リージェンツ・パークⅡ+おまけ~イングリッシュ・ガーデンの旅 04
テーマ:イングリッシュガーデン
2009/11/18 06:31

さて、クリーン・メアリーズ・ガーデンのバラ園を、引き続きご案内していきます。

コメントは無用とか前回書きましたが、商売柄ついつい余計なことを考えてしまいます。
うーん。
たとえば、このようなバラの見せ方について。

ベンチのポジションは座ってみれば分かるのですが、ローズ・ガーデンを見渡せて、かつ、いろいろなバラの色を重ねて眺めることのできる絶妙な位置になっています。
さらに、お互いの存在が気にならないよう、ベンチに座る者同士の視線はしっかりと遮られています。
そして、そのベンチ自体がこのように素敵なフォーカル・ポイントになっているのですね。

さらにクライマー・ローズの絡んだロープがそのベンチとベンチを幾重にも結び、ひとつひとつのベンチを断片的に孤立させることなく、同時にひとつの結ばれた世界を周囲から浮かび上がらせています。
そう。
結界ですね。

もちろん、その外にも別の美しい世界が拡がる、素敵な結界です。

さて、クイーンズ・メアリー・ガーデンのバラ園を後にして、リージェンツ・パークを東に向かいますと、公園を南北にまっすぐ貫くブロード・ウォークに突き当たります。
その先に拡がるのが広大な風景式庭園。
公園の標示に「イングリッシュ・ガーデン」とある、広い芝地に丘や池の点在する英国の自然を切り取ったガーデンです。


そして、ブロード・ウォークに戻れば、広い通りに沿って展開するボーダーと装飾花壇とモニュメントの連続!
アベニュー・ガーデンをそこでは楽しむことが出来ました。


こちらでは折しも大がかりなメンテナンスの真っ最中。
それもほとんど終わりかけの、とてもフレッシュな植物たちを見学することが出来ました。

こうした景色が南北約1キロに及ぶブロード・ウォークの左右に展開するのですから、徳田先生が旅行の最中に何度も口にされた、
「国力の違い、文化の差」
を思わずにはいられませんでした。
うーん、いや。
負けてなるものか



この日はこの後、公園内のレストランに集合し、
(このレストランの庭もなかなか素敵なものでした)

オックスフォード・サーカスからピカデリー・サーカスに移動(市街地には興味ないのでコメントは無しです)、
コヴェント・ガーデン(もとウェストミンスター修道院の菜園、今はショッピング・センター)で早めの夕飯を食べて解散し、
わたしはグリーン・パークからセント・ジェームズ・パークを、途中のバッキンガム宮殿やビッグ・ベンを尻目に延々と歩き続け、公園の花壇や植え込みをたっぷりと堪能しました。
例えば、こんな景色。…これが21時少し前のセント・ジェームズ・パークです。
以上、おまけでした。


23時頃にホテルに戻ったわたしがもちろんその後、近くのストアで買い込んだビールもしこたま堪能したのは言うまでもありません。
リージェンツ・パークⅠ~イングリッシュ・ガーデンの旅 03
テーマ:イングリッシュガーデン
2009/11/17 18:10
二日目は朝から雨模様でした。
季節がら、それも仕方ないとガーデン見学に必需品のレインコートをバッグに入れ、それでも昨日の余韻も手伝ってウキウキ気分で出発しました。
ケンジントンのホテルから最寄りとなるアールズ・コート駅で乗車。ロンドン地下鉄を乗り継いで、降り立ったのはホームの壁面にシャーロック・ホームズのシルエットがデザインされていて楽しいベイカー・ストリート駅でした。
この日午前中の見学地はここからほど近いリージェンツ・パークとなります。

ロンドン市内には本当に美しい公園が多く、到着した夜のホテルチェックインもそこそこそに、徳田千夏先生の先導でぐるりと一周したハイド・パーク&ケンジントン・ガーデンを始めとして、この2日目の午後にひとりで歩いたグリーン・パークやセント・ジェームズ・パーク、朝の散歩で歩いたホランド・パークなど、日本的な発想でいえば本当にタダで見てしまって良いの、と思えるような素晴らしい公園が目白押しでした。
その中でも特に美しかったのがこのリージェンツ・パークです。

ベイカー・ストリート側からのアプローチ上にある徳田先生お勧めの花壇は、ちょうど植え替えを終えたばかりのようでした。

そして、それぞれに特徴を出しながら個性的で見応えのある植え込みの数々。

その中心にあるクイーン・メアリーズ・ガーデンは、壮絶ともいえる美しさのローズ・ガーデンもさることながら、南側エントランスにある池を中心としたロックガーデンも、とても魅力的で楽しいものでした。

そして、本当に息を飲んだローズ・ガーデン
じつは最初の自由行動の際にわたしはフラフラと一人、誘われるようにしてその場所を訪れてしまったのでした。
その手前を集合場所にして、メンバー全員で一緒にそこを訪れ、
「さあ、どうだぁ
」
とやるのが、あとで判明した徳田先生の考えていた演出であったのですが、巧みに配置されたフォーカル・ポイントとかすかに遠望できる鮮やかな色彩に、わたしごときが引っかからないはず有りません。
ですから、まだ雨の残っていたその時間、この素晴らしいガーデンをわたし一人独占させて頂いたことを、自慢げに書き添えさせていただきます。

全員で改めて訪れた際には雨も上がり、晴れ間さえ覗き、徐々に客も増えていったのですが、それでもこのベスト・シーズンにこれだけ人の写り込まない写真を撮ることができたのは、やはり朝からの雨のお陰だったと思います。

まさに色彩のうねる波、嵐のごとく、です。

コメントはもう無用ですね。
たまに写り込んでいる人間は、すべて同行メンバーです。


はい。
案の定、ここも一回では終わりそうにありませんので、リージェンツ・パークは次回に続きます。
次回はローズ・ガーデンの続きと、気の遠くなるほどつづくアベニュー・ガーデンの花壇&ボーダー他を予定しています。

というわけで昼食のサンドイッチとコーヒーを買った公園内のカフェテリアです。
レストランに入って料理が出来上がってくるのを待つ時間さえ惜しいcozyは、ここのサンドをほおばりながらガーデンの散策を続けたのでした。
季節がら、それも仕方ないとガーデン見学に必需品のレインコートをバッグに入れ、それでも昨日の余韻も手伝ってウキウキ気分で出発しました。
ケンジントンのホテルから最寄りとなるアールズ・コート駅で乗車。ロンドン地下鉄を乗り継いで、降り立ったのはホームの壁面にシャーロック・ホームズのシルエットがデザインされていて楽しいベイカー・ストリート駅でした。
この日午前中の見学地はここからほど近いリージェンツ・パークとなります。

ロンドン市内には本当に美しい公園が多く、到着した夜のホテルチェックインもそこそこそに、徳田千夏先生の先導でぐるりと一周したハイド・パーク&ケンジントン・ガーデンを始めとして、この2日目の午後にひとりで歩いたグリーン・パークやセント・ジェームズ・パーク、朝の散歩で歩いたホランド・パークなど、日本的な発想でいえば本当にタダで見てしまって良いの、と思えるような素晴らしい公園が目白押しでした。
その中でも特に美しかったのがこのリージェンツ・パークです。

ベイカー・ストリート側からのアプローチ上にある徳田先生お勧めの花壇は、ちょうど植え替えを終えたばかりのようでした。

そして、それぞれに特徴を出しながら個性的で見応えのある植え込みの数々。

その中心にあるクイーン・メアリーズ・ガーデンは、壮絶ともいえる美しさのローズ・ガーデンもさることながら、南側エントランスにある池を中心としたロックガーデンも、とても魅力的で楽しいものでした。

そして、本当に息を飲んだローズ・ガーデン

じつは最初の自由行動の際にわたしはフラフラと一人、誘われるようにしてその場所を訪れてしまったのでした。
その手前を集合場所にして、メンバー全員で一緒にそこを訪れ、
「さあ、どうだぁ

とやるのが、あとで判明した徳田先生の考えていた演出であったのですが、巧みに配置されたフォーカル・ポイントとかすかに遠望できる鮮やかな色彩に、わたしごときが引っかからないはず有りません。
ですから、まだ雨の残っていたその時間、この素晴らしいガーデンをわたし一人独占させて頂いたことを、自慢げに書き添えさせていただきます。

全員で改めて訪れた際には雨も上がり、晴れ間さえ覗き、徐々に客も増えていったのですが、それでもこのベスト・シーズンにこれだけ人の写り込まない写真を撮ることができたのは、やはり朝からの雨のお陰だったと思います。

まさに色彩のうねる波、嵐のごとく、です。

コメントはもう無用ですね。
たまに写り込んでいる人間は、すべて同行メンバーです。


はい。
案の定、ここも一回では終わりそうにありませんので、リージェンツ・パークは次回に続きます。
次回はローズ・ガーデンの続きと、気の遠くなるほどつづくアベニュー・ガーデンの花壇&ボーダー他を予定しています。

というわけで昼食のサンドイッチとコーヒーを買った公園内のカフェテリアです。
レストランに入って料理が出来上がってくるのを待つ時間さえ惜しいcozyは、ここのサンドをほおばりながらガーデンの散策を続けたのでした。
シシング・ハースト・キャッスル・ガーデンⅡ~イングリッシュ・ガーデンの旅 02
テーマ:イングリッシュガーデン
2009/11/15 05:45
自然は直線を好まない
これは著名な風景式庭園の造園家であるウイリアム・モリスの言葉です。
(和訳は中尾真理氏の著作「英国式庭園」講談社選書によるものです)
わたしのとても好きな言葉で、ガーデン・デザインに迷いが生じた時には必ず思い出すようにしています。

もちろん、ガーデンは自然そのものではありませんし、ガーデン・デザインは決して自然の再現ではありません。
ですが、人が人工物に囲まれた暮らしに疲れ、自らを取り巻く空間に自然の要素を少しでも多く取り入れたいと願うところからガーデンが始まるとするならば、きわめてバーチャルなものでありながらもガーデンの個々の様子は自然に近しいものであるべきであると、わたしは考えます。
ですから、わたしも直線だけで構成されたガーデンのデザインは好みません。
レンガやブロックを切り刻み、削ったり貼り付けたりして作る幾何学的な工作物も好きではありません。
製作する職人が疲弊するようなガーデンに、本源的に人を癒す力など無いと思うからです。
…それはさておき。
シシング・ハースト・キャッスル・ガーデンの第2回目は、そうした視点も踏まえて庭園を構成する様々な細かい要素を、写真で拾い出しながら紹介していきたいと思いました。

なぜ冒頭で直線にこだわったかと言いますと、この庭園のデザインがとても多くの直線によって構成されているからなのです。
この設計を担当したハロルド・ニコルソンの手によるものですが、庭園の南北を端から端まで結ぶヴュー・ウォークを作ったり、ホワイトガーデン、ローズガーデン、ハーブガーデン、スプリングガーデン、モートウォークなど、主要なガーデンは全て直線によって構成され、直線で結ばれています。

そして、それら直線が生み出す強さ、固さ、鋭さといった印象を和らげるのが夫人であるヴィタ・サックヴィル・ウェストが選び出した植物の数々です。上記の写真を見ても同じ直線のアプローチが、使う植物次第で柔らかくも固くもなることが分かると思います。そして、ガーデンのひとつひとつはそのように柔らかく、ガーデンとガーデンを結ぶ動線は固くして、庭園全体にリズムとメリハリを付けていることが分かります。
個人のお庭に同じ事を当てはめれば、個々の庭を柔らかくして、それを結ぶラインである境界線上の外構であるとか、都市計画上の道路とかをきっちりした直線で構成することに相当するでしょうか。
そして、その直線自体を構成する素材に目を向ければ、その質感がとても柔らかいことに気付かされます。



そして、さらにそこに植物が入り込んでくると、それは単なる動線ではなくなり、植物を盛る器のひとつとなってしまいます。



異なる空間と空間を結ぶ役割を持つゲートや窓もまた、次の空間を切り取るそれ自体が装飾された額縁となり、そのまま次の空間に入り込んでしまうのとはまた、違う風景を現出させてくれます。



さらには、ガーデンの脇役達もそれぞれに個性的でチャーミングでした。



まる一日をこのシシング・ハーストで過ごして、それでもまだまだ時間が足りないくらいに素敵な時間を過ごすことが出来ました。いま改めて写真を整理しながら、とても濃厚な時間だったと思いだしています。
と同時に、こんなペースですべての旅程をプログにしていたら、ヘトヘトになるに違いないと先を危ぶみつつ…
あっ、もちろんランチの際にはビールを頂いたことも書き添えて…

イングリッシュ・ガーデンの旅の初日を終わりにします。

2日目は、ローズガーデンが圧巻のリージェンツ・パーク他、です。
これは著名な風景式庭園の造園家であるウイリアム・モリスの言葉です。
(和訳は中尾真理氏の著作「英国式庭園」講談社選書によるものです)
わたしのとても好きな言葉で、ガーデン・デザインに迷いが生じた時には必ず思い出すようにしています。

もちろん、ガーデンは自然そのものではありませんし、ガーデン・デザインは決して自然の再現ではありません。
ですが、人が人工物に囲まれた暮らしに疲れ、自らを取り巻く空間に自然の要素を少しでも多く取り入れたいと願うところからガーデンが始まるとするならば、きわめてバーチャルなものでありながらもガーデンの個々の様子は自然に近しいものであるべきであると、わたしは考えます。
ですから、わたしも直線だけで構成されたガーデンのデザインは好みません。
レンガやブロックを切り刻み、削ったり貼り付けたりして作る幾何学的な工作物も好きではありません。
製作する職人が疲弊するようなガーデンに、本源的に人を癒す力など無いと思うからです。
…それはさておき。
シシング・ハースト・キャッスル・ガーデンの第2回目は、そうした視点も踏まえて庭園を構成する様々な細かい要素を、写真で拾い出しながら紹介していきたいと思いました。

なぜ冒頭で直線にこだわったかと言いますと、この庭園のデザインがとても多くの直線によって構成されているからなのです。
この設計を担当したハロルド・ニコルソンの手によるものですが、庭園の南北を端から端まで結ぶヴュー・ウォークを作ったり、ホワイトガーデン、ローズガーデン、ハーブガーデン、スプリングガーデン、モートウォークなど、主要なガーデンは全て直線によって構成され、直線で結ばれています。

そして、それら直線が生み出す強さ、固さ、鋭さといった印象を和らげるのが夫人であるヴィタ・サックヴィル・ウェストが選び出した植物の数々です。上記の写真を見ても同じ直線のアプローチが、使う植物次第で柔らかくも固くもなることが分かると思います。そして、ガーデンのひとつひとつはそのように柔らかく、ガーデンとガーデンを結ぶ動線は固くして、庭園全体にリズムとメリハリを付けていることが分かります。
個人のお庭に同じ事を当てはめれば、個々の庭を柔らかくして、それを結ぶラインである境界線上の外構であるとか、都市計画上の道路とかをきっちりした直線で構成することに相当するでしょうか。
そして、その直線自体を構成する素材に目を向ければ、その質感がとても柔らかいことに気付かされます。



そして、さらにそこに植物が入り込んでくると、それは単なる動線ではなくなり、植物を盛る器のひとつとなってしまいます。



異なる空間と空間を結ぶ役割を持つゲートや窓もまた、次の空間を切り取るそれ自体が装飾された額縁となり、そのまま次の空間に入り込んでしまうのとはまた、違う風景を現出させてくれます。



さらには、ガーデンの脇役達もそれぞれに個性的でチャーミングでした。



まる一日をこのシシング・ハーストで過ごして、それでもまだまだ時間が足りないくらいに素敵な時間を過ごすことが出来ました。いま改めて写真を整理しながら、とても濃厚な時間だったと思いだしています。
と同時に、こんなペースですべての旅程をプログにしていたら、ヘトヘトになるに違いないと先を危ぶみつつ…
あっ、もちろんランチの際にはビールを頂いたことも書き添えて…

イングリッシュ・ガーデンの旅の初日を終わりにします。

2日目は、ローズガーデンが圧巻のリージェンツ・パーク他、です。