ある先生との出会い
テーマ:ブログ
2011/08/17 10:20
今日は庭の話ではありません。
ある方との出会いで印刷屋としてお手伝いをさせていただいている話です。
今回の震災を16年も前から予見し、警告を発してきた郷土史家、飯沼勇義という先生がおられます。
歴史の空白期間を調べていくうち
「仙台平野は巨大津波の常襲地帯だ」
という結論に到達します。
そしてまとめたのがこの本。

「近い将来仙台平野をまた巨大津波が襲う!
急いで津波対策を!」
との警告を、当時の仙台市長、宮城県知事に陳情書という形にして、16年前に出版されたものです。
震災後県から出された防災計画とそっくりなプランが、この本の中に掲載されています。
すでに16年前飯沼先生が考え、行政に進言していたというわけです。
仙台平野は逃げる高台がない分、三陸よりも被害は甚大と先生が予測した通り、悲惨な状況が現実のものとなってしまいました。
先生は自宅を蒲生に移され、地区の人たちに津波襲来の啓蒙活動をしながら研究を続けておられました。
論文は車に積んでおいたり、内陸部にすむ知人にその多くを預けての覚悟の生活だったそうです。
3.11…ご自宅は流され、避難所から、現在は仮設住宅にお住まいです。
81歳になられた先生は今講演、雑誌、新聞、TV取材に追われながらも、
「あと10冊は本を出さなくてはならないんだ。」

生涯のすべてを研究にかけてきたという先生の強い生き方に、人は各々天命を持ってこの世に送り出されてきたんだと思わずにはおれません。
現在前述の「赤本」は絶版になっているため、再版の準備を進めているというわけです。
興味のある方はこちらまでどうぞ。
書籍問合せのサイト
コメント
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2011/07/31 08:02私は印刷屋に生まれ、インクと紙の匂いに包まれて
ロウ原紙に鉄筆で文字を書く音を聞きながら育ちました。
本にして残すことの必要性は いつの時代も大事です。
先生の本の再版出ましたら 教えてくださいね! -
2011/08/01 22:16に~のさんの社名、表現社さんがずっと気になっていました。文章を書くのもお得意だし、もしかして印刷関連のお仕事もされているのかと思ったりしていましたが、ご実家がそうだったとは!
見事に違うお仕事に転身されたんですね。ご立派です!(^^)!
初版のデータもないということなので、一冊バラして読み込むというハードな方法をとって作る予定です。
何せ、津波で自宅を流された先生なので、うちの会社なりの支援と思ってお引き受けした次第です。 -
2011/08/03 19:51瓦礫の中からアルバムが出てきたり
文集だって出てくるのでしょう・・・・・。
情報は 紙媒体残さないと駄目です。
また 多分直ぐにみんな忘れてしまうので
発信しましょうね!
デジタルデータで残しても
再生の機械や電気がなければ誰も見れません。
誰も情報に触れることは出来ません。
文化は紙媒体でしか伝承出来ません。
ははは~~!!” 堅いコメントになっちゃいましたね~~!!
印刷業界の明日の方向性の話でした~~~!!”
ははは~~~!
-
2011/08/03 21:01まったく同感です。
私も今回の震災で強くそのことを心に刻みました。
避難所の表に手がきで貼りだされているいろいろなお知らせ、避難者名簿…それらをみて、やっぱり紙とペンだ!そう思いました。
私の言いたいことをズバッと言ってくださってとてもうれしいです。
に~のさん、ありがとうございますm(__)m
背中を押していただいたので、懲りずに紙の話をこれからもたま~にさせていただきますね。 -
ふぁん2011/08/21 22:15ちょっと興味あったのでリンクを追ってみました。
そこで、なんとUDを発見!
お役立ちできてうらやましいです。
洗面器ありがと。遅くなりましたがブログにアップしてみました。[Res]ゆり子2011/08/22 08:44ふぁんさん、ありがとうございます。
先日はお世話様でした!
早速ブログ拝見してみますね☆
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