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HANA sakaso プロジェクト with mother Love ~イベント前日

テーマ:HANAsakasoプロジェクト
山元町4日目。
この日も暑い一日でした。

朝から仮設住宅をまわり、アプローチの仕方と設置状況を確認、地図を作成しました。
地元の花ボランティアのみなさんや中学生たちの力を借りて今回製作している寄せ植えが630個あまり。
イベント当日午後からそれらを1個1個、仮設住宅に入居中のみなさんに手渡しで配る予定です。
20名ほどのメンバーのうちアロマ、手作り雑貨、巨大パエリア班と会場で一般の方とさらに寄せ植えを製作するスタッフを残すして、6名とクルマ3台がこれに当たることになるのですが、いかんせん不慣れな地ですので下見と実際の入居世帯数を記した地図とが必要でした。

山元町は太平洋に沿って南北に長く、その中央を国道6号線が貫きます。

ここに地図があります。

国道の海岸側にストロベリーラインがあってイチゴのハウスがずらりと並んでいたということですが、こちらは壊滅的な被害を受けました。津波が被害を及ぼした境界線はおおよそ国道に一致します。

そしてこれが町の西側を南北に結ぶアップルライン。リンゴ農家が並びます。

アップルライン


今回まわる仮設住宅は5か所。それらは山下中学から南側の、国道とアップルラインに挟まれたエリアの中に点在していました。
これは、そのアップルラインを辿りながら海岸線を望んだところ。

アップルラインより海岸側を望む

遠く茶枯れた田畑が見えますが、これが津波の押し寄せた場所なのだそうです。
塩害で草木はまだ復活できずにいます。

今回は災害復旧の仕事で来た訳ではありませんので、被災地そのものへ出かける事はしていません。
遠くこのように望みながら一刻も早い復旧と復興を祈るばかりです。

高瀬西石山原地区仮設住宅

こちらが高瀬西石山原地区の仮設住宅。

この日はちょうどその一画に、川越と横浜と地元の造園業者のみなさんが一緒になって植栽を施しあずまやを建設中でした。

植栽と四阿建設

殺風景になりがちな仮設住宅ですが、そこに緑が加わると一気にうるおいが生まれる気がします。
若い職人さんと少し話をしたのですが、この町で活動する人たちは不思議なくらいみんな爽やかな笑顔です。
町の人たちの生み出す、この町そのものの力なのでしょうか?

道すがら美しいヒマワリの畑がありました。

ひまわり畑


そして、至る所にあるリンゴの林にはたわわに実ったリンゴがすでに赤味を帯び始めていました。

りんご園


この日も山下中学では「山下花いっぱい」ボランティアのみなさんが大勢来てくださり、わいわいとにぎやかに寄せ植え作りを楽しんでいってくれました。

寄せ植え製作


つぎつぎと生みだされていく寄せ植えに、わたしも武内さんも水をやって運び出すのが追い付かないほど。

学校は午後になると合唱コンクールの練習に余念のない子供たちの歌声で溢れます。
そのためになかなか参加してもらえないのは残念ですが、彼らの歌声に包まれていると何やらとても幸福になって疲れも吹き飛びます。
「ハレルヤコーラス」や「流浪の民」などの調べがもう耳を離れず、ボランティアの方たちも「中学生とは思えないよね~」と嬉しそう。

休憩はこの学校のシンボルであるくすのきの下の校歌碑のそばでいただいたのですが、

山下花いっぱいチーム 休息

思わずかつての中学生たちから、校歌の合唱が始まりました。
「まだまだ覚えてるもんだなぁ~」
歌声に加えて、笑い声もまた絶えることにない午後のひと時でした。


今日はいよいよイベントの準備がはじまり、夕方からは鎮魂のキャンドルナイトです。
大宮のゴスペルサークルの合唱と全員によるフォークダンス。
チーム宮崎による肉巻きおにぎりや地鶏の炊き出し。
われわれのメンバーもパエリア班を除いて全員が終結して一気ににぎやかになる予定。
楽しみです。




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HANA sakaso プロジェクト with mother Love ~イベントに向けて

テーマ:HANAsakasoプロジェクト
昨日の午前中は山元町の役場を訪ねていろいろ打ち合わせをしました。

まずは担当されている教育委員会の生涯教育課のみなさんから10,11日のイベントの詳細を伺い、われわれのメンバーがどんな形で協力できるのかを相談。すでに決定している寄せ植え作り、アロマ、手作り雑貨、巨大パエリアのブースの確認と余剰人員の配置、寄せ植えを仮設住宅に配る手はずなどを詰めました。

仮設住宅に関しては社会福祉協議会の担当ということでそちらにも挨拶に出かけ、町内8か所の位置とお住まいの人数を確認。特に当初600世帯ということで準備した寄せ植えでしたが、今は1000軒近くまで増えていることで今回だけでは回りきらないことから、次回次々回の活動を踏まえた相談などをしました。

役場内には臨時災害FM局が設けられています。
最初の訪問の際に武内さんが急きょ出演して今回のプロジェクトの紹介したことがあり(その時は庁舎内にあったのだとか)、ご挨拶と取材のお願いをしました。

りんごラジオ 仮設スタジオ


その仮設スタジオの壁に掲示された子供たちの絵。

山下駅 子供たちの絵1


震災で壊滅的被害を受けたJR坂元駅の駅舎に展示れていて、奇跡的に難を逃れたのだそうです。
復幸の象徴としてとてもふさわしい、とても温かくて明るい、希望に満ちた絵だとは思えませんか。

山下駅 子供たちの絵2


そしてこちらは社会福祉協議会建物前の仮設テント。
ボランティアセンターとなっています。

山元町ボランティアセンター


昼時にお邪魔したのにかかわらず、大勢の方が対応して下さり、本当に多くのみなさんが精力的に活動している様子が伝わってくる空間でした。


そして、昨日のプロジェクト。
中学生たちが合唱コンクールの練習で集まりにくくなっている中、町の花いっぱいボランティアのみなさんがさらにパワーアップしてきてくださいました。

作業は花壇作りと寄せ植え作りに分かれました。

下段は学校の正面玄関脇のものですが、すでにヒマワリが終わりかけていたので種ト取りをして撤去。

花壇製作前


みんなで相談しながら、今回寄せ植え用の一年草とは別に寄贈された萩やノボタンなどの低木や宿根草類を植え込みました。

花壇製作 打ち合わせ


花壇製作


本日の寄せ植え班


みなさん、仮設住宅に入居されていないというだけでそれぞれに住まいが半壊したり、田畑やハウスを失った方たちばかり。
そのみなさんがまったく笑顔を絶やすことなく、冗談を言いながら楽しく働いて下さり、われわれも本当に力づけられます。

花ボランティアのみなさん


さあ、今日は仮設住宅の下見からスタート。
今日もがんばりましょう!





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HANA sakaso プロジェクト with mother Love ~製作開始

テーマ:HANAsakasoプロジェクト
今回の宿は蔵王の遠刈田(とおがった)温泉にあるペンション村の中です。
少し贅沢と気が引けましたが被災地の宿はみな壊滅状態だし、山一つ越えた隣町のビジネスホテルは復興支援や復旧作業の方のほか被災された方たちで満杯状態。
プロジェクトの事務局がやっと押さえてくれたもっとも近い宿がここでした。

ペンション アルファ


活動場所である山元町からは山を2つ越えてさらに山道を登って1時間ちょっと。
高原の宿は朝が寒いほどで、少し歩くと清流が流れ、

渓流


渓流


森の小道の空気はさわやかでした。

森の中


いつもの習慣で5時には目覚めてしまうもので…


さて、いよいよ活動のスタートです。
午前中は各地でいろいろ資材を調達して回りました。
ところがホームセンターを数軒まわっても腐葉土がない!
こちらでは使わないのかな、などと話しながら最後の店の店員さんに聞けば、資材置き場の奥に案内してくれまして、
「いま品物が入ってこないんですよ。セシウムが検出されたものですから…」
「あ、でもこれは計測済です。安心して使ってください」
うーん。確かにそうだ。認識が甘かった…
腐葉土の製造場所も、その材料のある山林もここでは原発災害の被災地の中なのですね。

昼になって山下中学校に到着。
空は快晴。
超のつく晴れ女と晴れ男がそろっておりますので一昨日までの雨模様がウソのような、勘弁してもらいたいような快晴です。

アゲハ


昨日運び込んだ花苗には早くもアゲハが来て蜜を集めていました。

寄せ植え用に集まった一年草は全部で12種類、2000ポット。
ジニア、メランポジウム、ペチュニア、ペンタス、マリーゴールド、ブラキカム、ニチニチソウ、ストック、ナデシコ、ベゴニア、センニチコウ、ハゲイトウ。
そのほか、シュウメイギクや斑入りヤブランなどの宿根草やハギ、ノボタンといった低木もあります。

たっぷり時間をかけて水やりをして…
さて、いよいよ製作開始です。

今日は中学生の他に町の花ボランティアのみなさんが駆けつけてくださいました。
イベント当日まで含めて仮設住宅の入居者戸数分の、630個の寄せ植えを製作しなければなりません。

まずは武内さんが仕上げていたオリーブ鉢を囲んで植物の解説と管理の仕方の説明会。

オリーブ鉢製作


さすがに花ボランティアのみなさんはよく知っておられる。
それでも初めて見る宿根草たちには興味津津でした。

オリーブ鉢製作


そのあと寄せ植え製作が始まりました。

寄せ植え講習


中学生たちは悪戦苦闘しながらもすぐに慣れて、なかなかバランスの良い寄せ植えを作り始めて若いセンスを感じさせてくれます。

寄せ植え製作 中学生たち


花ボランティアの皆さんはさすがに手慣れていて、このままだとイベントの前に全部作り上げてしまいかねない勢いに、こちらが怖くなるほど!

寄せ植え製作 花ボランティアの皆さん


でも、
きれいな鉢だからうれしい!
いつもは種から育てた少しの種類の花しか使えないからねぇ
こんなにいっぱい種類があって幸せだぁ~

満面の笑みで製作してもらえて、われわれも幸せでした。





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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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