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最近のしごと~東松山A様邸

テーマ:しごと
雨と雪に悩まされ続けた2月があっという間に過ぎて、早くも3月。

今日も冷たい雨ですが、ひと雨ごとに…と季節は少しずつ進んでいる様子です。

ひと雨ごとに

ただ、この関東も山の中のわが家ともなればまだまだ庭先のスイセンのつぼみも固く、ようやく開き掛けたと思えばまた今朝の雨に震えている様子です。


決算処理と青色申告、消費税申告…タダでさえモチベーションの上がらない不毛な作業があったり、私生活でも気持ちの定まらない状況が続いたり、また、デザイン・設計の仕事がたて込んだりと、このところ落ち着く間もない毎日で、ブログの更新さえままならない有様でしたが、週末の雨は容赦なくわたしを家に閉じ込めてくれたのでした。


さて、現在東松山の個人邸のお庭のリフォームを手がけさせて頂いております。

A様邸着工前01

優に20メートル級のシラカバを中心に据えた、周辺の景色にもとけ込んだ雑木林風のお庭です。

最近、薪ストーブを導入されたことからその庭の一部に薪小屋が加わったことで、意を決してのリフォームとなりました。

A様邸着工前02

昨年はシラカバの巨木の幹にキノコが生えたとのことでご心配の様子でしたので、鬱蒼として湿気を溜めがちなその足元の空間を拡げ、風を通してドライにし、かつ、低い地形に土留めを加えて盛り土をして排水の便宜を整え、さらに、空間に広がりとメリハリを与えられるような演出を施せればよいと考えました。

現在は半ばまで工程が進み、土留めのブロックを終え、

A様邸施工中03

ウッドデッキと薪小屋とを結ぶ動線に敷き詰めてあった乱形を取り除いて、

A様邸着工前03

しっかりとコンクリートで固め、

A様邸施工中01

グレーの石英岩の乱形材、スパークリング・クォーツを使ったサークルまでが仕上がりました。

A様邸施工中02

この後はやや和風のこのサークルに、洋の素材である敷きレンガを使ったもうひとつのサークルをぶつけ、空間を組み立てていく予定です。

最後に、掘り上げたり移植したりした植物たちに戻ってもらい、さらに新しい植物も加え、この庭が春のお客さまを迎えられるようになるには、まだ2週間は掛かるでしょうか?

すでにつぼみを大きく膨らませつつある球根類を見るにつけ、気ばかり焦る毎日が、さて、明日からまた戻ってきます。



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 http://www.yui-garden.com/

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D-Gardenのしごと~鴻巣A様邸

テーマ:しごと
2月の始めに着工して、ずっと雨や雪に悩まされ続けてきた現場が、昨日ようやく完成を見ました。

今回のそれは同業者にして友人であるD-Gardnの武内比登美さんから依頼を受けた仕事でした。

デザイン、設計、現場総指揮と、すべて武内さんまかせの気楽と言えば気楽な仕事。
楽しくもあり、人のデザインの仕事は勉強にもなり、年に数回はぜひともやっていきたい仕事です。

D-Garden A様邸03

武内さんと知り合ったのは2004年、私が鴻巣のポケットパークの施工に当たらせて頂いた折りでした。
発注者であるNPO法人フラワーピースの当時理事をされていた彼女を紹介してもらったその直後、同年の埼玉まごころ国体では会場植栽のボランティアで(別ルートでの参加でしたが)再会。
その後も、2006年世界バスケットボール選手権の花のボランティアでもご一緒して、息子さんにはわたしのブースの製作を手伝ってもらったりもしました。
そして翌年、わたしが庭園をプロデュースさせて頂いたザウス・ロンジャビティ熊谷のオープンセレモニーでは少し無理を言って、寄せ植え教室を開催してもらい、以来このように彼女の庭の製作に当たる機会が増えました。

彼女のふたつのホームページもご覧になって頂ければと思います。

最近リニューアルしたみどりのネットワークのサイトと、
http://www.midori-network.com/

新しく立ち上げたD-Gardenのサイトです。
http://www.detail-g.com/

共に彼女の仕事の他に、彼女が関わっている鴻巣オープンガーデンの活動や、日台交流事業、イギリスのエデン・プロジェクトなどが紹介されていて、興味深いものになっています。


さて、今回のしごと。
完成とは言ってもわたしの受け持ちが終わっただけで、これから武内さんと奥様による植栽が加わるのですが…。


数年後にお住まいのリフォームを計画されているお宅で、およそ3年先の改装を念頭に置いた設計と施工でした。

たとえば、

D-Garden A様邸02

このコッテージ・ストーンのコバ積みも、将来のリメイクに備えてモルタルの使用を最小限に抑えながら、しかし安定感を確保するという仕事となりました。

D-Garden A様邸01

D-Garden A様邸05

ふたつのレンガ花壇も後ほど1個1個を取り外すことを考えれば有筋とはいかず、無筋ながらも倒壊や脱落が発生しないような工夫がされています。

D-Garden A様邸06

枕木の花壇もやはり再利用を考えて金具による固定。

ものは当然ながら、オーストラリア産のユーカリ・レッドガム材です。無理を言って用意してもらいました。

D-Garden A様邸04

そして、それらをつなぐ動線には、すべて既存の平板を組み替えて使用。
近い将来のリメイクを考えて、極力費用を抑える武内さんのアイデアです。

わたしはここで引き上げますので、この後のガーデンの完成に立ち会うことは出来ませんが、植物の加わった完成形は改めて、5月22,23日に開催される鴻巣オープンガーデンで拝見したいと思います。

今回A様は初参加。
その他にもわたしがお手伝いした庭が6軒ほどありますので、ぜひそちらも廻りたいと今から楽しみにしているところです。


さて、来週からはすっかりお待たせしてしまった東松山の現場に入ります。





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冬のガーデン考~アンディ&ウィリアムス・ボタニック・ガーデンにてⅡ

テーマ:植物
さて、続きです。

アンディ&ウィリアムス・ボタニック・ガーデンは、わたしが紹介しない春から秋にかけての方がずっと楽しく美しいので、近くの方には立ち寄って頂きたいし、遠方の方もぜひガーデンのコンセプト共々、そのホームページからご覧になって下さい。

下記のリンクからどうぞ。
http://www.joyfulhonda.com/garden/botanic/

落葉樹が葉を落としたあとのシュートの美しさについては前回触れましたが、それでもやはり冬の主役は緑を残す常緑樹ということになりましょうか。

マホニア

例えばヒイラギ・ナンテン=マホニア。
葉の形状、テクスチャーもさることながら、この時期に立ち上げる黄色い花穂も見逃せません。


ヤツデ


葉の形状では負けていないのがこのヤツデ。
最近は斑入りのものもかなり出回るようになりました。
これも花を咲かせるのは冬ですね。

斑入りと言えばこちらは斑入りグミの仲間、ライムライト。

グミ‘ライムライト’

黄色の斑が葉の中央に入って落ち着いた感じです。
逆に葉の外周に斑の入ったギルト・エッジも、私がよく使う品種です。

さらに明るい白斑のギンマサキも緑陰を明るくしてくれますね。


マサキ


このように冬に残された緑もそれぞれに特徴的です。


そして、常緑樹とはいえ紅葉する品種も多々あります。

コニファーもそうでしたが、それらは葉緑素の保護を目的に色を変えるのだとか。

ツルマサキ

ツルマサキや、

ビブルヌム‘ダヴィディー’

ビブルヌムのダヴィディー。
常緑のガマズミですね。
濃いブルーの実も魅力的です。

ここにいま紹介してきたのはどれも和の庭に多用されてきた樹種ですが、わずかに品種が違い、また植栽される場所によって西洋ガーデンの立派な構成要素となり、冬にはこうして主役級の存在感を示してくれます。

冬に葉色を変える仲間は多年草の中にも多いですね。
特に斑入り葉のものはより赤く色づく気がします。

タイム02

例えば、タイムの仲間。

タイム01

思わず触れてしまいたくなる質感。そして、その手にしっかりと移る香り。

シルバータイム

この冬の色合いと質感が欲しくて、シルバータイムを植えることが増えました。

そして、セダム。

セダム

夏にたくましいグリーンも、愛らしく多様な花も魅力ですが、冬のこの姿に感動してわたしはセダム類の大ファンになったのでした。

また、冬に葉色を変える植物でわたしの好きなのがカルーナです。

カルーナ02

実際、関東では高温多湿の夏を乗り切るのが難しく、いま盛んに流通しているその多くが悲惨な目に遭っていることと思いますが、例えば夏場は鉢で管理して冬はそのままガーデンに出してみるとか、使い方はいろいろ考えられますね。
コニファーとの相性も抜群です。

カルーナ01

そして、鉢でも花壇でもなく、森の樹木の足元に点在するシクラメン。
これもまた、本来の姿であろうと思われます。

冬のガーデンを彩る赤は、ツバキの仲間と同様視覚にストレートに飛び込んできます。


葉を赤く紅葉させたシュートの上に、半ばドライフラワーのように残った冬バラの花。
深い赤の背景にはシロやピンクの花がとても映えます。
これを美しいと感じるか、もの悲しいと感じるかは好みの別れるところでしょうか?


冬バラ01

わたしは少なくとも、冬のローズ・ガーデンを愛します。

冬バラ02



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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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