4月の仕事

テーマ:しごと
なかなかリズムが戻らないリハビリ期間中なので、頑張って毎日投稿していくつもりでいますが、さて、いつまで続いてくれますやら…


以前に施工の状況を報告させて頂いた東松山のA様邸の庭園が、この4月上旬にとりあえずの完成をみました。


東松山A様邸1

幾度となく雨や雪に悩まされて、実質3週間の工程ながら1ヶ月半を要した仕事でした。

途中、彼岸の頃の強い風でメインに据えていた20メートル級のシラカバの根が浮いてしまい、泣く泣く思い出の樹を伐採するということもあって、急きょデザインをし直したりもしました。

掘り上げておいた樹木や宿根草、球根類も新たな庭園に植え直しましたが、彼らにとって遅く訪れた春と長く続いた雨は、恵みとなったと思います。

東松山A様邸3

なにより、施主様ご一家に心から喜んで頂けたのがありがたく、GWの再訪をお約束いたしました。

東松山A様邸2



このために着工が1ヶ月近くも遅れてしまっていた熊谷のI様邸が間もなく完成。
GW中には1月から準備してきた桶川のY様邸を仕上げる予定で今はその準備に余念がありません。
GW明けには2軒のお宅の工事も控えておりますし、今年は西武ドームの国際バラとガーデニングショウにも急きょ応援という形ではありますが、参加させて頂くことになっています。
…気が付いたらかなり忙しい事になっていますが、その他メンテのご依頼もたくさん頂いていて嬉しい悲鳴…。

以下、その作業や打合せに出掛けたお宅で久々に対面したガーデンたちです。

熊谷S様邸1

熊谷S様邸2


今年は昨年より多く原種のチューリップが咲きましたよ。

今年のベニバスモモの花はとても綺麗で、ご近所の評判でした。

このトキワマンサクがこんなに花をつけたのは初めてよ。

と、そんなお話を伺うのが何よりも嬉しくて楽しく、
つくづくガーデンの完成は最低でも3年。いや5年は必要かなと思いました。


深谷市N様邸1



深谷市N様邸2


今年の5月は例年以上に忙しくなりそうで、楽しみです。



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 http://www.yui-garden.com/
















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風景

テーマ:思い
菜の花

現場に向かう長い道中、撮り溜めた景色の写真がたくさんあります。

特に菜の花が多いのは、美しい田園風景の中を選んで走ったせいだと思います。

菜の花と桜

3月になって、とても大切にしていた人を失いました。

不思議なもので、それまでどんなに仕事が忙しくても、5時間の睡眠時間を4時間に減らしてでも中断しなかったこのブログを、そんなことで1ヶ月半も休んでしまいました。

心の病は気持ちをくじき、どうやら、おどろいたり感動したりする心の動きをひどくおとなしくしてしまうようです。

いつもならこの3月から4月にかけて、刻々と変わっていく景色に心を踊らされて、いつどこでどんな花が咲いたという記事がわたしの日記を彩るのですが、今年はそうしたことがついぞなく、その菜の花の景色にも、梅やモクレンや桜の開花にも心がほとんど動かないままでした。



ただ一度だけ、わたしの心を騒がしたのがこの景色でした。

菜の花とベニカナメ

なんの変哲もないベニカナメの若葉のアカと、菜の花の小さな群生です。

この赤と黄色の色の組合せがはっと目に飛び込んでこびりつき、毎日その脇を通りながらわたしの心は徐々に回復しました。

もちろんそれ以前も仕事はこなし、日常生活もきちんと送って来ましたので、これを心の病と同列にすることは差し控えた方が良いかもしれません。

ただ、わたしはこのブログで自分が発見したり感動したりしたものを、皆さんと共有したいと思ってきましたし、それを常に読むに値するメッセージにしたいと考えてきたものですから、これはやはり書かなければならないと思った訳なのです。


風景、という言葉が「景色」と違う点は、そこに人の心が介在するかどうかであると、以前に聞いたことがあります。

黄色とやや暗い赤…補色に近い色の組合せが、人の目にとても印象的に映ることをわたしたちは学びました。

自然界にそんな色の組合せが存在するかなと考え、ああ、深い山の紅葉に有ったかも知れないと思い至りました。

ただ、この里の景色は、やはり自然の物ではなく人が強く介在することで誕生したものです。

…ただ、おそらくは意図して産み出された配色ではなかったろうと、想像出来ます。
だから、わたしの心が惹かれたのだろうと、今になって思います。


人がデザインして、つまりは意図して産み出されたデザインには限界があります。
人が製作したガーデンは、しょせんは自然とは似ても似つかぬものです。

でも、扱うものが植物という自然のものだからこそ、製作者の意図とは関係なく、このような思わぬ美しさを産み出してくれる事があるのではないでしょうか。

この仕事を生業にしているわたしだから感じたのかもしれません。
でも、だからこそそれはわたしに対するメッセージであっただろうと、わたしは勝手に思いこむことにしました。

で、人の心の病と、それに対してガーデンというわたしたちの仕事が果たす役割について、わたしは認識を新たにしたのです。
癒しだけがガーデンの効能ではない、と…

まあ、それは後の話にします。
まだまだ、これは心のリハビリなもんですから。



里の景色は美しい。

たとえばこんな景色…


ムラサキハナナの群生

単線の踏切脇の空き地にひろがるムラサキハナナは、おそらく自然にこぼれ種で増えたものではないでしょうか?


桃の林

畑の奥の果樹園に咲く桃の花も、おそらくは観賞用に植えられたものではないでしょう。


リキュウバイ

この、畑の中のリキュウバイも、通りすがりのわたしではなく、畑の持ち主にとっての憩いなのだと思います。


あいかわらず人気の芝桜の丘とかの観光を目的とした植栽が、最初の5分くらい感動した後はうんざりすることの方が多かったり、あるいは写真に納めてそれで満足出来てしてしまうのとは違い、里のこうした景色は何度訪れても美しいと思い、とてもそれは写真では表現しきれないと思えます。

それをだから、風景と呼ぶのでしょうね。



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プロフィール

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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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