北海道へ
ヤスヒトです。
今年の1月に
新潟大学の中野教授と、厳寒の北海道へプラントの視察に行ってきました。
この日の気温は、マイナス15度くらい。夕方だったので、気温はどんどん下がり、夜にはマイナス25度まで下がりました。そのまま足が凍りついてしまいそうな寒さで、足踏みをしていないととても立ってはいられません。
プラントのメンテナンスを行っている地元の方が、「この寒さだから、真冬には糞尿はあっという間に凍ってしまう。他の施設ではそれをボイラーで溶かして処理するが、ここは発酵熱を利用して糞尿が凍りつかないように出来る。そんな施設はここだけだよ。」と誇らしげに話して下さいました。
この牧場では250頭余りを飼育していて、
1日の糞尿はなんと12t!
発酵熱で溶かされた糞尿が固形分と水分に分けられ、固形分は堆肥舎へ運ばれます。
水分は3連の発酵塔でおよそ3日間、微生物の力で発酵処理され、もうもうと湯気を上げながら最終プールに溜まって行きます。
1頭当たり約60kgにもなる乳牛の糞尿は85%以上の水分を含みます。
通常そのままでは発酵しないため、木屑やワラ、おがくずなどで水分調整をしないと堆肥化できませんが、この施設では、そのままの糞尿から一気に処理ができます。
そのため、水分を調整する資材を追加することなく、極めて自然に近い状態で発酵処理できます。
しかも、60度以上の発酵により、草の種子や細菌類は死滅してしまい、最終プールに出てくる液肥はこの段階で匂いもかなり軽減されます。
この無希釈連続発酵技術がこの施設の特許技術です。
地元の人が「うしの糞尿の匂いは刺さる」と言うほど、プラントを通す前の匂いは強烈です。
帰りには近くの共同温泉で風呂に入ってから電車に乗りました。
新潟大学農学部へ
ヤスヒトです。
食育の仕事柄、大学の先生と会うことが何度かあり、
そのつど発酵液の話をすると、いつもいい話をいただきました。
「面白いね。自然のものだからぜひ使ったほうがいいよ。」とか、
「そんなに少ない量でいいの!?すぐにでも、商品化したらいいんじゃない!」とか。
中には、「有機JAS取得のために有機農業へ移行する農家にとっては、3年間の移行期の土壌改良と生育のために使うといいなあ〜。学生に調べさせよう!」と言ってくださった先生もいました。
その都度、大喜びし、研究への期待をしていましたが、
その後まったく連絡もなく・・・を繰り返し、
ある時は、張り切って約束の時間に大学に行くと、いない。なんていうこともありました。
昨年の2010年は、猛暑の影響で新潟県の米の品質が過去最低を記録しました。
そんな中、「うしと花」の発酵液を使っている農家の小林さんの米が、1等米で非常に出来が良かったことがきっかけとなり、新潟IPC財団を通して研究費に新潟市の「産学連携トライアル補助金」が使える。ということになりました。
刈り取った小林さんの稲
さっそく大学で研究を引き受けていただけるかどうかを打診するためにIPC財団の百合岡さんと、新潟大学農学部大学院の中野教授を訪ねました。
中野教授は、発酵液を見ながら匂いを嗅いだり勢い良く振ったりしながら「匂いがしないね、有機物が入っているならもっと泡が出てもいいんだが・・」と興味を持っていただき、研究を引き受けていただくことが内定しました。
補助金の申請・契約の手続きは、百合岡さんと新潟市の担当の方が、とても丁寧に教えて下さいました。
こうして去年12月から、新潟大学農学部大学院での研究が始まりました。
中野教授は、農業工学が専門なので、糞尿処理プラントにも非常に興味をもってくださり、
1月には、北海道のプラントへ視察に行きました。
発酵液の分析では、通常の堆肥や液肥よりも窒素、リン、カリウムがかなり低いことがわかりました。
それにもかかわらず、生育実験では、葉の葉緑素がとても多くなることもわかりました。
このことから肥料成分の他に、植物の成長に関わるものが含まれている可能性が出てきました。
新潟市の支援
ヤスヒトです。
発酵液を農家の小林さんに使っていただきながら、
私も花の生育比較を繰り返していく中で、植物への効果を実感していました。
一般の方にも使っていただければ、良さをわかっていただける。と、商品の名前やラベルのデザインを考え始めました。
ただ、これまでにない液肥の発酵液が、園芸をされている方にどのくらい受け入れてもらえるのか、どのようにPRしたらいのか、不安でいっぱいでした。
昨年7月、新潟市役所産業政策課が中小企業の応援をするための
(財)新潟インダストリアルプロモーションセンター(新潟IPC財団)が新潟市内にオープンしました。
無料相談もあると聞き、妻と二人で出かけました。
その時は、パソコンで作った手作りラベルを持参しました。
この時は、こんな商品名でした
(ラベルの絵は妻の絵の教室「絵描き場」に通う高校生の生徒さんの作品です)
相談にのっていただいたマネージャーの百合岡さんは、
堰を切ったように話す私達の想いや、それまでの経緯を聞いて、
丁寧で的確なアドバイスをして下さいました。
百合岡さんは神戸の人で、元は民間の企業コンサルタントだったそうです。
新潟市がセンターを開設するに伴い、新潟の企業や産品を応援したい。という気持ちで新潟に来られたそうです。
いつも関西弁で、ユーモアをまじえながら、でもじっくりと親身になって話をしてくださいます。
百合岡さんから、昨年9月に日刊工業新聞へご紹介いただき、取材を受けて全国版へ掲載されました。
更に今年の2月、BSN新潟放送の新潟市の広報番組「さわやか新潟」で、新潟IPC財団が取り上げられたことで、発酵液も紹介していただきました。
テレビに出るのは始めてで、ドキドキして、何を話したのか覚えていませんが、新潟IPC財団との経緯や感謝の気持ちを話せたらしく、みなさんとても喜んでくださいました。よかった〜
ちょっと一息
パプリカ
ヤスヒトです。
皆さんのコメントで元気が出ます。
パプリカのこれまでを書いてみますので、ご覧ください。
4月21日
これはイータリー代官山で販売していただく「MOO&PLANT」のポップ用に我が家の玄関先で撮った写真です。手前はイタリアンレタス、奥にパプリカの苗です。
5月20日
プランターに定植しました。玄関は、西側で午前中に大陽が当たりにくいので、苗のうちは東向きの庭に置きました。
パプリカの栽培は初めてなので、ネットで栽培方法を調べて植えました。「うしと花」を使うのは左のプランターで手前のふちにTESTと書きました。肥料は定植の時に配合肥料を土に混ぜてあります。
「うしと花」は1リ ットルにキャップ1杯を水で薄めて週に2回使います。写真のボトルは250ml入なので薄めた液は25〜50リットル作れます。
薄めた液だけで水やりに使うと、たくさん使うので、先に水やりをしてから薄めた液を仕上げにかけてあげる。という感じです。
パプリカのプランターへは、1回にジョロで500mlから700mlくらいをあげました。
6月10日
日が長くなり 玄関へ。左が「うしと花」を使っているパプリカです。
叔父の話では、
「うしと花」の特徴の一つがこの時期に顕著に出ます。
根を張ることに時間をかけているようで、背が伸びません。
一見すると成長が遅いように見えますが、葉の分けつが密になっています。
この後、緑が濃くなり、葉の艶が出てきます。
6月26日
最初の花が咲き、実がついています。
梅雨時で、夜になるとナメクジが葉っぱを食べていました。
見つけるとピンセットでつまんで捨てるのですがだんだん大きくなってきたので、ナメクジ駆除の根元においておくタイプの薬を買ってきて使いました。
7月7日
ネットで調べたら、枝は3本立てにする。と書いてあったので四苦八苦しながら慣れない選定をしました。
気がついたら葉っぱをずいぶん取ってしまいスカスカ状態
大丈夫だろうか?と心配です。
7月23日
右のプランターは、全体にしおれて、特に一番奥の苗が弱々しく、枯れるのではないかと心配しました。比較とはいえ、かわいそうになって、ここで「うしと花」を2回ほどあげました。なんとか持ち直してくれました。よかったです。
左の「うしと花」を使っているパプリカは、茎も太くなり、見る見るうちに背が高くなって元気です。肥料や水やりは全く同じ条件です。
左が「うしと花」をしっかり使っているパプリカ。
切ってみました。
左のほうが、肉厚で甘みがあって、みずみずしく美味しかったです。
8月8日
左の「うしと花」をしっかり使っているパプリカは、緑が濃く背が高くなってきました。
右の方も 2回ほど使っただけですが、緑が濃くなりました。
8月9日
初めての野菜作りで、不慣れなところもありましたが、元気に実が成って収穫することが楽しいです。
新潟大学では、昨年から「うしと花」で生育実験をしています。
「うしと花」を使うと葉緑素が10ポイントくらい高くなる。という報告がきています。
大学が依頼した、新潟県の分析センターの結果では、窒素、リン酸、カリなどの肥料成分が少なく、通常の10分の1程度という結果でした。緑が濃いのは窒素などの肥料成分の影響ではないようです。