48.
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2010/04/03 23:24
ランドマーク 10/4/3
目印に 言葉を添えて 心 置いてみる
雑踏の中 踏まれそうだから 歩道の脇に
道行く人の視線には 足元が死角になっていて
行く過ぎる人の巻き起こす風に くるり くるりと目が回る
根元に落ちた枯れ葉たち 朽ちてはやがて土になる
歩道の隅の目印も 同じように朽ちてみる
朽ちたらやがて目に止まり 誰かが必ず拾うだろう
タイルの路上の目印は 拾った誰かのポケットに
ランドマークは何処にでもある
ビルの上にも 畑にも
ランドマークは何処にでもある
右か左のポケットに
暗闇の中 豆電球
とても暗くて 寂しいけれど
新月の夜の 三等星
ひときわ輝く その星を
目印にして 名前を付けて
心に秘めるランドマーク
目印にして 三等星 言葉を頼りに 置いてみる
ここで曲がれと 置いてみる ここで休めと 置いてみる
しばらく腰掛け 眺めていたら
ははは~ と笑って 夜が明ける
47.
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2010/03/16 02:08
雨音 10/3/16
鳴り続けるのは
そう雨音
幾つも思いが 水面打つ
鳴り止まぬのも
そう雨音
不安と思い出 心打つ
明日晴れるといいのにな
春待つ子らの 笑い声
明日晴れたら何しよう
眠れぬ夜の雨音が
とんとんとんと 聞いてくる
46.
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2010/03/07 22:49
積み木 10/3/7
一円玉を取り出して 平らなテーブルに積み重ねていく
最初はまとめて 10枚づつ
どんどんどんっ
50枚も重ねたら 少し不安になってきた
1枚1枚重ねてく
そろそろそろと
60枚も越えたなら
タワーもだんだん傾いて
ちょっと指も震えるね
バチャーンと崩れたタワーを見つめ
眉間にしわを寄せながら
それでもテーブルかき集め
また一枚目から積み上げる
今度はどこまで積み上げる
どこで指は震えるの
どこかでタワーは崩れてて
また1枚を積み始め
また崩れてもなお 積み上げる
貴方がひとりで辛いなら
私は絵でも描きましょう
200枚もの1円を
積み上げた絵
描きましょう
45.
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2010/02/14 03:03
今は 休憩 10.2.14
道は出来るよ
安心してね
深い闇夜に佇む君も
雪に埋もれて戸惑う君も
道は出来るよ
安心してね
ひとりじゃ何にも出来ないけれど
誰かに甘えてみればいい
平穏無事な 一日に

雪は 突然降り積もる
雪に埋もれて 戸惑って

不安が心を覆うけど
誰かに甘えて いいじゃない

出来ないことは 人任せ
それでいいよ いいんだよ

あとから歩けばいいんだよ
そんなために 人がいて
人が先人切ったあと
ゆっくり歩いていいんだよ
やがてあなたが年をとり
迷った人を見かけたら
あなたが先人きればいい
やがて先人きればいい
そんな時がやがて来る
それまで甘えていてもいい
44.
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2010/02/03 00:19
灯火 10.2.3
空気をね
揺らしてね
オレンジ色だね
いつもだね
風は無いよに
思うんだけど
揺らぐんだったね
そうだった
雪が降る
ただしんしんと冷え込んで
ただしんしんと雪は降る
そんな事もあったのに
しんしんと雪は降り積もり
わかっているよと降り積もり
見ているからと 降り積もる
明日の朝はどんな顔
眠れず腫らした瞼にね
灯火なんて 問い掛ける
心配しなくていいんだよ
私が揺らいでいるうちは
貴方をきっと照らすから
素っ気ないのはしょうがない
貴方を照らす灯火は
貴方の瞳をきらきらと
輝かせるため ここにいる
灯火揺らぐ祭りの日
もう幾つ寝むったら
祭りのその日がやって来る
43.
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2010/01/26 23:16
ありがとね 10/1/26
道端に なにやら光る落し物
きらきら光る 落し物
そうだ 私があの時に
うっかりなくした 落し物
あなたが拾ってくれるといいな
持っててくれたら うれしいな
ただただ それで うれしいな
42.
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2010/01/26 22:59
飛ばそうね 10/1/26
42.番は 飛ばします!
ははは~~~!
41.
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2010/01/25 23:39
雪が地面に触れる音 10/1/25
貴方が 涙を堪(こら)えてて
枕に顔を押し当てて
肩を震わす その夜も
嗚咽は何処かに漏れていて
それは 誰かに聞こえてて
だから そっと夜は明ける
貴方が 二十歳の貴方でも
貴方が 四十路(よそじ)の貴方でも
私が 五十路の(いそじ)私でも
私が 八十路(やそじ)なろうとも
人が別れを告げたとき
ふいに別れが来た時に
私は涙を堪えてて
堪えきれずに 嗚咽する
枕はあまりに小さすぎ
私の嗚咽は漏れている
それは誰かに聞こえてて
だから そっと夜は更ける
心はやがて砥ぎ澄まされて
舞う雪地面に触れる音
聞こえるほどに辛いけど
大丈夫
大丈夫だよと いうように
明日の朝陽が また昇る
大丈夫だよ 心配ないよ
雪が地面に触れる音
聞こえないよに 出来ている
そういう風に 出来ている
貴方が 涙を堪(こら)えてて
枕に顔を押し当てて
肩を震わす その夜も
嗚咽は何処かに漏れていて
それは 誰かに聞こえてて
だから そっと夜は明ける
貴方が 二十歳の貴方でも
貴方が 四十路(よそじ)の貴方でも
私が 五十路の(いそじ)私でも
私が 八十路(やそじ)なろうとも
人が別れを告げたとき
ふいに別れが来た時に
私は涙を堪えてて
堪えきれずに 嗚咽する
枕はあまりに小さすぎ
私の嗚咽は漏れている
それは誰かに聞こえてて
だから そっと夜は更ける
心はやがて砥ぎ澄まされて
舞う雪地面に触れる音
聞こえるほどに辛いけど
大丈夫
大丈夫だよと いうように
明日の朝陽が また昇る
大丈夫だよ 心配ないよ
雪が地面に触れる音
聞こえないよに 出来ている
そういう風に 出来ている
40.
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2010/01/19 01:05
さくら 10/1/19
さくらは ここに眠りました
ずっと ずっと 心の奥に
泣いているのか 笑っていたのか
それさえどうだか知れないけれど
さくらはいつもここにいる
接ぎ木がさくらを育てるように
さくらが台木となるように
礎(いしずえ)となる覚悟なら とうに私は持っている
覚悟はどうだか知れないけれど
さくらを思えばそう思う
そんな私の心さえ
こんな私の表情も
私を母と呼べずとも
貴方は我が子で 私の子
さくらは今度 どこに咲く
さくらは今度 どこへ咲く
柳や松やあじさいに
バラで咲いて見るもいい
かえでで手のひら見るもいい
すすきで咲いて見るもいい
あんずで咲いてみるもいい
39.
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2010/01/09 00:10
ちいさな ちいさな 母の想い ~副題; 成人式を前にして~ 10/1/8
ちいさな ちいさな命を宿し
ちいさな ちいさな掌を
あの時ぐっ~と握り締め
貴方が生まれてきてくれた
私はひとつ 歳をとり
今年もひとつ歳をとる
貴方がずっと握り締め
誰にも見せずにいたものを
もう直ぐ開いて 見せてくれる
二十歳の祝いの その朝に
貴方が握った掌の中
私の面影 そこにある
私の面影 きっとある
ちいさな ちいさな命を宿し
ちいさな ちいさな掌を
あの時ぐっ~と握り締め
貴方が生まれてきてくれた
私はひとつ 歳をとり
今年もひとつ歳をとる
貴方がずっと握り締め
誰にも見せずにいたものを
もう直ぐ開いて 見せてくれる
二十歳の祝いの その朝に
貴方が握った掌の中
私の面影 そこにある
私の面影 きっとある