固有種ニホンイシガメの保全プロジェクト~つづき
テーマ:自然・生態系
2013/02/26 05:36
先日の調査の際の写真を、スタッフの方から届けていただきました。
自分ではなかなか撮れなかったカメたちの捕獲状況、ほかです。
が、それよりもこのブログで伝えたかったのはそこに添えていただいたメッセージでした。
タヌキやアライグマたちは、確かに数少なくなったイシガメたちにとっての驚異でしょう。
人間がそれと知らず行った開発行為が、彼らの生存を脅かすこともあるかもしれません。
けれど今回知らされた人間たちの行為は、もっと悪意と欲に満ちたものです。
それをここで告発することが、結局カメたちの商品価値を世間に知らしめ、そのことでさらに彼らを危険にさらす事になるかも知れません。
だから、やはり多くは書きません。
でも、それはやはりおかしいですよね。
大切なものたちを守ろうという呼びかけが、結果的に大切なものたちを危険にさらすなんて…
東北の被災地で様々な体験をさせていただき、その中で身に染みて感じたことが有ります。
善意は必ず多くの善意を集めます。
善意が寄り添い合って必ず大きな力を生むことを、今回さまざまな場面で実感することが出来ました。
そんなときはともすれば、この世の中は善意に満ちあふれているのではないかと思ったものですが、勿論それは幻想です。
善意は善意を呼びますが、同時に悪意をも招きます。というより、悪意はどんな場面にでも常に現れるものなのでしょう。
悲しいことです。
但行礼拝(たんぎょうらいはい)。
かつてインド、ラジギールの日本寺にお世話になった際、そこで学んだ法華経の教えです。
それはただひたすら、無条件に拝み続けるという行です。
どのような扱いを受けてもただひたすら伏し拝むことで、相手のうちの仏性を呼び起こせるという教えです。
マハトマ・ガンディー師もこの仏教の教えに触れたと言われていますから、師の無抵抗不服従闘争の根幹にはこのことが関係していたのかも知れません。
話をカメに戻します。
いやカメに限らないことでもありますが、悪意や欲に基づいて事を為そうとする者をただ糾弾したところで、その根までもが絶てるものではありません。
人の内の善意を呼び起こすものは、つまるところ批判や罰ではなく、善意以外の何ものでも無いということ。
心からカメたちをいとおしく思う人々の温かい心と行為無しでは、彼らの保全は実現しないと思うし、どれほどの優れた制度も充分な力を発揮できないと思います。
だから…
カメネットワークジャパンのみなさん。
和亀保護の会のみなさん。
生態工房のみなさん。
日本自然保護協会のみなさん。
その他、生き物と生き物たちの営みと生き物たちを取り巻く環境を大切に思う、すべてのみなさん。
心から応援し、出来る限りのお手伝いをしたいと思います。