家族とともに航海していくための船のようなもの。
そんな家と庭は、もっと愛され、”こだわり”を持つことで、
日々生まれ変わって存在し、進化し続けるもの・・・・・
庭木の病害虫防除 其の2
昨年にも同じタイトルで投稿しましたが
その第2弾として!
「使用薬剤についての話」が今回のテーマです。
今年も我が家の窓辺のつるバラ「アンジェラ」が
開花の時期を迎えようとしていますが、今回ある
実験のため少し犠牲になってもらいました。
ついでに、こいつにも
写真に写っているのは、レモンの苗木。
アゲハ蝶の幼虫がみえます。
アンジェラに群がるアブラムシの様子。
今回の実験というのは使用薬剤のテストで、
アンジェラには、春の伸長とともに、アブラムシが
つき始めていました。早い段階で駆除してしまおう
と思えば出来たことなのですが、かなり放っておき
やや、大量発生の手前まで・・・
また、レモンの苗木にも同様に、アゲハ蝶の幼虫の
食害に少し我慢してもらい・・・
条件が整ったところで、散布実験を開始!
今回試しているのは、「ニーム」が主原料の
天然植物資材で、いわゆる忌避剤というもの。
「ニーム」をご存じない方のために簡単に説明を
ニームとは、インド・バングラデシュ等が原産の樹木で
和名を「インドセンダン」といいます。
(ニームとはその英名のこと)
インドでは別名「村の薬局」と呼ばれ、薬の代わりとして
多くの症状の緩和に昔から利用されていたということ。
その木の実を搾りとったオイルのことを「ニームオイル」
と呼び、この中に含まれる有効成分の
「アザディラクチン」が、害虫にもよく効くと言われている。
その効果・効能の特徴は
① その芳香成分で害虫を寄せ付けず、退去作用や
拒食作用も発揮する
② 害虫の卵の孵化を抑制し、脱皮阻害効果を有し
その個体数を減少させる
③肉食性昆虫やミミズなどの土中有益動物あるいは、
脊椎動物に対しては、毒性を示さない。
④一般的な殺虫剤などの農薬に比べ、化学構造が
複雑なため、容易に耐性がつかない
といったもので、東南アジア諸国などでは、国連の
WHOが、安全な植物性資材としてその使用を
推奨しているとのこと・・・
以上、我々のように日頃から害虫の防除作業を
行っているような者にとっては、夢のような資材
でありますが・・・
これだけで害虫被害の問題をすべて解決して
くれるものではないはず・・・
(健康被害をもたらす化学農薬が、すでに世の中
から姿を消しているはず)
今回の実験は、こうした優れた効果を持つ資材の
特性・効力を自分なりに理解し、病害虫防除対策に
使いこなしていこうとするためのものです。
話を戻しますが、今回主に試してみたかった
ポイントは、次の2点です。
①やや大量発生気味となった、アブラムシたちに
どのような効果を発揮してくれるのか?
(ニームは、アブラムシにはとてもよく効くということ)
②草食系昆虫で完全変態するアゲハ蝶の幼虫が
本当に脱皮できないのか、またどうになるのか?
を確認すること
このような人や自然環境に安全・安心な資材を
使っての病害虫防除の背景には、当然お客様の
化学農薬に対する不満や不安がある。
「庭に放した愛犬が、農薬のかかった植物を
口にしてしまわないか心配・・・」
「家庭菜園の野菜に農薬がかからないか・・・」
等など他にもたくさんあります。
我々も農薬散布を繰り返しているうちに、
体調を崩すといったことも現実ある・・・
出来るだけ安全で安心して使える資材で
病害虫を防除していくというのは、
ますます、必要不可欠なことになると思う。
そのためにも、
今後病害虫の発生とその防除に対し
如何にこの資材を有効に生かせるのか。
まだまだ、
いろんな状況での散布とその経過観察と
検証など続けていこうと思っています。
(尚、今回の実験の経過及び結果は後日)
コメント
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2011/05/10 21:40ニームオイルは薔薇好きで農薬を使いたくない人にとっては必須アイテムですが、予防に使う場合が多いような気がします。
アブラムシが発生する以前に定期的に(人によってまちまちですが)散布してコーティングするようなイメージを持っています。
[Res]スキットマン2011/05/11 12:40Rui様へ
コメントいただき有難うございます。
おしゃるように、病害虫対策の基本は、発生の前かその初期段階で押さえることが重要であることは定石ですが、発生後の散布にどれだけの効果を示すのかということも、私にとってはとても重要なことでして(もちろんお客様のためにですが・・・)
今回のこの実験の経過については、後日一定の時期を経たのち必ず投稿させていただこうと考えておりますが(出来る限り公正な見方で・・・)
現時点では、発生後のアブラムシの被害に対して、結構効果はあったように思います(個体数のおよそ9割以上は減っています。これはあくまでも私自身の感覚的なものですが)
今後出来るだけ具体的な情報が提供でき、どなたかのお役に建てれば幸いですが・・・
-
dzj044252011/05/11 17:54以前切り花菊の栽培で営農していたときに、「クララ」という成分を使った非化学農薬系の剤を使ったことがあります。当時、耐性がついてしまい効果のある農薬が少なかったオオタバコガに効き目がありました。この手の剤も捨てたものではないなと感じたことを覚えています。
[Res]スキットマン2011/05/12 20:17dzj04425 様へ
耐性がつき薬剤が効かない状況って本当に怖いですよね。手の施しようがないというか・・・
害虫と呼ばれている虫たちも、子孫を繋げていこうと必死になって進化してると思ったら、目の敵のように駆除していくことに、問題があるんでは?と考えたりもしてしまいます。
自然の摂理にしたがって、それをもっと知らなければならないのかもしれませんね・・・
「クララ」のこと、また詳しく効かせて下さいね。
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