出る杭は…
テーマ:思い
2013/02/03 06:00
打たれる!
自明の理です。
仕方の無いことです。
そう思いながらも、打たれるたびにへこんでいた10年ほど前のわたしに、教えてくれた人がいました。
地元のジャンヌ・ダルクと呼ばれている、常に闘い続けている華道家の女性でした。
向井くん、本当に打たれたくないと思ったらねぇ…
相手が打ちたくても打てない高さまで伸びればいいのよぉ。
そうすればみんなバカバカしくなって打たなくなる。
それでもハシゴを掛けてよじ登ってまで打とうとする人がいたとすれば…
向井くん。それはねぇ、
もう敵じゃなくて、味方なんだよ。
胸がすぅ~っと楽になった気がしました。
未だにときどきその言葉を思い出して、すぅ~っとなることが有ります。
そんなときは、
ああ、自分は今もちゃんと闘えているんだな、と思います。
こんな話を、最近久しぶりにしました。
相手は庭のお客さまですが、やはり、いつも闘っている様子の、とても素敵な女性です。
だからわたしも、素敵な庭を造らなければなりません。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
京都に傳來工房を訪ねる ~カンナ・マイスター研修会 2013.01.29-30~
テーマ:しごと
2013/02/02 21:46
仕事、として書きます。
カンナという名の、とてもお洒落で個性的な物置が有ります。
新潟の同業者の展示場でそれを初めて見たとき、とても惹かれるものを感じながら、しかし、おそらく自分がそれと関わることは無いのではないかという、そんな気がしたのを覚えています。
それが昨年のことでしたか、そのカンナを世に出した傳來工房(でんらいこうぼう)=ディーズガーデンの担当者さんから連絡を貰い、販売代理店にならないかというお誘いを受けました。何かの縁かと思い、特約店=ディーズガーデンクラブの仲間に加えて頂くことになりました。
が、それ以来今日に至るまで…
たった1基のカンナも組立てることが無く、ましてや販売することもなく、少し後ろめたい気持ちでいたところに今回の研修のご案内が届きました。
会場が京都に有る傳來工房本社であると知り、これは行くしか無いだろうと思った次第です。
傳來工房という、この古都の地に脈々と受け継がれてきた鋳造技術者集団の末裔には、ディーズガーデンの担当者さんの話を聞いて以来、ずっと興味を持っていました。
詳細はこちらの「傳來の歴史」をご覧頂くとして、
寺社仏閣や近代建築と関わる職人集団と、このどちらかと言えば「可愛らしい」ガーデニング・アイテムとのマッチングの妙といいますか、その辺りをぜひとも知りたいものだと、そんなことを密かに考えていたりもしました。
そのことがきっちりと腑に落ちるまでには、2日間の研修の最後まで掛かってしまいましたが…
それはとても興味深い体験でした。
研修自体はまあ、成功事例の講演や販促方法の検討、新製品の紹介など、ここで改めて述べることは少ないのですが…
その中で面白かったのはまず初日の、グループ別のディスカッション。
全国のそれぞれ似たような条件でそれぞれ苦労されている、けれど情熱をもってこの仕事に向き合っている方たちとの会話はとても有意義で刺激的でした。一緒に販促方法についての意見を交わしたり、こんなものが有ればいいなという新しい製品のアイデアを交換したりしながら、それぞれの人となりや仕事のスタイルに触れることが出来ました。
そして2日目に開発担当の方から聞かせて頂いた「カンナ開発秘話・裏話」。
カンナが単に商品では無く、作り手の誰もがこよなく愛し、繰り返しマイナーチェンジを今も重ねながら大切に育てられていることが良く分かる、それは味わい深い内容でした。
そのひとつひとつのこだわりと徹底した完全主義からは、開発者だけでなく製造の担当、営業の担当の方までが「傳來」の職人気質をしっかりと受け継いでいる事が伝わって来て、とても好感を持てました。
例えばカンナのこの扉一枚とっても、製作工程をビデオで見せて貰ったのですが、全工程が手作業で、しかも熟練の職人さんが二人がかりで丸一日かけて作り上げる(乾燥や脱型、細部仕上げを入れるとさらに数日)のだとか。何層もの塗装もまったくの手作業なので、ひとつとして同じ仕上がりの扉は無いと知りました。
これは実のところ、かなり新鮮な驚きでした。
カンナのシリーズはどれも決して安価では無く、簡単に手の出せる代物ではありませんが、しかしその理由がよく分かった気がします。
2日間のカンナとの関わりの中で、これは少しばかり心して掛からないといけないなと気付かされ、同時に自分のガーデンデザインの中でそれらを取り入れていく可能性について、少し見えてきた気がします。
「ガーデン工房 結 -YUI-」 はエクステリア専門店でもないし、外構工事店であると胸を張ることも出来ません。
以前はそうであったにしても、今ではすっかり自然素材に傾いてしまい、最近ではアルミ商材もコンクリートも使うことがめっきり少なくなってしまいました。
従って他の特約店さんのような展示場を持つことは無いだろうし、ましてやカンナを単体で販売することも無いでしょう。
そんなわれわれがカンナとどう関われるのか、というのが今回の研修の、われわれなりのテーマでもあった訳なのですが…
何となくではありますが、分かった気がしました。
ガーデン工房 結 -YUI- にはガーデン工房 結 -YUI- なりのカンナの見せ方と提案の仕方がありそうですね。
ヒントはカンナが作り手からも売り手からもとても慈しまれ、大切にされている点です。
そしてそれが単なる商品で無いという視点さえ手に入れれば、他の樹木や宿根草やハーブたち同様、カンナたちは図面の中の一番居心地の良い場所を、自分で見つけてでんと腰を据えてくれるに違いありません。
それが今回の研修で得た多くの収穫のうちのひとつです。
さて、2日間の研修期間の間、われわれは先方で用意して下さったホテルを使わず、老舗の料亭での懇親会も遠慮して、使い慣れた宿と、なじみの居酒屋と、お気に入りのカフェで夜の京都を楽しませていただきました。
が、まあその報告は無用だと思います。
わざわざ夜中に走ってクルマで出かけたのは、いくつか見たい、あるいは今回同行したアシスタントのS氏に見せたい(つまりは勉強したい、勉強して貰いたい)庭園があったからです。
次回は、その報告が出来れば良いなと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
カンナという名の、とてもお洒落で個性的な物置が有ります。
新潟の同業者の展示場でそれを初めて見たとき、とても惹かれるものを感じながら、しかし、おそらく自分がそれと関わることは無いのではないかという、そんな気がしたのを覚えています。
それが昨年のことでしたか、そのカンナを世に出した傳來工房(でんらいこうぼう)=ディーズガーデンの担当者さんから連絡を貰い、販売代理店にならないかというお誘いを受けました。何かの縁かと思い、特約店=ディーズガーデンクラブの仲間に加えて頂くことになりました。
が、それ以来今日に至るまで…
たった1基のカンナも組立てることが無く、ましてや販売することもなく、少し後ろめたい気持ちでいたところに今回の研修のご案内が届きました。
会場が京都に有る傳來工房本社であると知り、これは行くしか無いだろうと思った次第です。
傳來工房という、この古都の地に脈々と受け継がれてきた鋳造技術者集団の末裔には、ディーズガーデンの担当者さんの話を聞いて以来、ずっと興味を持っていました。
詳細はこちらの「傳來の歴史」をご覧頂くとして、
寺社仏閣や近代建築と関わる職人集団と、このどちらかと言えば「可愛らしい」ガーデニング・アイテムとのマッチングの妙といいますか、その辺りをぜひとも知りたいものだと、そんなことを密かに考えていたりもしました。
そのことがきっちりと腑に落ちるまでには、2日間の研修の最後まで掛かってしまいましたが…
それはとても興味深い体験でした。
研修自体はまあ、成功事例の講演や販促方法の検討、新製品の紹介など、ここで改めて述べることは少ないのですが…
その中で面白かったのはまず初日の、グループ別のディスカッション。
全国のそれぞれ似たような条件でそれぞれ苦労されている、けれど情熱をもってこの仕事に向き合っている方たちとの会話はとても有意義で刺激的でした。一緒に販促方法についての意見を交わしたり、こんなものが有ればいいなという新しい製品のアイデアを交換したりしながら、それぞれの人となりや仕事のスタイルに触れることが出来ました。
そして2日目に開発担当の方から聞かせて頂いた「カンナ開発秘話・裏話」。
カンナが単に商品では無く、作り手の誰もがこよなく愛し、繰り返しマイナーチェンジを今も重ねながら大切に育てられていることが良く分かる、それは味わい深い内容でした。
そのひとつひとつのこだわりと徹底した完全主義からは、開発者だけでなく製造の担当、営業の担当の方までが「傳來」の職人気質をしっかりと受け継いでいる事が伝わって来て、とても好感を持てました。
例えばカンナのこの扉一枚とっても、製作工程をビデオで見せて貰ったのですが、全工程が手作業で、しかも熟練の職人さんが二人がかりで丸一日かけて作り上げる(乾燥や脱型、細部仕上げを入れるとさらに数日)のだとか。何層もの塗装もまったくの手作業なので、ひとつとして同じ仕上がりの扉は無いと知りました。
これは実のところ、かなり新鮮な驚きでした。
カンナのシリーズはどれも決して安価では無く、簡単に手の出せる代物ではありませんが、しかしその理由がよく分かった気がします。
2日間のカンナとの関わりの中で、これは少しばかり心して掛からないといけないなと気付かされ、同時に自分のガーデンデザインの中でそれらを取り入れていく可能性について、少し見えてきた気がします。
「ガーデン工房 結 -YUI-」 はエクステリア専門店でもないし、外構工事店であると胸を張ることも出来ません。
以前はそうであったにしても、今ではすっかり自然素材に傾いてしまい、最近ではアルミ商材もコンクリートも使うことがめっきり少なくなってしまいました。
従って他の特約店さんのような展示場を持つことは無いだろうし、ましてやカンナを単体で販売することも無いでしょう。
そんなわれわれがカンナとどう関われるのか、というのが今回の研修の、われわれなりのテーマでもあった訳なのですが…
何となくではありますが、分かった気がしました。
ガーデン工房 結 -YUI- にはガーデン工房 結 -YUI- なりのカンナの見せ方と提案の仕方がありそうですね。
ヒントはカンナが作り手からも売り手からもとても慈しまれ、大切にされている点です。
そしてそれが単なる商品で無いという視点さえ手に入れれば、他の樹木や宿根草やハーブたち同様、カンナたちは図面の中の一番居心地の良い場所を、自分で見つけてでんと腰を据えてくれるに違いありません。
それが今回の研修で得た多くの収穫のうちのひとつです。
さて、2日間の研修期間の間、われわれは先方で用意して下さったホテルを使わず、老舗の料亭での懇親会も遠慮して、使い慣れた宿と、なじみの居酒屋と、お気に入りのカフェで夜の京都を楽しませていただきました。
が、まあその報告は無用だと思います。
わざわざ夜中に走ってクルマで出かけたのは、いくつか見たい、あるいは今回同行したアシスタントのS氏に見せたい(つまりは勉強したい、勉強して貰いたい)庭園があったからです。
次回は、その報告が出来れば良いなと思います。
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/