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おたふく

テーマ:みな

こんにちは、みなです。

夫さんの実家から、本を借りてきました。

塩野七生や司馬遼太郎、宮城谷昌光他、時代小説がたくさん並んでいました。読んだことの無い作家の本を~と夫のお父さんにお勧めを聞いたところ、この本を渡されました。

 

おたふく 

山本一力著の『おたふく』です。

内容としては 

棄捐令が出されたことにより、カネの流れが滞り、江戸に不況の嵐が吹き荒れる。

その中、高級食材ばかり取り扱う大店の次男が独立して新しい商売を始める。

というものです。

 

主人公の生まれ育った大店は、庶民の口には入らないような高級食材を厳選して取り扱う店で、取引先は料亭。しかし、棄捐令で打撃を受けた料亭の得意客である札差が料亭を利用しなくなり、大店の商品も料亭に買われなくなる。

それでも大店は、売るあてのない高級食材を買い付ける。理由は「ここで買い控えをしたら、産地が干上がってしまう」

札差の大店でも年に数枚、箱根の寄木細工の盆を買う。その理由も「買う者がいなければ、寄木細工の技術が廃れてしまう」

料亭も「料理人を手放してしまったら、再び同じ腕の料理人を雇うことは出来ない」と、暇を出すことなく踏ん張ったという。

主人公の考案した仕出し弁当商売や、最後まで潔いほどの悪人たちや、男気溢れる火消したちも勿論良いのですが、お金持ちにはお金持ちにしか出来ない経済の回し方があるんだなって思いました。

悪人は成敗され、弁当商売は軌道に乗り、役人と札差は手を取り合って、大団円。となりますが、少しだけ解決が急だったのが残念で。

大店の主と次男の喧嘩別れから、どうやって仲直りしたのか、ちょっと詳しく見たかった気もします。

寝る前の読書で3日くらいで読み終わったので、気が乗るまでは遅かったですが、乗ったら早い本でした。 

 

 

 

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