天に祝福されるしごと、そして折原ファーム
テーマ:しごと
2011/05/27 08:00
梅雨の走りのようなここ数日の天気ですが、一昨日は久々に気持ちよく晴れて、予定されていた深谷市N様邸のメンテには打って付けの一日でした。
2007年に手がけたこのお庭とも4年のおつき合いになります。
庭の一角に稲荷社を持つこのお庭には何本かの巨大なご神木もあって、それがあまり大きくなりすぎたためにご近所からいろいろと言われることが多く、以前にも高所作業車で大規模な伐採や枝下ろしをしたことがありましたが、今回もそう…。前回同様、緑化推進の時代に逆行すると憤りながらも、出来るだけ痛くないようにするからと樹に手を合わせながら地上10メートルまでよじ登り、チェーンソーを使いました。落とした枝は大型トラック1台くらいになったでしょうか。
雨やくもりの日にはとてもやる気になれないし、やれない仕事でした。
当然の事ながらわれわれの仕事はとても天候の影響を受けます。
でもね、ここに驚くべきジンクスがあります。
昨年の春以来、わたしがそこそこの植栽作業をしたあと、ほとんどの例外なく24時間以内に雨が降るというものです。
数えてはいませんが、それが20回近く続きました。
植物を植えたあとの水やりはとても大事でなかなか大変な作業なのですが、このジンクスがそれをすごく助けてくれました。なかには冬の植栽の後の雪、というのも有りましたが…
それにしても20回というのはスゴイと思いませんか?
もちろん、中には週間予報による雨の予報に合わせて植栽の工程を組んだこともありますが、大半はまったくの偶然で局地的な雨も多くありました。
わが社(わたしとアシスタントの女性のふたりだけですが)ではこのことを称して、「天に祝福されたしごと」と呼んでいます。
そうした事例が続くと、自分の仕事に自信が持てるし、とても強い勇気が生まれるものです。
そのようにして昨年からほぼ一年間、様々な植栽の仕事をしてきました。
でもさすがにいつかそのジンクスも終わるときがきます。
先日までお仕事をさせて頂いていた川越のお宅の場合、宿根草類の植栽を仕上げて竣工という運びとなりましたが、この時は翌日も良い天気になってしまいました。
これは突然の手術と入院で仕事が大幅に遅れてしまい、わたしが仕上げを急いでしまった為ですが、しかしこの時も翌々日にはちゃんと雨が降ってくれました。
その後も先週末に2箇所で少々無茶な移植をしたときも翌日には大量の雨。
再び気をよくして昨日、この時期としてはかなり大胆な宿根草の移植を行いましたが、夜にはかなりまとまった雨が降ってくれました。
まあ、そろそろ梅雨の前触れですのでこのあたりは詐欺みたいなものですが…
植栽に関する最近の話題でもう一点。
これは、先週末にリメイクした「ダモンネみはらし」(以前のブログをご覧下さい)の、コッツウォルズーストーンによるサークル花壇ですが、この時も植え替えてヘナヘナになったカモミールが翌日の雨で復活しました。
この中央に君臨するのは別のお宅で不要となって処分を依頼された柿の木です 。
この仕事をしていますと新築のお宅でも無い限り、お庭の整備の中で不要となった樹木や宿根草の依頼を受ける事が多くなります。
かといって生き物ですし、特に傷んでいないものも多いですからわれわれも処分してしまうのは心苦しく、お客さまの思いもまた同じです。
ダモンネみはらしのYさんはそんな中、快くいろいろな植物を引き受けてくれました。
柿の木の他にも、はがした芝生や大量に増えすぎてかなりの撤去を余儀なくされたカクトラノオなどもこのガーデンで余生を送っています。
とは言うもののもちろんそれには限度もあり、秩父のわが社でもそのように引き上げた樹木のうち、例えばオリーブやシマトネリコなどの冬越しが出来ないという問題が発生しました。
で、この秩父谷から北側に抜けたところに寄居という町があるのですが、そちらに土地を買い求めてそこに植物を避難させると同時に、資材置き場を兼ねたちょっとしたガーデンを作ろうと思い立ったのが、昨年秋でした。
それが、「折原ファーム」です。
年末から年明けの集中的な作業で、ようやく見栄えが良くなってきました。
昨年の3月、遅い雪の重さで途中から折れてしまい、引き上げてきたオリーブやトキワサンサク。
弱って交換した際に引き上げたシマトネリコ。
先祖返りしてしまい斑入りで無くなった斑入りクリ。
高圧鉄塔の改修のため、植木畑の木々を整理することになった知り合いの植木屋から安く譲って貰ったブルーアイス、アメリカサイカチ・サンバースト、ウラジログミ、シルバープリペット、シラタマミズキ、サルココッカ。
焼却用の穴から救い出したドウダンツツジ。
そのどさくさで安く分けて貰ったフサアカシア、スモークツリー、ベニバスモモのベイリーズセレクトとファスティギアータ、フェイジョア、銅葉の西洋ハシバミなどなどなど…
なかなか個性的な面々が現在そこには集まっています。
不思議なものでして、これもやはり天の配剤なのでしょうか?
その造成作業の最中に数年前にお庭を手がけさせて頂いたお宅からお電話がありました。
ご主人の出張で5年間、ご家族揃ってドイツに行かれるとのこと。
これを機会に現在のお住まいを売却することになったが、綺麗にしたばかりのお庭が勿体ないので、それらの樹木を預かってもらうことはできないだろうか? 5年後に改めて新居を建てたときに、出来ればそれらを使いたいので…
とてもありがたいお話でしたが、少し前のわたしなら保管場所に苦慮して途方に暮れた事だったでしょう。
が、今のわたしには折原ファームがあるではありませんか!
管理に万全を期すというわけにはいきませんので、移植の手間だけを頂いて管理費は無料とし、その代わりもし枯らしたらごめんなさい、という条件で引き受けることにいたしました。
こうしてシャラ、ホンコンエンシス、トウネズミモチ、アベリア・ホープレイズ、ヒペリカム、ローズマリー(移植に弱いので駄目もとで、これも引っ越しました)のほか、クリスマスローズ、ヒューケラ、ホスタ、アスチルベ、タイツリソウ、リシマキア・ヌンムラリアといった宿根草たちも、こうして折原ファームの居候となりました。
昨年の寒さで遅い秋に植えた宿根草の多くが駄目になった折原ファームですが、お預かりした植物たちはすべて元気に冬を乗り切り、春を迎えました。
その他、衝動買いした宿根草や果樹の苗を仮植えし野菜畑を兼ねたキッチンガーデンも賑やかとなりました。
今日もこれから雨の予報…
水道施設がなく、資材置き場の屋根から引いた雨水タンクだけが頼りの折原ファームには時々の雨が恵みとなります。
さて、今から3軒ほど小さな植栽や植栽後のチェックにまわってきます!
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/
2007年に手がけたこのお庭とも4年のおつき合いになります。
庭の一角に稲荷社を持つこのお庭には何本かの巨大なご神木もあって、それがあまり大きくなりすぎたためにご近所からいろいろと言われることが多く、以前にも高所作業車で大規模な伐採や枝下ろしをしたことがありましたが、今回もそう…。前回同様、緑化推進の時代に逆行すると憤りながらも、出来るだけ痛くないようにするからと樹に手を合わせながら地上10メートルまでよじ登り、チェーンソーを使いました。落とした枝は大型トラック1台くらいになったでしょうか。
雨やくもりの日にはとてもやる気になれないし、やれない仕事でした。
当然の事ながらわれわれの仕事はとても天候の影響を受けます。
でもね、ここに驚くべきジンクスがあります。
昨年の春以来、わたしがそこそこの植栽作業をしたあと、ほとんどの例外なく24時間以内に雨が降るというものです。
数えてはいませんが、それが20回近く続きました。
植物を植えたあとの水やりはとても大事でなかなか大変な作業なのですが、このジンクスがそれをすごく助けてくれました。なかには冬の植栽の後の雪、というのも有りましたが…
それにしても20回というのはスゴイと思いませんか?
もちろん、中には週間予報による雨の予報に合わせて植栽の工程を組んだこともありますが、大半はまったくの偶然で局地的な雨も多くありました。
わが社(わたしとアシスタントの女性のふたりだけですが)ではこのことを称して、「天に祝福されたしごと」と呼んでいます。
そうした事例が続くと、自分の仕事に自信が持てるし、とても強い勇気が生まれるものです。
そのようにして昨年からほぼ一年間、様々な植栽の仕事をしてきました。
でもさすがにいつかそのジンクスも終わるときがきます。
先日までお仕事をさせて頂いていた川越のお宅の場合、宿根草類の植栽を仕上げて竣工という運びとなりましたが、この時は翌日も良い天気になってしまいました。
これは突然の手術と入院で仕事が大幅に遅れてしまい、わたしが仕上げを急いでしまった為ですが、しかしこの時も翌々日にはちゃんと雨が降ってくれました。
その後も先週末に2箇所で少々無茶な移植をしたときも翌日には大量の雨。
再び気をよくして昨日、この時期としてはかなり大胆な宿根草の移植を行いましたが、夜にはかなりまとまった雨が降ってくれました。
まあ、そろそろ梅雨の前触れですのでこのあたりは詐欺みたいなものですが…
植栽に関する最近の話題でもう一点。
これは、先週末にリメイクした「ダモンネみはらし」(以前のブログをご覧下さい)の、コッツウォルズーストーンによるサークル花壇ですが、この時も植え替えてヘナヘナになったカモミールが翌日の雨で復活しました。
この中央に君臨するのは別のお宅で不要となって処分を依頼された柿の木です 。
この仕事をしていますと新築のお宅でも無い限り、お庭の整備の中で不要となった樹木や宿根草の依頼を受ける事が多くなります。
かといって生き物ですし、特に傷んでいないものも多いですからわれわれも処分してしまうのは心苦しく、お客さまの思いもまた同じです。
ダモンネみはらしのYさんはそんな中、快くいろいろな植物を引き受けてくれました。
柿の木の他にも、はがした芝生や大量に増えすぎてかなりの撤去を余儀なくされたカクトラノオなどもこのガーデンで余生を送っています。
とは言うもののもちろんそれには限度もあり、秩父のわが社でもそのように引き上げた樹木のうち、例えばオリーブやシマトネリコなどの冬越しが出来ないという問題が発生しました。
で、この秩父谷から北側に抜けたところに寄居という町があるのですが、そちらに土地を買い求めてそこに植物を避難させると同時に、資材置き場を兼ねたちょっとしたガーデンを作ろうと思い立ったのが、昨年秋でした。
それが、「折原ファーム」です。
年末から年明けの集中的な作業で、ようやく見栄えが良くなってきました。
昨年の3月、遅い雪の重さで途中から折れてしまい、引き上げてきたオリーブやトキワサンサク。
弱って交換した際に引き上げたシマトネリコ。
先祖返りしてしまい斑入りで無くなった斑入りクリ。
高圧鉄塔の改修のため、植木畑の木々を整理することになった知り合いの植木屋から安く譲って貰ったブルーアイス、アメリカサイカチ・サンバースト、ウラジログミ、シルバープリペット、シラタマミズキ、サルココッカ。
焼却用の穴から救い出したドウダンツツジ。
そのどさくさで安く分けて貰ったフサアカシア、スモークツリー、ベニバスモモのベイリーズセレクトとファスティギアータ、フェイジョア、銅葉の西洋ハシバミなどなどなど…
なかなか個性的な面々が現在そこには集まっています。
不思議なものでして、これもやはり天の配剤なのでしょうか?
その造成作業の最中に数年前にお庭を手がけさせて頂いたお宅からお電話がありました。
ご主人の出張で5年間、ご家族揃ってドイツに行かれるとのこと。
これを機会に現在のお住まいを売却することになったが、綺麗にしたばかりのお庭が勿体ないので、それらの樹木を預かってもらうことはできないだろうか? 5年後に改めて新居を建てたときに、出来ればそれらを使いたいので…
とてもありがたいお話でしたが、少し前のわたしなら保管場所に苦慮して途方に暮れた事だったでしょう。
が、今のわたしには折原ファームがあるではありませんか!
管理に万全を期すというわけにはいきませんので、移植の手間だけを頂いて管理費は無料とし、その代わりもし枯らしたらごめんなさい、という条件で引き受けることにいたしました。
こうしてシャラ、ホンコンエンシス、トウネズミモチ、アベリア・ホープレイズ、ヒペリカム、ローズマリー(移植に弱いので駄目もとで、これも引っ越しました)のほか、クリスマスローズ、ヒューケラ、ホスタ、アスチルベ、タイツリソウ、リシマキア・ヌンムラリアといった宿根草たちも、こうして折原ファームの居候となりました。
昨年の寒さで遅い秋に植えた宿根草の多くが駄目になった折原ファームですが、お預かりした植物たちはすべて元気に冬を乗り切り、春を迎えました。
その他、衝動買いした宿根草や果樹の苗を仮植えし野菜畑を兼ねたキッチンガーデンも賑やかとなりました。
今日もこれから雨の予報…
水道施設がなく、資材置き場の屋根から引いた雨水タンクだけが頼りの折原ファームには時々の雨が恵みとなります。
さて、今から3軒ほど小さな植栽や植栽後のチェックにまわってきます!
よろしければ、ホームページもご覧下さい。
http://www.yui-garden.com/