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ガーデナーの条件~再び、森昭彦さんについて

テーマ:思い

前回のブログで森昭彦くんについて書いたのですが、後から考えてみると本来伝えたかったことがほとんど書けていなかったことに気付きました。
…お恥ずかしいことです。
少し気が高ぶっていたのでしょうか?

と言うわけで、改めて森昭彦くんについて。あるいは優れたガーデナーの条件について。


かなり以前から自分のホームページで書いてきたことでもあり、事あるごとに後輩たちにも伝えてきた優れたガーデナーの条件。

幅広い知識。
豊富な経験。
豊かな感性。
そして、心意気!

ガーデナーたるもの、植物や動物、様々な自然の有り様に関しては勿論、世の中の流れや人の心の動き、そして何よりも人が暮らしていく中で培われ蓄積されてきたあらゆる英知を自分のものにしていなくてはならないと思います。
ガーデナーたるもの、優れた仕事との出会いばかりでなく間違いや失敗の経験からも学ぶことを多くして、それらすべてを今に活かさなくてはならないと思います。
ガーデナーたるもの、もとより優れたものを見る目を養い、その美意識をフルに稼働させて万人に通じる本当の美を、自らの仕事の中で再現出来なくてはならないと思います。
そしてガーデナーたるもの、自らの良心と誇りに恥じることなく仕事をまっとうし、まっとうするためには目先の利潤や名誉、損得や労苦などで志を曇らせてはならないと思います。

…などと高く掲げた理想にわたし自身がとおに落第しているのですが、世にガーデナーを自称する者が多い中、これらに合致するのはほんのひと握り。
そのほとんどが紛いものである現実に、忸怩たる思いをしているのは井出さんだけではないと思います。

確かに最初の3つ。知識と経験と感性…それらは分かるとしても、人間としての資質まで条件にするのはどんなものか? まして利益追求を前提としないビジネスなど存在しないのではないか?

わたしが思うのは、人の幸せを左右する仕事に就くものはすべからくその人間性までが問われなければならないのではないか、という事です。
もうひとつ。
植物や動物など生き物と向き合う仕事に就くものも同様に、人間としてまっすぐな心を持たなくてはならないと思います。
さらにもうひとつ言うなら、仕事の精度や質に関して法や令によって厳しく定められている業種はともかく、それの無い業種はすでにその良心やモラルやマナーを固く信じられているのだから、それを裏切る者であってはならないという事です。
わたしはそれらすべてがこのガーデナーという職種に該当するのではないかと思っています。


あ、森くんの話でしたね。
いえ、脱線ではありません。

わたしは彼と直接対面する以前、その著作を通して彼もまたほんの一握りの希少種…レッドリスト掲載の絶滅危惧種なのではないかという気がしていました。
そして会って話して分かったこと…
現在彼が活動の中心としている国営武蔵丘陵森林公園での仕事もまた、ボランティアであるということ。
売れ筋よりも内容に比重を置いた著作も、彼の十分な収入源となっていないこと。
…やはり彼もまた、愛すべき絶滅危惧種でした。

先日お話しした井出さん然り、その井出さんがわたしと会う少し前に会談したというO先生然り、どさくさに紛れて言ってしまうならガーデン工房 結 -YUI- 然り…
まっとうで良い仕事をしようとすると決してお金持ちにはなれません。
ただ、負け惜しみでなく、心はとても豊かですのでたいていのことは許せます。
そこで優れたガーデナーとしての5つ目の条件です。

強くて温かい絆で結ばれたネットワークを持っていること!

森くんとわたしを結んでくれた30年来のキャンプ仲間がそれです。
また、普段はお互い連絡を取り合う事が無くてもいざという時は駆けつけて儲け度外視で助け合う同業者仲間たちがそれです。
そして、仕事が終わって何年経過しても未だに家族同然に扱ってくださり、いつでも温かい声援を送って下さるお客さまたちがそれです。

これも先日、井出さんと話して考えたことですが…
腕の良い職人さんはお金さえ積めば来てくれるかも知れない。
でも、その職人さんにその腕以上の良い仕事をして貰うのはお金ではなく、つまるところその依頼主次第ではないか、と。
この人間のためならもうひとつ頑張ってやってもいい、この人間の喜ぶ顔が見たいからもうひとつおまけをしてやろう…そうしたところに伝説は生まれます。
そういうネットワークを生み出せる者こそが、優れたガーデナーではないでしょうか?

わたしは勿論自分で生み出す力を持たないので、仲間たちが作ってくれたネットワークに助けてもらってばかりいるのですが、そして人間の資質においても、知識や感性においてもまだまだ学ぶことがいっぱいですが、(経験だけはとりあえず35年ばかり溜めましたので) 今ここで森くんのような人間と出会う機会をもらったということは、きっとまだまだ頑張って構わないぞという事なのでしょう。

そう言った意味で絶滅危惧種の森くんは同時に、さながらユキノシタ科のタコノアシが自然の豊かさを示す基準となるのと同じような「環境指標生物」みたいなものかもしれません。(「身近な野の花のふしぎ」P.184参照)

彼ががんばってやっているのだから、まだまだこの世界も捨てたもんじゃないぞ、みたいな…







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日々雑感

テーマ:思い
現場の仕事からようやく解放されて三日も続けて作業を休むというのは、実に退院以来2月半ぶりのことです。

もちろん溜め込んだデスクワークが山のように控えていて、お待ち頂いている設計や見積もりも何件かあるのですが、やはり歳と共に体力が低下しているのか…こうしているとやはりひと心地つきます。クローバー

本当は温泉にでも出掛けて心身共にリラックス出来れば良いのですが、さすがにそこまでの気持ちの余裕はまだ無く、その代わり(?)昨日は人間ドックに入ってきました。生まれて初めてのことでした。
詳細な結果はまだ2週間ほど先ですが、とりあえず分かったのは相変わらず十二指腸に潰瘍が居座っていること。
それと肺活量の検査では肺年齢が30歳台と、まだまだタフに呼吸が出来るということ…(グッド

この2ヶ月半の間にこなしてきた現場を先ほど数えたら大小合わせてちょうど20件…
よく頑張りました。
ほんとによーく頑張りましたぁ~

だいたい現場数10件以上、並行する設計が3件以上抱えると自分が少し壊れ掛けてきて、ブログが書けなくなると言うこと、今回よーく分かりました。
仕事はどれも楽しかったのですがね…設計も大好きだし。
要は、そうしたプレッシャーに弱い小心者なのだと思います。

あとはやはり体力ですねぇ…

昨年もそうでしたがとにかく暑くなると、帰宅して汗を流して晩酌に缶ビール1本も空けるともうダウンとなります。
翌朝4時に起き出して仕事を始めても活動を開始する6時までの時間は僅かなもの。
ひと頃3時起きに挑戦しましたが、さすがに睡眠時間5時間がつづくと体力の消耗が激しくなります。
う~ん。
10年前は4時間睡眠でも平気だったのに…

暑さといえば今年娘が高校受験をすることになり、昨年の暑さで悲鳴が上がった際に、仕方ない! ついにわが家もエアコン導入とするかぁ!!!!
いったんは決めた覚悟でしたが、震災があって白紙に戻しました。
節電以前に被災地の窮状を思えばどうしてエアコンの前で涼むことができるでしょう?
とか言う以前にさすがに娘もよく分かっていると見えて、夏休みは町の図書館に出掛けて勉強するそうです。
わが家の年寄り二人は一階の風通しのよい部屋に扇風機が有れば、なんとか乗り切ってくれるはず。
二階の娘さえ避難させれば屋根裏のわたしひとりくらい何とでもなるでしょう。

というわけで…昨年同様、設計の仕事が遅々として進まず、またぞろ皆さんにご迷惑をお掛けすることになりそうですが、どうかあしからずご了解下さい。すみません。先に謝っておきます。ペコペコ

でも、絶対に良い仕事はしますので!

さてと

テーマ:思い
昨年と同じ状況に陥りつつあると分かり、とりあえずここでいったん今日の仕事は中断。
と言ってもそろそろ眠っておいた方が良さそうな時間ですね。

案の定、4月18日の退院以降、ずっと休みが取れておらず、この先もしばらく休む見通しが立たずにいます。

キャンプ場、川越の現場への復帰、続けて行田の現場の着工…だけなら何と言うことも無かったのですが、溜めてしまった細かなメンテナンスや単発の仕事を合間にこなして、設計・見積もりの仕事を夜間に片付けていくうちに、睡眠時間が徐々に減り、またしてもブログの管理ページを開く時間が持てなくなってしまいました。

ブログの更新が無いと、本当にいろいろな方が心配して下さり、また体調を崩したのではないかとのメールを幾度も頂きました。

昨年のこともあり無理をしたくは無いのですが、毎日のように頂く新しいお仕事の話は、どれもわたしを頼って下さる内容のものばかり…
ブログでわたしの様子を知り、連絡を差し控えて下さるクライアントの方もいて下さり、ありがたいやら情けないやら…
それでも、そうした皆さんに支えられていることが分かれば、ますます何とかしなくてはならないと思う毎日です。

私生活でもこの春から娘の中学でPTA会長を仰せつかることになり、ここしばらく週に数日の夜はそれに費やされておりますが、それとてこのようなわたしを期待して下さる方たちが居てのこと。いい加減な気持ちでは務められません。
まして、被災地では学校教育の場に大きな打撃を受けており、PTA活動の中で子供たちに直接届く形での継続的で息の長い支援が求められています。この一年のPTA活動ではそうした活動も模索していかなければならず、ただ慣習的な業務を片付けてやり過ごせばよいという気にはなれません。近々近隣のPTAとも連携をとって最初の義援金のまた次の支援活動を検討しなくてはならないと思っているところです。

ゴールデンウィーク以前にご依頼を受けた設計すらまだ手つかずで居るのに、何を生意気なことを…とは、まず最初に自分自身が問いかけなければならないところですが、しかし、それでも今回は、強く心に期すところがあります。

ブログも続ける、仕事も受け続ける、そして誠心誠意素敵な庭を作り続ける、PTA活動や地域活動も前向きに取り組む、しかし決して身体を壊さない…もう二度とみなさんにご心配はかけない。

もとより設計と施工とマネージメントを一人ですべてこなすことに無理があるのだと、そう助言して下さる方もいらっしゃいます。しごく当然でまともなお言葉です。
が、これだけわがままでやりたい放題の仕事に家族以外の誰かを巻き込むのは犯罪的ですし、そもそもそれに見合うお給料を払う自信がありません。そうした経費の負担を、お客さまに振り向けるわけにはいかないという思いから、この仕事をスタートしてしまったものですから…
うん。
しかし、どこかに根本的で致命的でそれでも修復可能な問題があるのかも知れません。
この先、その課題についても仕事の合間に検討していくことにしましょう。

と言うわけで(文脈があまり繋がっていませんが)、いまだ元気で意気盛んです。
そろそろブログ中断が3週に及びそうなことに気付き、取り留めのないことを書いてしまいました。
次はも少し肩の力を抜きますので、よろしくお願いします!




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プロフィール

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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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