建築家山下保博「土の家」の評判と未来への思い

テーマ:山下保博|土の家

ドリームハウスの反響



施主が建築家、山下保博さんの大ファンで「度肝を抜かれるような外観で、芸術作品のような家に住みたい」と山下保博さんにお願いして造ってもらった土の家が「ドリームハウス」という番組で取り上げられ反響を呼んでいるようです。

土プロジェクトの構想



それはどのように造られ、どのようなものになったのでしょうか。酸化マグネシウムを混ぜた土をブロックの形にして日干ししたレンガを2400個も手作りするところから始まりました。そして57坪の土地に勾玉型の基礎を造り、そこにレンガを積んでいくのです。約2ヶ月半をかけて27段のレンガが積み終わりました。窓はないのですが代わりにガラスブロックを使って光が入るように施されています。そして大工さんによって4mもの鉄骨の棟木に36本の垂木がかけられました。キッチンや床は昔ながらの人研ぎという研ぎ出しの技術を使って仕上げられました。個性的で、機能的なキッチンで収納場所もたくさん造り施主の希望通りのキッチンができました。バスルームは80本もの細長い板と大きな丸い板で作られた空間にあります。バスルームの上にはロフトを造り寝室となっています。ロフトの周りにはアクリルの棒を並べて柵を作っていて、ロフトからは家全体が見渡せます。

今ではなく将来をみている山下保博氏



最近は鉄筋コンクリートでできたマンションが立ち並んでいます。遮音性や断熱性に優れていますが、庭もなく人工的に作られた素材のマンションで育った子供たちは土や石などの自然と触れ合う機会が少なくなってきています。木でできた家は自然の素材で造ったものです。そして畳も自然素材なので水分を吸収したり、乾燥している時には水分を出してくれるなど、自然の変化に柔軟です。山下保博さんは、それと同じように自然素材である土をプロジェクトのテーマにし家を造ったのです。それがドリームハウス「土の家」なのです。生きた自然の素材でできた土の家ならアレルギーの心配もなく、ぬくもりがあります。次に家を建てるなら土を素材にするというのが新鮮味のある着眼点であると言えます。

世界的評価



建築家山下保博氏の受賞歴を見ていると、海外からの評価がより高いことが分かります。海外は、誰も手掛けなかったものへチャレンジする姿勢を評価するという傾向があります。新しい取り組み、文化の促進、技術の発展に寄与した人には惜しみない賛辞を送り、謙虚に尊敬します。

しかし、残念なことに、日本はその逆で、何か新しいものに対して抵抗感が強く、受け入れない部分があります。よって、日本全体の活力が損なわれ、より活躍できる場所を求めて、優秀な人材が次々と海外に流出してしまうのは残念で仕方ありません。既得権や規制によって、天才的な能力が伸びるのを時として妨げられてしまうのは残念でありません。

新技術や新しい発想、未来を予測した取り組みやチャレンジ精神に対して、敬意を払いつつ、今の自分が何ができるのか?ということを考える時にきているのだと考えさせられました。

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