園がやや下火となり、18世紀になって後にイングリッシュ・ガーデンの代名詞となる風景式庭園が誕生するまでの過渡的な時期でした。フランスからオランダを経て小振りになった整形式庭園は、イギリス人の好みにあったようです。
まして、田舎の地主のみなさんにそれほどの敷地がある筈もなく…
かくして、郊外のマナー・ハウスに居心地の良い、気持ちのよいこぢんまりとした庭園が誕生したのでした。
この日は確か水曜日。訪れたのは15時前。
まさにピタリと公開時間に訪れることができたのは天恵というべでしょう。
フェントンはかつての所有者からとった名前のようです。最後の所有者の死後、ナショナル・トラストの管理下に入りました。
とてもしっかりと丁寧に管理された素敵な庭です。
まずは案内図を…
周囲をぐるりとレンガの塀に囲まれた庭園は、3(4)段構造のサンクン・ガーデンとなっています。
これがけっして広くない庭園にとてつもない奥行きと空間の拡がりとを与えています。
まず館の右手入口を抜けると庭園の東側に沿って北へと延びるイースト・テラス。
右手の壁面植栽を見せながら、左手に目をやると庭全体の構造をそれとなく見下ろすことが出来ます。(勿論、細部はまだしっかりと隠されていますが)
この予習をさせながらたっぷり期待に胸躍らせてくれるという、洒脱な趣向が面白いと思いました。
館からもその窓ごとに庭の景色がいろいろと楽しめそうですね。
わずかに下がって2段めに芝生の広い庭があり、その北にクロス・ボーダーと呼ばれるハーブ・ガーデンを経て、ローズ・ガーデンがあります。
イースト・テラスとローン・ガーデンとの高低差がわずか1.2mほどであったのに対し、見ての通りローズ・ガーデンは2mほど下っていますから、ここにもサンクンの仕掛けが施されています。
イースト・テラスを突き当たって左に折れると、ノース・テラス。
そのまた突き当たりにベンチが据えられてあって、とても気持ちの良い場所になっていました。
階段を下ってサンクン・ガーデンの2段目に下ります。
左手にローズ・ガーデンを見て、クロス・ボーダー。
この時期まだ花は咲き揃っていませんが、ハーブたちが間もなく見頃を迎えようかという時季でした。
2段目の西側の縁を南北に貫くのが、スプリング・ボーダー。
こちらはすでに花盛りでした。
右手、1段下のベジタブル・ガーデンを見下ろす位置です。
左手にはローン・ガーデン。
円錐形に仕立てられた常緑樹は斑入りヒイラギでした。
2色に分けられた芝生は、種類が違うのでしょうか?
そのローン・ガーデンから最初のイースト・テラスを見れば、ここが2重のボーダーになっていることがわかります。
その南端、館の北面にやはり斑入りヒイラギのトピアリーが並ぶ小径があり、入り口付近に戻る階段が。
サンクン・ガーデンの高低差がこのようにして様々な景色を生み出しています。
次回は最下層にある果樹園やベジタブル・ガーデンをご案内します。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
ハムステッド・ヒース~イングリッシュ・ガーデンの旅 16
テーマ:イングリッシュガーデン
2011/02/14 07:37
イギリス最終日2008年6月25日。
この日は完全フリーの一日でした。
当日の記録があります。
イギリス旅行7日目 /終日単独行動/ホランドパーク~ケンジントンパレスガーデン~ホームズ博物館~ハムステッド・ヒース(ガーデン、ケンウッドハウス、森散策、キッチンガーデン)~フェントンハウス・ガーデン~ハムステッドのパブにてビール~チェルシー・フィジック・ガーデン周辺散策~ナショナル・ギャラリーにて絵画鑑賞(夕飯も)
このうちの今回ご案内するハムステッドの森は、さる解説書によれば、
ロンドン北部に位置するハムステッド・ヒースは、起伏に富んだ丘陵地に手つかずの原生林が残る貴重な公園である。敷地面積は約790エーカー(3.2平方キロメートル)とロンドン最大。いくつもの小高い丘、広々とした牧草地、鬱蒼(うっそう)とした森林地帯など多彩な表情を持ち、18の池が景観にアクセントを添えるように点在している。
その森をぐるりと1周しながらなおかつこのスケジュールがこなせるのは、昼間が17時間もあるこの時期のイギリスならばこそ!
この日、他のメンバーはショッピング組の他、観劇グループと折しも開催中のウインブルドン観戦グループとかに分かれましたが、同室の建築家の佐野さんは一人建物の探訪に、そしてわたしは一人森の散策に!
とにかく広大な森を歩きたかったのでした。
ハムステッドはロンドンから地下鉄を使って20分で行ける閑静な住宅地です。
その町中を抜けて…
途中、整備された美しい公園や庭園も有りましたし、ケンウッド・ハウスという著名なカントリー・ハウス(現在は公開されその絵画コレクションも魅力的)も有りました。キッチン・ガーデン(と呼ぶには余りに広大)も印象的でしたが、今回はその主な目的である森の散策に絞ってご案内します。
この辺は景色としてまだメリハリのある辺りですね。
だんだんとひたすら森だけになってきます。
湖を巡り、木々を抜け、草原に分け入り、ただひたすら歩き続けました。
大好きなガーデンを見て歩いたこの6日間に何ら不満があろう筈ありません。
ただ、あまりにその6日間が濃厚すぎたのでしょうね。
とにかく一度バカになりたかった。
森に還って心の中をいったん真っ白にしないと、次に進めないといった感じでしょうか?
これはね、バッキンガム宮殿を見てもビッグベンを見ても、ウエストミンスターでもソーホーでもきっと駄目だったと思います。
このハムステッドの森でなきゃいけないという…
うん。
この樹を見れば、それが正解だったと分かります。
じっさい、この後わたしはハムステッドの街中にあるフェントンハウスを訪ねてそこの今も生きているガーデンを見学し、ロンドンの市街地に颯爽と戻っていく訳ですが、
その前に(真っ昼間から)パブに寄り道してビール一杯、力強く引っ掛けさせていただいたこともご報告させていただきます。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
この日は完全フリーの一日でした。
当日の記録があります。
イギリス旅行7日目 /終日単独行動/ホランドパーク~ケンジントンパレスガーデン~ホームズ博物館~ハムステッド・ヒース(ガーデン、ケンウッドハウス、森散策、キッチンガーデン)~フェントンハウス・ガーデン~ハムステッドのパブにてビール~チェルシー・フィジック・ガーデン周辺散策~ナショナル・ギャラリーにて絵画鑑賞(夕飯も)
このうちの今回ご案内するハムステッドの森は、さる解説書によれば、
ロンドン北部に位置するハムステッド・ヒースは、起伏に富んだ丘陵地に手つかずの原生林が残る貴重な公園である。敷地面積は約790エーカー(3.2平方キロメートル)とロンドン最大。いくつもの小高い丘、広々とした牧草地、鬱蒼(うっそう)とした森林地帯など多彩な表情を持ち、18の池が景観にアクセントを添えるように点在している。
その森をぐるりと1周しながらなおかつこのスケジュールがこなせるのは、昼間が17時間もあるこの時期のイギリスならばこそ!
この日、他のメンバーはショッピング組の他、観劇グループと折しも開催中のウインブルドン観戦グループとかに分かれましたが、同室の建築家の佐野さんは一人建物の探訪に、そしてわたしは一人森の散策に!
とにかく広大な森を歩きたかったのでした。
ハムステッドはロンドンから地下鉄を使って20分で行ける閑静な住宅地です。
その町中を抜けて…
途中、整備された美しい公園や庭園も有りましたし、ケンウッド・ハウスという著名なカントリー・ハウス(現在は公開されその絵画コレクションも魅力的)も有りました。キッチン・ガーデン(と呼ぶには余りに広大)も印象的でしたが、今回はその主な目的である森の散策に絞ってご案内します。
この辺は景色としてまだメリハリのある辺りですね。
だんだんとひたすら森だけになってきます。
湖を巡り、木々を抜け、草原に分け入り、ただひたすら歩き続けました。
大好きなガーデンを見て歩いたこの6日間に何ら不満があろう筈ありません。
ただ、あまりにその6日間が濃厚すぎたのでしょうね。
とにかく一度バカになりたかった。
森に還って心の中をいったん真っ白にしないと、次に進めないといった感じでしょうか?
これはね、バッキンガム宮殿を見てもビッグベンを見ても、ウエストミンスターでもソーホーでもきっと駄目だったと思います。
このハムステッドの森でなきゃいけないという…
うん。
この樹を見れば、それが正解だったと分かります。
じっさい、この後わたしはハムステッドの街中にあるフェントンハウスを訪ねてそこの今も生きているガーデンを見学し、ロンドンの市街地に颯爽と戻っていく訳ですが、
その前に(真っ昼間から)パブに寄り道してビール一杯、力強く引っ掛けさせていただいたこともご報告させていただきます。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/