フォレストサンズ長瀞キャンプ場 事の始め

テーマ:しごと
先日より川越のK様邸のお仕事が始まりました。
昨年7月から打合せを重ねたガーデン・リフォームで、初めてのお子様(しかも双子ちゃん!)のご誕生などもあってこの時期からの施工となりました。着工日が、急きょ決まった奥様の退院とも重なって幸先の良いスタートとなりました。
が、何せ片道1時間45分の長丁場で、またまたブログを書く時間が無くなりそう。

そして、それと同時進行で進めているのが秩父の長瀞にこの夏開業予定の新しいキャンプ場、「フォレストサンズ長瀞」です。
こちらはコンサルタント業務ですが、もとよりご存じの通りセンセイ稼業に徹することが下手な人間ですので、今月から始まる植栽作業ではつい身体が先に動いてしまいそう。
掛け持ちは苦手なので、どこかでしっかり日数を絞って取り組んでいきたいと思っています。

で、そのフォレストサンズ長瀞キャンプ場について…
いや、それ以前にわたしとキャンプ場との関わりについて。

もともと以前在籍した会社でふたつのキャンプ場の開業に関わった経緯がありました。

ひとつが秩父温泉満願の湯に隣接する「満願ビレッジオートキャンプ場」。

満願ビレッジオートキャンプ場

それ以前に務めていた土木会社からの出向先でガーデン工事と同時に最初に取り組んだのが、この自社物件でした。

初めてのキャンプ場。それもトレーラーハウスを中心とした…
戸惑うことばかりでしたが、全体のレイアウト、植栽計画、ルーフデッキとレンガバーベキュー台の施工、さらには管理人の一人として(ガーデン工事の合間に!)キャンプ場の運営、メンテナンスとなかなか貴重な体験をさせてもらいました。

そして4年を経た独立開業の年、ふたつめのキャンプ場が開設。
こちらはテントサイト主体で荒川の河畔の広いキャンプ場でした。
この「ウォーターパーク長瀞」では林間の遊び場を設計、製作しました。

ウォーターパーク長瀞

そして、その会社から独立して5年ぶりに今度は3つ目のキャンプ場の話が舞い込みました。

去年の11月のことでした。
かつての同僚から突然連絡があり、新しいキャンプ場のデザインの相談を受けました。
今回はトレーラーハウスを19棟。ゆったりとしたサイトデザインをして、やや高級感を付与したいとのこと。
最初は椰子の木を多用したトロピカルなコンセプトでしたが、さすがにそれには反対させて頂きました。
夏は黙っていたってお客さんが殺到する秩父ですから、夏の演出は不要だし、秩父にトロピカルはそぐわないと思いました。
むしろ冬の集客を考えるべきで、それなら冬も美しいキャンプ場にしませんか…と。

わたしはさまざまな彩りの針葉樹を使った森を作ってみてはどうかと思いました。
少なくとも針葉樹たちなら秩父の冬の寒さに耐えられるでしょう。また、寒さに触れて彩りを深める針葉樹を幾重にも重ねることが出来れば素敵でしょう。
その森の中にトレーラーハウスを点在させる…

それが通った瞬間にずるずると深みにはまっていく自分の未来が見えた訳です。

そして、次の元同僚の依頼がこれでした。
「滝を作りたいんです。アメリカ北部のヨセミテ国立公園のイメージで…」

ウェブで見ました。
バーナム滝、ネバダ滝、ヨセミテ滝…
無茶でしょ!

でも、彼が山梨で見てきたという擬岩で作った滝はかなり参考になりそうでした。
笛吹川フルーツ公園のアクアアスレチックという施設です。

笛吹川フルーツ公園 アクアアスレチック

滝と滝の裏を巡るトンネルまでがあって、その直下に水遊び場。さらにそこから川が流れ出て、飛び石や橋、様々に文字通りの水のアスレチックが連続していきます。山梨の丘陵の上手く使った演出でした。

で、新しいキャンプ場では3メートルほどの滝を作り、そこからせせらぎを60メートルほど。終点には大きくて浅い池を模した水遊び場作ろうというプランでした。全長で85メートル。その途中にトレーラーハウスのサイトが点在する景色はさぞや見事というほかありません。

が…

いったいどれだけの予算があるというのでしょう。

ともかく、わたしは調査に乗り出しました。
天然の1枚板で3メートルの滝は無理。
かといって岩を組むのは子供連れのお客さんには少し危険。
となれば、山梨のアクアアスレチックと同様に擬岩で山を造り、川を造り、池を造れば良いではないかと考えて、わたしは体調不良の身体にむち打って、12月の寒風吹きすさぶ山梨に向かって走りました。



よろしければ、ホームページもご覧下さい。
 http://www.yui-garden.com/


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向井康治

ガーデン工房 結 -YUI-は、埼玉を起点に植物を中心に据えたガーデンデザインと設計・施工を仕事とする会社です。
ただし、面白い仕事であれば時には利益も距離感覚も忘れ去る脳天気ぶり。
だから、この仕事にはいつも様々な出会いがあります。人、植物、もの、本、言葉、音楽…。

結 -YUI- はネットワークです。
それは多彩な技術や知識を持った人々が持てる力を共有し合うこと。
人と自然界の美とが満を持して出会うこと。

わたしが文芸、農業、インド、土木、外構、アウトドアと巡ってきた先の到達点は、おそらくそれらみんなの要素を遺憾なく結集することのできる、小宇宙 「ガーデン」でした。

ガーデンデザイナーとして、ガーデナーとして、これまでの、そしてこれから先の「出会い」を余すことなくお伝え出来ればと思います。

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