キュー・ガーデンズⅡ~イングリッシュ・ガーデンの旅 06

テーマ:イングリッシュガーデン
Year of the Tree Festival

昨年の英国立キュー植物園は‘樹の祭典の年’クリスマスベル2 だったようです。
サブテーマは、Explore the Treetops
樹冠の探検…
実際に、とてつもなく高い空中の遊歩道が建造され、巨木たちのさらに頭上を散歩しながら樹の上の様子を観察できるようにしたり、

treetop walkway

逆に地中に潜った地下施設の中で地中の様子を観察したり、tree Listening と称して樹の幹に繋がったヘッドホンを耳に当てて樹の音を聴いたり、ゲート前にはオークの倒木が展示してあったり、屋外で写真展を開催していたりと、さまざまな企画で一杯でした。
申し訳ありません。
前回で述べたような方針を固めてしまったわたしは、それらの写真をまったく残していませんでした。残念!
でも、どれも余すことなく堪能しました。

では、英国人の大好きなウッドランドの様子です。

ウッドランド01

森を愛するが故に、自宅の庭にその森を再現しようとしたのが風景式庭園としてのイングリッシュ・ガーデンの起源なのでしょうね。

ウッドランド02

それは一大土木工事であったろうと思われます。

ウッドランド03

さて、ここから先はキューの各所で見つけた素敵な樹木たちを楽しんで頂きます。
コメントを差し挟みたくとも、広大な敷地を歩き回ることに忙しく、個々の樹木の名前とか調べるヒマがとうとう無かったので、ここは流します。

樹木01

あ、ただひと言付け加えておきます。
こうしてみると、森は緑……ではありませんね。本当に様々な葉色の樹が、バランス良く配置されていると思いました。

樹木02

樹木03

枝垂れ──ペンデュラ・タイプの巨木ともたくさん出会いました。地面を撫でるように垂れ下がった枝の太さには驚きです。

樹木04

これは日本でもおなじみになった西洋ブナのパープレアですね。
それにしても巨大です。

樹木05

半端でない木陰に入って、ベンチでひと休み。
この日も暑くなりました。

樹木06

この時期のイギリスは至る所で、トチの花が満開でした。

樹木07

これは地中海エリアの様子。
黄色い花は、今にしてみればアカシアのフロリバンダですね。

樹木08
こんな樹や、

樹木09

こんな樹もありました。

樹木10

そして、最後にキュー・パレス。

これは他のエリアとは一線を画した、なかなか魅力的な場所でした。
もともと、1730年にジョージⅡ世の皇太子であったフレデリックとその妃であるオーガスタがこの宮殿に住み始めたところからキュー・ガーデンズは始まったと言われます。
1759年にオーガスタがここで植物園の建造を開始し、1771年以降、プランツ・ハンターであるジョゼフ・バンクスの指導の元に園芸研究の一大中心拠点となりました。
この植物園の造園には、ウィリアム・ケント、ランスロット・ブラウン、ウィリアム・チェンバースといった英国庭園史にその名を残す、そうそうたるメンバーが関わりました。そしてその後、国に寄贈されています。

さて、キュー・パレス。

キュー・パレス

赤レンガ造りの小さな館でした。

そして、その裏手のクイーンズ・ガーデンは、これまで見てきたキューのガーデンとはまったく趣を異にした、整形式庭園でした。

クイーンズ・ガーデン01


クイーンズ・ガーデン04

美しく刈り整えられた生垣の間を抜けて、その裏手に出れば、

クイーンズ・ガーデン02

そこはサンクン(沈降)スタイルのハーブ・ガーデンとなっていて、
可愛らしいレンガ・ベンチの周囲にも、初夏の花が咲き乱れておりました。

クイーンズ・ガーデン03

次回はいよいよ麗しのコッツ・ウォルズハート2

ヒドコート・マナーとキフツゲート・コートの二大庭園を巡ります。




























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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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