田渕義雄氏について
皆さん、田渕義雄という人物を御存知でしょうか?
信州の山里で暮らし、自給自足的菜園生活を営み、薪ストーブの愛好家であり、優れた木工家具の製作者でもあり、また、フライフィッシングの達人・・・といろんな顔を持つ自然派作家の代表的な存在。
私がこの人を知るようになったのは、NHK「趣味の園芸」テキストの2006年4月号から連載が始まった”森暮らしの庭”を、毎月読むようになってからのことでした。
以来、その森暮らしの一コマを切りとった美しい写真やスマートでクール(かっこいい)な文章で綴られた(私の生活圏とはかけ離れた)寒山の庭でのライフワークに魅了され、いつしか「趣味の園芸」は、この連載だけを読むようになっていた。そして、2008年3月号の第24回の最終回を迎えていこう「趣味の園芸」も買わなくなってしまった。
それから随分経った昨年の秋頃。
何がきっかけだったか忘れたが、急にこの連載(”森暮らしの庭”)を読み返し、さらにもう一度読み返し、その田渕ワールドに引き込まれていきました。
その後は、このクールな作家の著書が無性に気になり、その代表作ともいえる「森暮らしの家~全スタイル~」を読んでみました。
NHK「趣味の園芸」連載の”森暮らしの庭”と重複するような内容が多かったにもかかわらず、こだわりの自然生活の様子やとても印象に残る明確な思想にますます引き込まれるようになった。
その「家と庭」に対する、哲学的ともいうべき思想が深く心に響く。
造園業を始めたばかりの自分にとって、それは今後自分が進んでいくべき方向性を気づかせてくれるようなものであった。
この”庭ブロ”に参加させてもらおうと思えたのも、田渕義雄氏の影響で、現代の家と庭を取り巻く環境や関わり方に、漠然とした疑問のようなものを持ち続けている自分にとって、これらを全国の多くの庭を愛する皆さんに、問いかけてみることで、体系化され、あるスタイルを構築していけるのではないかと考えたからです。
今後、この田渕義雄氏の言葉をかりたり、現代の「家や庭」にとって、“何か足りない”、”忘れられた感覚”など、思いつく限りを全国の皆さんに投げかけて”これからの庭”について一緒に考えていきたいと願っています。
メッセージやコメントお待ちしています。よろしくお願いします。