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常磐道、全線開通

テーマ:思い
 常磐道が全線開通してから、初めて宮城に向かった。先週末のこと。

 常磐道が通じて、東日本大震災被災地へのアクセスがかなり容易になった。
 冬場は特に雪の多い東北道を避けられるのが助かる。
 先に開通した6号線より放射線の線量が低く、高濃度の汚染地域も迂回できる。
 しかし、気持ちまでがそれを迂回してしまってはいけないと思う。
 物忘れが激しいわれわれは、視たくないものからいったん目を逸らしてしまうと、簡単に忘れて、無かったことにしてしまいかねない。

 だから時間に余裕さえ有れば、片道だけでも6号線を使おうと決めている。

 今回は高校生の娘が一緒だったが、やはりこの道を使うことにした。
 10代の女の子を、何も好んで低線量被曝地域に連れて行くことは無いだろうとの批判は、甘んじて受けようと思っている。
 もちろん、レントゲンほどの被曝もしないとかいう国の宣伝文句を鵜呑みにするつもりはない。それこそ好き好んで不要なレントゲン検査を受ける人はいないのだから。
 でも、その低線量被曝を強いられている人々は現にいる訳だし、何よりもここには同時代に生きる人間として必ず見て知っておくべきものがあると思う。

 帰宅困難地域に入ってから、娘に写真を撮らせてみた。

国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


 時速50キロで走る車窓から撮っていたので、大した写真にはならないと思ったが、まあそこそこのものになっていた。

 立入禁止区域の入口に立つ警官や警備員ひとりひとりに「ごめんなさい」と言いながらカメラを向ける娘は、だんだんと無口になっていった。

国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区


国道6号線、帰宅困難地区



 彼女の目線を記録できたのは、収穫だと思っている。

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段差解消のしごと

テーマ:しごと
 昨日、たった一日の仕事ではあったが段差解消工事をひとつ終えた。

木製ステップ1


 足腰を悪くされて近く退院されるお母様のため、昇りにくくなった吐き出し口の段をもう一段加え、手すりも設置したいとのこと。
 現場での工事は一日足らずだったが、最初のお打合せ、設計と見積もり、さらなる打合せ、資材の手配が有って、一昨日は木材に特殊な防腐加工を施してくれる群馬県の施設に、半日掛けて木材を引き取りに行った。

木製ステップ2


 30年前に建てられたお宅は細部にそこそこ手間を掛けられていて、この犬走りや沓脱ぎも天然の石と小砂利の洗い出しを組み合わせたなかなかに酒脱なもの。

木製ステップ工事着手前


 最初はこれを壊してコンクリートで新しい階段を製作してほしいとの依頼だったが、この沓脱ぎを壊すのはいかにも惜しく、また換気口もひとつ潰してしまうことになるので、木製の階段を提案させて頂いた。
 木製で手作りの階段なら現況を損なわないで設置できるし、場合によっては取り外すことも可能。屋外でも特殊な防腐加工を施せば、無塗装で数十年の耐久性は期待できる。アンカーや補強材などでさして目立つことなく強度を高めることも可能だ。

木製ステップ3




 このように足腰を悪くされたご家族のための住宅改修の依頼が、このところ増えてきた。
 おつき合いをしている専門の工事店さんによれば、通年年末くらいでひと段落する工事の依頼が、今年は年を越しても変わらず続いているという。
 
 以下はここ数ヶ月の間にわたしが手がけてきた工事の例。

手すり設置


吐き出し口用ステップ


玄関前スロープと手すり設置


掃き出し口車いす用スロープ


 どれも既存の手すりなどを使った簡単な工事で、一日か数日を掛ければ誰でも出来るもの。
 なかにはそれなりの設計や工夫が必要なものもあるが、どうしてもうちでなければ出来ないというものではない。

玄関前車いす用スロープ


掃き出し口車いす用スロープ


 それでも依頼して頂けるのはとても嬉しい。

 仕事は何でもそうだが、それをやれば必ず喜んでくださる方がおられる。
 こうした福祉住改修工事は、その対象者が身体の不自由な方だったり介護の必要な方だったりして、そのご当人だけでなくご家族全員に喜んでもらえるのが特に嬉しい。

 以前、工事店の担当の方が話して下さった。
 わたしの手がけた現場のお客さんから、「これまで自力で行くことの出来なかった大好きな庭に、ひとりで降りて行けるようになった」と涙ながらに感謝されたのだと。

 昨日の木製階段の現場でも、ご家族の皆さんが交替で仕上がり様子を見に来て下さった。

 やっていてよかったと思える瞬間である。


















千葉にレンガを取りに行く

テーマ:しごと

 昨年末にあちこち問い合わせて探してきた「アンティーク耐火レンガ」。
 その安価なものをまとまった数で見つけることができず、年明けに施工した現場を2月に入ってから中断していた。(もちろんその間、他の仕事を進めることが出来たので、無駄な期間ではなかったが)

 2月の半ば頃には入ると言われて待ち続けてきたそれが入ったというので、昨日は雨の中(秩父を出た時は雪だった)、中型トラックをレンタルして千葉に向かった。
 首都高の渋滞と京葉道路の通行止めが重なって片道5時間近く。丸一日の仕事になったがたまたまの雨だったし、自分の労賃を考えなければ運賃をとても低く抑えることが出来た。
 耐火レンガは中国産で、レンガ焼成工程で使われてきたもの。とりあえず一部を見た限り、色合いも強度も問題が無いと思われる。

 さて、今日からしばらくはレンガで遊ぶことになる。




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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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