国際バラとガーデニングショウ07

テーマ:イベント
昨日の5月17日、「国際バラとガーデニングショウ」は終演を迎えました。

わたしは日中、熊谷の現場に入っていましたので慌ただしくそれを片付け、ぎりぎり18時に会場に到着し、総勢5名で解体・撤収作業に入りました。

解体・撤収01

解体して積み込みを終えたのが23時。
4台の車両で深谷市の煉創高橋さんの置き場まで搬出しました。

会場には、まだまだ解体作業中のコンテスト参加者のみなさんがいたようです。

解体・撤収02

製作開始からきっかり10日間。

この10日はかなり長かった気がします。
いろいろな人と出会い、考えることが多く、疲れもしたし喜びもしました。

とてもよい経験でした。

解体・撤収03

製作したガーデンの植物の中には、期間中に花の盛りを越えたものもあります。
それらはそれでも最後まで植え替えずにがんばってもらいました。
期間中に開花したり、花芽が充実して、これから咲こうとするものもありました。

テマリシモツケ・ディアボロ、ガウラ、アジサイ、ニシキギ、カルミア…。
若いジキタリスもまだ、咲き揃うまでには至りませんでした。
期間中涼しかった気候が、せめて今くらいの気温で推移していたら、あるいは咲いてくれたかもしれません。

解体・撤収04

2日間で製作して半日で解体しなければならないショウ用のガーデンですから、そこは割り切って非日常的な、非現実的でとことん夢のあるガーデンを作れば良いのでしょうし、惜しげなく植物を使い、張りぼてのハードを飾り立てれば良いのでしょう。
お客さまにそのようにして楽しんで頂くのも、われわれの仕事の一部かも知れません。

ですが、以前まわりまわって、「○○チャンピオン」のなんとか王選手権への出場依頼が来たときにも同じ事を考えたのですが、ガーデンという何ヶ月もかかって作り上げていき、それから何年も掛けて完成させていくような存在に対して、短かく時間を制限して製作を競うということそのものが、何だかとてもそぐわないと感じてしまうのです。

そのテレビ番組の中で実際に作られたガーデンは、それがこの先ずっとどなたかの持ち物になるにもかかわらず、放送されたその期間限定でしか華やぎのないものであったり、数年後の風化が容易に予想できるものであったり、その維持管理に汲々としなければならないようなものであったりして、わたしはしみじみお断りして良かったと思いましたし、同時に深い失望にとらわれたものでした。

だから、その後秩父市の依頼を受けたガーデニングイベントの企画に参加した時、わたしの担当したガーデニングコンテストでは製作に1週間をあてて見学者にはその製作経過も楽しんで頂き、展示は25日間と長々と引っ張り、解体も公開して飾ったハードや植物はその場で見学者に販売可能と言うことにしました。
鑑賞期間の長い芝桜関連のイベントだから実現できたということもありましたが、これはなかなか冒険的な試みでした。
コンテスト参加者も長く楽しんでもらえる植物を選定したり、維持管理に赴いたりといろいろ苦労をしてもらいましたが、期間中の週末にはその参加者たちに花の販売をしてもらったり、焼きそばを焼いてもらったりとなかなか楽しいことの方が多かった気がします。
もちろん、発案者の責任としてわたしが常に会場に詰めて、遠方で多忙の参加者のため、市の職員さんたちと共に花殻を摘んだり、水やりをしたのは言うまでもありません。(もちろんボランティアでしたが)

昨夜の慌ただしい解体作業の中、そんなことを思い出したり考えたりしながら、会場と駐車場の間を何度も往復して植物たちを運んだのでした。

解体・撤収05

まあ、それはそれはとして今回のイベントは楽しかったし、この先の自分の仕事の方向性も見えた気がしています。

搬出した植物たちはすべて、高橋さんの手によって近くの小学校に今日のうちに寄贈されるとのこと。

まだ若くてこれから花の盛りを迎えるジキタリスたちも、きっとそこで子供達の目を楽しませてくれることでしょう。



ホームページもよろしければご覧下さい。
 http://www.yui-garden.com/


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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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