夜光虫&無人島ツアー(夜光虫)2009年8月
テーマ:浦戸諸島
2013/07/29 18:35
震災の2年前の夏、浦戸諸島桂島で、クネムレクリエーションの「夜光虫&無人島ツアー」に参加したので、その時の様子を記しておく。
カヤックに乗る前に、まずは陸上でパドルの扱い方や、カヤックへの乗り方、降り方の講習会。
講習会のあとは早速カヤックに乗りこんで、シーカヤックハウスの前で練習。後に見えているのは陰田島。
一日目の練習は終わって静かな海。。。
夕食は、シーカヤックハウスの前で、バーベキュー。
(シーカヤックハウスも、シーカヤックも津波で全て流されてしまったらしく、今はそこにはなにも残っていない。。。。)
その日のことについて書いたものがあったので、長文だけれど、貼り付けておく。
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夕食後、使った食器類は小中学生のキャンプのように、各自洗ってザルの上に置くところまでのセルフサービスで、なんとなく合宿気分を味わった。
休憩後、ツアーの参加者5組9名とガイド2名、計6艇の二人乗りシーカヤックは、夜の石浜水道に漕ぎ出した。追突防止などのためシーカヤックの前席のクルーはライフジャケットの前にランプをつけ、後部座席の舵取りをするキャプテンは帽子かライフジャケットの背に点滅する赤ランプを着けていた。
漕ぎ出してすぐに、「あ、光った」という声が聞こえた。パドルで水をかくときに光ったらしい。注意して見るが、しばらくは分からなかった。海水を手でかき回してみると、小さくキラリと光るのが見えたが、こんなものなのかと、少しがっかり。
向かいの島に近づいたときに、岸よりのほうが多く見えるよとガイドのTさんが教えてくれた。岸に近寄ってパドルで水を弾いてみると、前よりも光の数が増えた。ほかのメンバーからも歓声があがった。
西空低くに打ち上げ花火が見えたり、松島海岸のホテルの明かりを示され、そこまで7kmあると教えられたりしながら、さらに漕ぎ進んで行った。三日月はすでに沈んでいたが、雲の隙間から北斗七星が見えたりしていた。雲が多くて仙台や松島の街の明かりの影響で空は少し明るかった。
漁港を右手に見てさらに進むと、岩肌に大きな穴があるのが見えた。そこをカヤックで通って島の北側に抜けるということで、そこの夜光虫が綺麗だとTさんが教えてくれた。
岩肌の大きな穴は、天然のアーチになっていた。1艇だけ通れる広さなので、順番にあまり時間をかけないで通らないといけなかった。
曇り空は遠くの町の明かりで少し明るく、アーチを通る時は空の明るさが遮られて海水が漆黒に変わった。パドルで水をかくと、光の粒が生まれた。手で海水をバシャバシャ弾くと、いままで見たより多くの光の粒が現れてすぐに消えた。
アーチを抜けると、周囲には人工の光はほとんど見えなかった。それでも、少しだけ明るい曇り空を背景に松島特有の松の木の小島の黒い影が四方に重なっていた。
島影が空のぼんやりした明るさをさえぎって島の近くの海面は真っ黒に見えた。その海面を手で弾くと、アーチのときと同じような沢山の光の粒が手にまとわりついた。
夜光虫を見るのに少し飽きたこともあったのか、たわいもないことを話しながら静かな真っ暗な海面を進んでいった。
島と岩の間の、Tさんが海峡と称しているところを通ると、前に通り抜けたアーチのところに戻った。半島のようなところを一周したことになるのだろう。その近くの洞窟に入るのだと言った。「狭い洞窟で、行き止まりになっており、1艇しか入れない。出るときはバックで出ること。閉所恐怖症の人は避けたほうがいい」と言われた。
最初に入って行った人たちの歓声が聞こえた。「何、これ~!すっごぉぉい!!」
ぼくたちの順番になったので、恐る恐る狭い洞窟に向かった。中に進むとパドルが岩壁にぶつかるし、気をつけないと頭も岩にあたりそうだったので、パドルは使わないで手で漕いだり、岩壁をつかんだりして進んだ。
前方を覗き見ると、行き止まりの岩壁と小さな砂浜が見えたので、前の席のツレにランプを消すように言った。真っ暗闇で何も見えなくなった。本当の暗闇を体験したのは久しぶりのような気がした。手で海水をバシャバシャ弾くと、手のまわりに無数の小さな光の粒が出来てキラキラ輝いた。これまで見たものとは比べ物にならない多さと明るさだった。水しぶきが落ちたところも筋状に光って、思わず「凄い!」と叫んだ。
今思えば、もう少しいろいろ試したかったのだが、次の艇に待たせるのは悪いと思って短時間で切り上げた。ツレも、狭いところに居たくなかったのか、異論を唱えなかった。
後でツレに洞窟の夜光虫の感想を聞くと、綺麗だったけれど、とにかく早く出たかったということだった。両手で海水を弾くと、手のまわりが光り輝くだけでなく、前方に飛ばした海水が海面に落ちたときに光の筋が走って、とても綺麗だったと言っていた。同じものを見ていたものと思っていたらしいが、ぼくはカヤックの左右の手のまわりの輝きを見ていただけだった。
洞窟を出た後は帰るだけ。途中で夜釣りの船から「気をつけて帰らいん」と声をかけられた。何に気をつけるの、と聞いた人がいて、「サメに食われないように」との返事があった。もっとも、このあたりではサメはあまり見かけないらしいので、からかわれただけのようだったが。
カヤックハウスに帰ってからは、Tさんのおすすめの、海中での夜光虫観察に何人かが挑戦。カヤックからは夜光虫をあまり見かけなかったところなので、見えるかどうか疑問だったが、最初にシュノーケルをつけて入った人が、「おっ、見える、見える」と言ったので、ボクも試してみることにした。
海の水は少し冷たかった。マスクをつけて海中を見るが、何も見えなかった。場所を移動して手で海水をかき混ぜてみると、目の前にいくつかの小さな光の粒が見えた。これなのかと思って、手の動きを少し早くすると、少し多くの光の粒が海中に見えて、すぐに消えた。カヤックから見たときとは違い、水の中に光の粒を3次元的にばら撒いた感じといえばいいのだろうか。数が少ないのが少し不満だったが、これが多ければ感動ものだろうと想像できた。
-----------------------------------------------(end)
カヤックに乗る前に、まずは陸上でパドルの扱い方や、カヤックへの乗り方、降り方の講習会。
講習会のあとは早速カヤックに乗りこんで、シーカヤックハウスの前で練習。後に見えているのは陰田島。
一日目の練習は終わって静かな海。。。
夕食は、シーカヤックハウスの前で、バーベキュー。
(シーカヤックハウスも、シーカヤックも津波で全て流されてしまったらしく、今はそこにはなにも残っていない。。。。)
その日のことについて書いたものがあったので、長文だけれど、貼り付けておく。
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夕食後、使った食器類は小中学生のキャンプのように、各自洗ってザルの上に置くところまでのセルフサービスで、なんとなく合宿気分を味わった。
休憩後、ツアーの参加者5組9名とガイド2名、計6艇の二人乗りシーカヤックは、夜の石浜水道に漕ぎ出した。追突防止などのためシーカヤックの前席のクルーはライフジャケットの前にランプをつけ、後部座席の舵取りをするキャプテンは帽子かライフジャケットの背に点滅する赤ランプを着けていた。
漕ぎ出してすぐに、「あ、光った」という声が聞こえた。パドルで水をかくときに光ったらしい。注意して見るが、しばらくは分からなかった。海水を手でかき回してみると、小さくキラリと光るのが見えたが、こんなものなのかと、少しがっかり。
向かいの島に近づいたときに、岸よりのほうが多く見えるよとガイドのTさんが教えてくれた。岸に近寄ってパドルで水を弾いてみると、前よりも光の数が増えた。ほかのメンバーからも歓声があがった。
西空低くに打ち上げ花火が見えたり、松島海岸のホテルの明かりを示され、そこまで7kmあると教えられたりしながら、さらに漕ぎ進んで行った。三日月はすでに沈んでいたが、雲の隙間から北斗七星が見えたりしていた。雲が多くて仙台や松島の街の明かりの影響で空は少し明るかった。
漁港を右手に見てさらに進むと、岩肌に大きな穴があるのが見えた。そこをカヤックで通って島の北側に抜けるということで、そこの夜光虫が綺麗だとTさんが教えてくれた。
岩肌の大きな穴は、天然のアーチになっていた。1艇だけ通れる広さなので、順番にあまり時間をかけないで通らないといけなかった。
曇り空は遠くの町の明かりで少し明るく、アーチを通る時は空の明るさが遮られて海水が漆黒に変わった。パドルで水をかくと、光の粒が生まれた。手で海水をバシャバシャ弾くと、いままで見たより多くの光の粒が現れてすぐに消えた。
アーチを抜けると、周囲には人工の光はほとんど見えなかった。それでも、少しだけ明るい曇り空を背景に松島特有の松の木の小島の黒い影が四方に重なっていた。
島影が空のぼんやりした明るさをさえぎって島の近くの海面は真っ黒に見えた。その海面を手で弾くと、アーチのときと同じような沢山の光の粒が手にまとわりついた。
夜光虫を見るのに少し飽きたこともあったのか、たわいもないことを話しながら静かな真っ暗な海面を進んでいった。
島と岩の間の、Tさんが海峡と称しているところを通ると、前に通り抜けたアーチのところに戻った。半島のようなところを一周したことになるのだろう。その近くの洞窟に入るのだと言った。「狭い洞窟で、行き止まりになっており、1艇しか入れない。出るときはバックで出ること。閉所恐怖症の人は避けたほうがいい」と言われた。
最初に入って行った人たちの歓声が聞こえた。「何、これ~!すっごぉぉい!!」
ぼくたちの順番になったので、恐る恐る狭い洞窟に向かった。中に進むとパドルが岩壁にぶつかるし、気をつけないと頭も岩にあたりそうだったので、パドルは使わないで手で漕いだり、岩壁をつかんだりして進んだ。
前方を覗き見ると、行き止まりの岩壁と小さな砂浜が見えたので、前の席のツレにランプを消すように言った。真っ暗闇で何も見えなくなった。本当の暗闇を体験したのは久しぶりのような気がした。手で海水をバシャバシャ弾くと、手のまわりに無数の小さな光の粒が出来てキラキラ輝いた。これまで見たものとは比べ物にならない多さと明るさだった。水しぶきが落ちたところも筋状に光って、思わず「凄い!」と叫んだ。
今思えば、もう少しいろいろ試したかったのだが、次の艇に待たせるのは悪いと思って短時間で切り上げた。ツレも、狭いところに居たくなかったのか、異論を唱えなかった。
後でツレに洞窟の夜光虫の感想を聞くと、綺麗だったけれど、とにかく早く出たかったということだった。両手で海水を弾くと、手のまわりが光り輝くだけでなく、前方に飛ばした海水が海面に落ちたときに光の筋が走って、とても綺麗だったと言っていた。同じものを見ていたものと思っていたらしいが、ぼくはカヤックの左右の手のまわりの輝きを見ていただけだった。
洞窟を出た後は帰るだけ。途中で夜釣りの船から「気をつけて帰らいん」と声をかけられた。何に気をつけるの、と聞いた人がいて、「サメに食われないように」との返事があった。もっとも、このあたりではサメはあまり見かけないらしいので、からかわれただけのようだったが。
カヤックハウスに帰ってからは、Tさんのおすすめの、海中での夜光虫観察に何人かが挑戦。カヤックからは夜光虫をあまり見かけなかったところなので、見えるかどうか疑問だったが、最初にシュノーケルをつけて入った人が、「おっ、見える、見える」と言ったので、ボクも試してみることにした。
海の水は少し冷たかった。マスクをつけて海中を見るが、何も見えなかった。場所を移動して手で海水をかき混ぜてみると、目の前にいくつかの小さな光の粒が見えた。これなのかと思って、手の動きを少し早くすると、少し多くの光の粒が海中に見えて、すぐに消えた。カヤックから見たときとは違い、水の中に光の粒を3次元的にばら撒いた感じといえばいいのだろうか。数が少ないのが少し不満だったが、これが多ければ感動ものだろうと想像できた。
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