手作りの木製パーゴラを作る
テーマ:しごと
2013/05/12 18:15
久々に仕事のお話を…
じっさい、さすがに3.11以降、この2ヶ月ばかりは仕事ばかりしてきたような気がします。
そのうちの一件のお宅で藤棚のご依頼がありました。
川の土手に生えた藤が毎年きれいな花を咲かせてくれるのだそうですが、乱れに乱れる枝の手入れが大変。藤棚でも作れると良いのだけれど、なにせ私道と土手の間の細い空間なので…
もちろん既成の構造物が収まる空間ではありませんので、なにか手作りで製作するしか無いのですが、奥行きが短いので強度と安定感が課題でした。
素材は加工性と耐久性を考慮して国産杉のAOC防腐処理材。
これを扇型に組立てて、土地の形状に合わせ可能な限り拡げてみました。
いろいろ補強も施しましたが、存外これがしっかりしたものになりました。
その後しばらくしてお受けした仕事では、これを応用して目隠しの機能をアップしてみました。
道路からの視線を止めるのに、樹木だけではうっそうとしてしまうし、かといって高い目隠しフェンスでは閉塞感が強くなってしまうと言うことで、このパーゴラと数本の樹木との組み合わせを提案させていただきました。
前回と違い、前面の柱を2本にして開口してみました。これは後で、中央にベンチでも据えて頂くつもりで、そうしたものです。
さらにもう一軒。
こちらはつる植物の誘引を前提にしています。
周囲に落葉樹と常緑樹でスクリーンを作れば、もう少し印象は和らぐと思っていて、現在は打合せ中です。
どのパーゴラも、周辺の植物との組み合わせの中で、これからきっとその本領を発揮してくれることと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
じっさい、さすがに3.11以降、この2ヶ月ばかりは仕事ばかりしてきたような気がします。
そのうちの一件のお宅で藤棚のご依頼がありました。
川の土手に生えた藤が毎年きれいな花を咲かせてくれるのだそうですが、乱れに乱れる枝の手入れが大変。藤棚でも作れると良いのだけれど、なにせ私道と土手の間の細い空間なので…
もちろん既成の構造物が収まる空間ではありませんので、なにか手作りで製作するしか無いのですが、奥行きが短いので強度と安定感が課題でした。
素材は加工性と耐久性を考慮して国産杉のAOC防腐処理材。
これを扇型に組立てて、土地の形状に合わせ可能な限り拡げてみました。
いろいろ補強も施しましたが、存外これがしっかりしたものになりました。
その後しばらくしてお受けした仕事では、これを応用して目隠しの機能をアップしてみました。
道路からの視線を止めるのに、樹木だけではうっそうとしてしまうし、かといって高い目隠しフェンスでは閉塞感が強くなってしまうと言うことで、このパーゴラと数本の樹木との組み合わせを提案させていただきました。
前回と違い、前面の柱を2本にして開口してみました。これは後で、中央にベンチでも据えて頂くつもりで、そうしたものです。
さらにもう一軒。
こちらはつる植物の誘引を前提にしています。
周囲に落葉樹と常緑樹でスクリーンを作れば、もう少し印象は和らぐと思っていて、現在は打合せ中です。
どのパーゴラも、周辺の植物との組み合わせの中で、これからきっとその本領を発揮してくれることと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
京都に傳來工房を訪ねる ~カンナ・マイスター研修会 2013.01.29-30~
テーマ:しごと
2013/02/02 21:46
仕事、として書きます。
カンナという名の、とてもお洒落で個性的な物置が有ります。
新潟の同業者の展示場でそれを初めて見たとき、とても惹かれるものを感じながら、しかし、おそらく自分がそれと関わることは無いのではないかという、そんな気がしたのを覚えています。
それが昨年のことでしたか、そのカンナを世に出した傳來工房(でんらいこうぼう)=ディーズガーデンの担当者さんから連絡を貰い、販売代理店にならないかというお誘いを受けました。何かの縁かと思い、特約店=ディーズガーデンクラブの仲間に加えて頂くことになりました。
が、それ以来今日に至るまで…
たった1基のカンナも組立てることが無く、ましてや販売することもなく、少し後ろめたい気持ちでいたところに今回の研修のご案内が届きました。
会場が京都に有る傳來工房本社であると知り、これは行くしか無いだろうと思った次第です。
傳來工房という、この古都の地に脈々と受け継がれてきた鋳造技術者集団の末裔には、ディーズガーデンの担当者さんの話を聞いて以来、ずっと興味を持っていました。
詳細はこちらの「傳來の歴史」をご覧頂くとして、
寺社仏閣や近代建築と関わる職人集団と、このどちらかと言えば「可愛らしい」ガーデニング・アイテムとのマッチングの妙といいますか、その辺りをぜひとも知りたいものだと、そんなことを密かに考えていたりもしました。
そのことがきっちりと腑に落ちるまでには、2日間の研修の最後まで掛かってしまいましたが…
それはとても興味深い体験でした。
研修自体はまあ、成功事例の講演や販促方法の検討、新製品の紹介など、ここで改めて述べることは少ないのですが…
その中で面白かったのはまず初日の、グループ別のディスカッション。
全国のそれぞれ似たような条件でそれぞれ苦労されている、けれど情熱をもってこの仕事に向き合っている方たちとの会話はとても有意義で刺激的でした。一緒に販促方法についての意見を交わしたり、こんなものが有ればいいなという新しい製品のアイデアを交換したりしながら、それぞれの人となりや仕事のスタイルに触れることが出来ました。
そして2日目に開発担当の方から聞かせて頂いた「カンナ開発秘話・裏話」。
カンナが単に商品では無く、作り手の誰もがこよなく愛し、繰り返しマイナーチェンジを今も重ねながら大切に育てられていることが良く分かる、それは味わい深い内容でした。
そのひとつひとつのこだわりと徹底した完全主義からは、開発者だけでなく製造の担当、営業の担当の方までが「傳來」の職人気質をしっかりと受け継いでいる事が伝わって来て、とても好感を持てました。
例えばカンナのこの扉一枚とっても、製作工程をビデオで見せて貰ったのですが、全工程が手作業で、しかも熟練の職人さんが二人がかりで丸一日かけて作り上げる(乾燥や脱型、細部仕上げを入れるとさらに数日)のだとか。何層もの塗装もまったくの手作業なので、ひとつとして同じ仕上がりの扉は無いと知りました。
これは実のところ、かなり新鮮な驚きでした。
カンナのシリーズはどれも決して安価では無く、簡単に手の出せる代物ではありませんが、しかしその理由がよく分かった気がします。
2日間のカンナとの関わりの中で、これは少しばかり心して掛からないといけないなと気付かされ、同時に自分のガーデンデザインの中でそれらを取り入れていく可能性について、少し見えてきた気がします。
「ガーデン工房 結 -YUI-」 はエクステリア専門店でもないし、外構工事店であると胸を張ることも出来ません。
以前はそうであったにしても、今ではすっかり自然素材に傾いてしまい、最近ではアルミ商材もコンクリートも使うことがめっきり少なくなってしまいました。
従って他の特約店さんのような展示場を持つことは無いだろうし、ましてやカンナを単体で販売することも無いでしょう。
そんなわれわれがカンナとどう関われるのか、というのが今回の研修の、われわれなりのテーマでもあった訳なのですが…
何となくではありますが、分かった気がしました。
ガーデン工房 結 -YUI- にはガーデン工房 結 -YUI- なりのカンナの見せ方と提案の仕方がありそうですね。
ヒントはカンナが作り手からも売り手からもとても慈しまれ、大切にされている点です。
そしてそれが単なる商品で無いという視点さえ手に入れれば、他の樹木や宿根草やハーブたち同様、カンナたちは図面の中の一番居心地の良い場所を、自分で見つけてでんと腰を据えてくれるに違いありません。
それが今回の研修で得た多くの収穫のうちのひとつです。
さて、2日間の研修期間の間、われわれは先方で用意して下さったホテルを使わず、老舗の料亭での懇親会も遠慮して、使い慣れた宿と、なじみの居酒屋と、お気に入りのカフェで夜の京都を楽しませていただきました。
が、まあその報告は無用だと思います。
わざわざ夜中に走ってクルマで出かけたのは、いくつか見たい、あるいは今回同行したアシスタントのS氏に見せたい(つまりは勉強したい、勉強して貰いたい)庭園があったからです。
次回は、その報告が出来れば良いなと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
カンナという名の、とてもお洒落で個性的な物置が有ります。
新潟の同業者の展示場でそれを初めて見たとき、とても惹かれるものを感じながら、しかし、おそらく自分がそれと関わることは無いのではないかという、そんな気がしたのを覚えています。
それが昨年のことでしたか、そのカンナを世に出した傳來工房(でんらいこうぼう)=ディーズガーデンの担当者さんから連絡を貰い、販売代理店にならないかというお誘いを受けました。何かの縁かと思い、特約店=ディーズガーデンクラブの仲間に加えて頂くことになりました。
が、それ以来今日に至るまで…
たった1基のカンナも組立てることが無く、ましてや販売することもなく、少し後ろめたい気持ちでいたところに今回の研修のご案内が届きました。
会場が京都に有る傳來工房本社であると知り、これは行くしか無いだろうと思った次第です。
傳來工房という、この古都の地に脈々と受け継がれてきた鋳造技術者集団の末裔には、ディーズガーデンの担当者さんの話を聞いて以来、ずっと興味を持っていました。
詳細はこちらの「傳來の歴史」をご覧頂くとして、
寺社仏閣や近代建築と関わる職人集団と、このどちらかと言えば「可愛らしい」ガーデニング・アイテムとのマッチングの妙といいますか、その辺りをぜひとも知りたいものだと、そんなことを密かに考えていたりもしました。
そのことがきっちりと腑に落ちるまでには、2日間の研修の最後まで掛かってしまいましたが…
それはとても興味深い体験でした。
研修自体はまあ、成功事例の講演や販促方法の検討、新製品の紹介など、ここで改めて述べることは少ないのですが…
その中で面白かったのはまず初日の、グループ別のディスカッション。
全国のそれぞれ似たような条件でそれぞれ苦労されている、けれど情熱をもってこの仕事に向き合っている方たちとの会話はとても有意義で刺激的でした。一緒に販促方法についての意見を交わしたり、こんなものが有ればいいなという新しい製品のアイデアを交換したりしながら、それぞれの人となりや仕事のスタイルに触れることが出来ました。
そして2日目に開発担当の方から聞かせて頂いた「カンナ開発秘話・裏話」。
カンナが単に商品では無く、作り手の誰もがこよなく愛し、繰り返しマイナーチェンジを今も重ねながら大切に育てられていることが良く分かる、それは味わい深い内容でした。
そのひとつひとつのこだわりと徹底した完全主義からは、開発者だけでなく製造の担当、営業の担当の方までが「傳來」の職人気質をしっかりと受け継いでいる事が伝わって来て、とても好感を持てました。
例えばカンナのこの扉一枚とっても、製作工程をビデオで見せて貰ったのですが、全工程が手作業で、しかも熟練の職人さんが二人がかりで丸一日かけて作り上げる(乾燥や脱型、細部仕上げを入れるとさらに数日)のだとか。何層もの塗装もまったくの手作業なので、ひとつとして同じ仕上がりの扉は無いと知りました。
これは実のところ、かなり新鮮な驚きでした。
カンナのシリーズはどれも決して安価では無く、簡単に手の出せる代物ではありませんが、しかしその理由がよく分かった気がします。
2日間のカンナとの関わりの中で、これは少しばかり心して掛からないといけないなと気付かされ、同時に自分のガーデンデザインの中でそれらを取り入れていく可能性について、少し見えてきた気がします。
「ガーデン工房 結 -YUI-」 はエクステリア専門店でもないし、外構工事店であると胸を張ることも出来ません。
以前はそうであったにしても、今ではすっかり自然素材に傾いてしまい、最近ではアルミ商材もコンクリートも使うことがめっきり少なくなってしまいました。
従って他の特約店さんのような展示場を持つことは無いだろうし、ましてやカンナを単体で販売することも無いでしょう。
そんなわれわれがカンナとどう関われるのか、というのが今回の研修の、われわれなりのテーマでもあった訳なのですが…
何となくではありますが、分かった気がしました。
ガーデン工房 結 -YUI- にはガーデン工房 結 -YUI- なりのカンナの見せ方と提案の仕方がありそうですね。
ヒントはカンナが作り手からも売り手からもとても慈しまれ、大切にされている点です。
そしてそれが単なる商品で無いという視点さえ手に入れれば、他の樹木や宿根草やハーブたち同様、カンナたちは図面の中の一番居心地の良い場所を、自分で見つけてでんと腰を据えてくれるに違いありません。
それが今回の研修で得た多くの収穫のうちのひとつです。
さて、2日間の研修期間の間、われわれは先方で用意して下さったホテルを使わず、老舗の料亭での懇親会も遠慮して、使い慣れた宿と、なじみの居酒屋と、お気に入りのカフェで夜の京都を楽しませていただきました。
が、まあその報告は無用だと思います。
わざわざ夜中に走ってクルマで出かけたのは、いくつか見たい、あるいは今回同行したアシスタントのS氏に見せたい(つまりは勉強したい、勉強して貰いたい)庭園があったからです。
次回は、その報告が出来れば良いなと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
枕木と土で庭を造る~横瀬町O様邸 2012年夏
テーマ:しごと
2013/01/27 08:43
こういうのを庭園工事、などというとお叱りを受けるかも知れません。
少なくとも外構工事とは呼べないでしょうね。いちおう、少しだけブロック積んだけど…
ご希望は自転車の置き場とガレージの舗装。周囲を安全で清潔にして、ほどほどに植木も入れたい。菜園も…
ちょうど折原ファームでログキャビンを組立てていた最中に最初のお打ち合せをしたことも有って、お勧めしたのでした。
自転車置き場なら、いっそ小型ログにされたらどうですか?
工賃含めて10万ちょっとなら、アルミのサイクルポートとさほど変わらないし、他の荷物も収納できるし、何よりもお洒落だし。
これ、実は施工業者を紹介してお客さんに建てて貰ったので、わが社のメリットはまったく何も無いのですが…、それでもこの景色は良いですよね。
もちろん事前に路盤の入れ替えはしてあります。
正直に言いますと、コンクリートの舗装は好きではありません。
なんだか夏がどんどん暑くなっていく日本の家屋に、コンクリートの照り返しは絶対良くないと思います。
それでも仕事ですので必要とあらば施工しますが、特に必要では無いときは、
今回のように土で固めてしまえば良いと思っています。
ただ、道路に向けた水勾配のある宅地で土だけというのは、いたずらに土を流出させたり、固まるまでの間に不自由な思いをして頂くことにもなるし、何よりもメリハリが無いので…
何度も何度も登場してきますが、
防腐剤を施していない新材の、つまりは耐久性の有る素材の枕木を使います。
ここではオーストラリア産ユーカリ ‘レッドアイアン’製のものを使っています。
中古材は絶対に使いません。
もちろん、既存の土の上にただ真砂土を入れただけではクルマの加重に耐えられないので、事前に路盤材を入れてしっかりと締め固めてあります。
そうすることで、ご家族のライフスタイルの変化に応じて、それこそコンクリートにも、芝生の庭にも、レンガの庭にも、いかようにも転換が可能だから。
今は少なくともお子様がまだ小さいので、走り回っても危なくない土が良いと思いました。
将来は二人のお子様の分を合せ、4台分のガレージが欲しいとおっしゃられたのを聞いて、それがベストだと考えた次第です。
締め固めておけば雑草は生えにくく、それでもほぐせば植物を植えることができますし。
図面下方、東側の庭は土だけをブロックで止めて、その土も腐植性の高い、質の良いものと交換しました。いずれ草花を育てて頂くとしても、今は夏の午後から日陰になって、良い風が抜けるこの部分にベンチでも置いてお子様とくつろいで頂ければと思っています。
とりあえずは、オリーブ、ローレルと、
北東側にはソヨゴと、
北側には常緑ヤマボウシの ‘ホンコンエンシス’を植えました。
すべて常緑です。
バイクハウスとウッドデッキの間の小さな菜園にはジューンベリーを植えてあって、南西側のこちらは落葉です。3枚目の写真に写っていました。
心配なのは何度目くらい雨で土が落ち着いて流れなくなるか…
だから、時々様子を見に行きましたが、
さすがに9月のこの頃になるとすっかり落ち着いておりました。
あとは、ご家族がどれだけこのお庭で楽しんで頂けるか、ですね。
また、見に伺いたいと思っています。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/