新潟大学の研究成果報告書
平成22年12月、
新潟市の「平成22年度産学連携トライアル補助金」の適用を受けて新潟大学大学院で「うしと花」の評価研究が始まりました。
そして平成23年12月、研究成果報告書が提出されました。
この研究では、北海道の牧場の視察、二十数項目にわたる「うしと花」の成分分析、野菜や観葉植物への施用効果を確かめました。
携わっていただいた教授は、研究中に「うしと花には、植物に効果的な何かがある」と十分な手応えと可能性を感じたそうです。
植物の生育条件を整えるために期間を延長しましたが、その際の費用を先生ご自身の研究費から出して下さいました。
「うしと花」を大学で評価して欲しい。という思いは、初めて「うしと花」に出会った時から考えていました。
ただ、新潟大学での研究にこぎつけるには、研究するに値するなにかが必要でした。
そのきっかけとなったのが、農家の小林さんが試験施用してくれた米の生育結果でした。
以前ブログにも書きましたが、新潟の1等米比率が19%という過去最低の2010年に、隣接する田んぼの米が軒並み2等米になる中「うしと花」を施用した田んぼの米だけが1等米となり、美味しさが向上したことでした。
うしと花は、
3年以上発酵熟成していますので、
チッソ・リン・カリの成分は、ほとんどなく、
濃いめや多めに使ってもいいところが特徴です。
濃いめに使うと効果が出やすく、
そのまま原液をあげると、土がふかふかになります。
新潟大学農学部へ
ヤスヒトです。
食育の仕事柄、大学の先生と会うことが何度かあり、
そのつど発酵液の話をすると、いつもいい話をいただきました。
「面白いね。自然のものだからぜひ使ったほうがいいよ。」とか、
「そんなに少ない量でいいの!?すぐにでも、商品化したらいいんじゃない!」とか。
中には、「有機JAS取得のために有機農業へ移行する農家にとっては、3年間の移行期の土壌改良と生育のために使うといいなあ〜。学生に調べさせよう!」と言ってくださった先生もいました。
その都度、大喜びし、研究への期待をしていましたが、
その後まったく連絡もなく・・・を繰り返し、
ある時は、張り切って約束の時間に大学に行くと、いない。なんていうこともありました。
昨年の2010年は、猛暑の影響で新潟県の米の品質が過去最低を記録しました。
そんな中、「うしと花」の発酵液を使っている農家の小林さんの米が、1等米で非常に出来が良かったことがきっかけとなり、新潟IPC財団を通して研究費に新潟市の「産学連携トライアル補助金」が使える。ということになりました。
刈り取った小林さんの稲
さっそく大学で研究を引き受けていただけるかどうかを打診するためにIPC財団の百合岡さんと、新潟大学農学部大学院の中野教授を訪ねました。
中野教授は、発酵液を見ながら匂いを嗅いだり勢い良く振ったりしながら「匂いがしないね、有機物が入っているならもっと泡が出てもいいんだが・・」と興味を持っていただき、研究を引き受けていただくことが内定しました。
補助金の申請・契約の手続きは、百合岡さんと新潟市の担当の方が、とても丁寧に教えて下さいました。
こうして去年12月から、新潟大学農学部大学院での研究が始まりました。
中野教授は、農業工学が専門なので、糞尿処理プラントにも非常に興味をもってくださり、
1月には、北海道のプラントへ視察に行きました。
発酵液の分析では、通常の堆肥や液肥よりも窒素、リン、カリウムがかなり低いことがわかりました。
それにもかかわらず、生育実験では、葉の葉緑素がとても多くなることもわかりました。
このことから肥料成分の他に、植物の成長に関わるものが含まれている可能性が出てきました。
新潟市の支援
ヤスヒトです。
発酵液を農家の小林さんに使っていただきながら、
私も花の生育比較を繰り返していく中で、植物への効果を実感していました。
一般の方にも使っていただければ、良さをわかっていただける。と、商品の名前やラベルのデザインを考え始めました。
ただ、これまでにない液肥の発酵液が、園芸をされている方にどのくらい受け入れてもらえるのか、どのようにPRしたらいのか、不安でいっぱいでした。
昨年7月、新潟市役所産業政策課が中小企業の応援をするための
(財)新潟インダストリアルプロモーションセンター(新潟IPC財団)が新潟市内にオープンしました。
無料相談もあると聞き、妻と二人で出かけました。
その時は、パソコンで作った手作りラベルを持参しました。
この時は、こんな商品名でした
(ラベルの絵は妻の絵の教室「絵描き場」に通う高校生の生徒さんの作品です)
相談にのっていただいたマネージャーの百合岡さんは、
堰を切ったように話す私達の想いや、それまでの経緯を聞いて、
丁寧で的確なアドバイスをして下さいました。
百合岡さんは神戸の人で、元は民間の企業コンサルタントだったそうです。
新潟市がセンターを開設するに伴い、新潟の企業や産品を応援したい。という気持ちで新潟に来られたそうです。
いつも関西弁で、ユーモアをまじえながら、でもじっくりと親身になって話をしてくださいます。
百合岡さんから、昨年9月に日刊工業新聞へご紹介いただき、取材を受けて全国版へ掲載されました。
更に今年の2月、BSN新潟放送の新潟市の広報番組「さわやか新潟」で、新潟IPC財団が取り上げられたことで、発酵液も紹介していただきました。
テレビに出るのは始めてで、ドキドキして、何を話したのか覚えていませんが、新潟IPC財団との経緯や感謝の気持ちを話せたらしく、みなさんとても喜んでくださいました。よかった〜