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「庭木の病害虫防除について」

テーマ:植物管理全般

久々のブログ更新になります


このところ、PCの不具合だったり、ワールド

カップが始まったり、また、少し仕事が忙し

かったり・・・

(梅雨入りで、思うように消化できないでいるだけですが・・・)

と、いくつかの要因が重なってこんなことに汗(男の子)

 

でも、やる気はあるので、今後も続けていきます

 

(尚、今回の内容は半月以上前に下書きしていたもので

少し変なところもあるかもしれません)

 

 

それでは、本題へ

 

以前お世話になっていた造園会社での事。

GW明けから今ぐらいの時期まで、軽トラに

500ℓのタンクと動墳、養生具、脚立、掃除

道具・・・と、めーいっぱい積みこんで、

2人1組でお施主様宅へ庭木の病害虫防除

(消毒)に伺っていたころのことを思い出す。

 

 

日に10~15軒程度、150軒位だったか

いろんな場面に出くわし、経験してきたことが

現在自分で独立するようになって、大いに

役だっている。

 

 

私の庭木の病害虫防除に対するスタンスは、

「100%病害虫防除を寄せ付けないという

ような完全な駆除を目指しているのではなく、

多少の毛虫などの発生は、大目に見るか」

というようなものですが、

 

決して「大量発生」だけは、させてはならない!

言わば、大量発生を未然に防ぐと言ったものか・・・

 

「大量発生」とは、もちろん毛虫等の食害に

よるものですが・・・

 

例えば、ツバキやサザンカに着くチャドクガや

ウメやサクラ等に着くアメリカシロヒトリ等々

手加減知らずに食い尽くす爆発的発生集団。

(度を越すことが結構ある)

 

 おまけに毒まで持ち合わせているし・・・

 となれば、人間の標的にされても仕方ない

「もう少し遠慮深く発生していれば、これ程

目の敵にされることもないのになぁ・・・」

と、同情することもある。

 

 

この毛虫の大量発生が起こるメカニズムや

時期・地域と言うのは、予測がつかない。

 

確かに、その年の気候・気象条件によって

一律発生が多い害虫というものはあるが、

局地的に毎年必ず予期せぬ害虫の大量

発生が起こっているような気がする

 

これまでの経験から、大量発生が起こった

庭や地域では、その周辺環境で何らかの

物理的な大きな変化が生じているように

思う。

例えば、大規模に植栽帯が伐採された場合

など、てきめんで、

その地域での小さな生態系のバランスが

一時的に崩れ、大量発生に繋がったのでは

というケースを何度か感じた!

(これは、あくまでも私の推測ですが・・・)

 

 

話は遡るが、あるお施主様で、庭木への

薬剤散布を嫌われる方があった。

 

その方は、蝶の研究者で、蛾の種類や生態

にも詳しかったので、よく疑問や質問を投げ

かけて、いろんなことを教わったりもしていた。

 

その方の庭で、ある年サザンカの生け垣に

「チャドクガ」が大量発生したことがあった。

日頃よく観察されているので、大量発生の

前に 未然に防除されていたが、少しの油断

から、大量発生に繋がり、サザンカの生け垣が

燃やされたようになってしまった・・・

 

 

 

では、私の庭木の病害虫防除に対する方針を

まず、どんな病害虫に特に気を使っているのか

ランキングすることで整理してみることに

 

 名付けて、

「気になる病害虫ランキング」

 

① チャドクガ

 (ツバキ・サザンカ等につき、集団で葉を食害する

  猛毒の毛虫たち)

② イラガ

 (“イライラ”とも呼ばれてます。これからが発生の時期

  にあたり、刺されると痛い。)

③ アメリカシロヒトリ

 (クモの巣を張るようにして猛烈な勢いで拡大していきます。

 年々その勢力を拡大しているようで、いろんな樹種につきます)

④ カイガラムシ類

 (ウメにつく、ルビイロウカイガラムシをはじめ、

 多くの種類が、いろんな樹種に被害をもたらす)

⑤ マツカレハ

 (松に着く毛虫で、冬場でも毛虫のままで生き延び、

  時には季節外れに大量発生することも・・・)

⑥ ヘリグロテントウミノハムシ

 (ヒイラギ・モクセイ等に着く、葉潜りタイプでその駆除は難しい)

⑦ スギドクガ

 (この毒性も強く、何度もかゆい目にあわされている)

⑧ ルリチュウレンジ

 (サツキなんかを丸坊主にしてしまう、緑色の毛のない毛虫)

⑨ オビカレハ

 (クモの巣を張るようにして拡大していく。桜に多くつく)

⑩ コブシハバチ

(コブシ・モクレン等につく、茶色っぽい毛のない毛虫。)

 

 

ランキングは、10位までですが、

(毛虫だけでも、50位はありそうな感じ・・・)

こうしてみると

殆どが毛虫で、群れて食葉する様子や被害の

程度、また毒性などがその要因か・・・

 

 

私の中には、このランキングを元に、庭木の

病害虫の防除計画がある。

 

これらの被害を抑えようとするには、発生時期の

違いや薬剤の効力を考えると、少なくとも3回の

薬剤散布が、必要となると思うが、現実には、

3回の薬剤散布など行うケースは殆どない。

 

 

庭木の病害虫防除のスタンスは、

まず、お施主様と日頃、庭木の管理について

よく意見を交わし、発生期間中そこの庭で起こる

と予想される被害のことを予め分かってもらい

よく観察してもらっておく。

 

そして、被害の拡大しそうな気配を感じたならば

すかさず薬剤散布で駆除していく。

 

これが理想的か・・・・

 

 

庭木の管理の難しさは、お施主様とどれだけ

コミュニケーションが執れているか、また

どれだけ足しげく、その庭に訪れているか

といったことか・・・

 

誰が言ったか、

 

「植木屋さんは、親戚付き合い」

なんて言葉が昔からあるようですから・・・・

と、今回は病害虫防除に関する私のスタンス

についての話でしたが、

「使用薬剤についての話」などもう少しありますが

そんな話は、また別の機会にでも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

庭ブロ+(プラス)はこちら

窓辺のつるバラ “アンジェラ” 其の3

テーマ:植物管理全般

前回、同タイトルの投稿から1カ月。

庭ブロでも、バラの開花を伝える投稿が

増えてきましたが、我が家のつるバラ

“アンジェラ”も見ごろを迎えてきました。

 

この1カ月次々と蕾が付き始め、思い描いていた

通りに、ここ数日で開花し始めました。

 

   まずはその様子をどうぞ ダウン

 写真を撮る技術がお粗末でバラには申し訳ないペコペコ

 15/15と言うところまでいってないので、満開までは

もう少しだけれども、花は咲き始めてしばらくした時が

一番美しく思う。

:アンジェラは、通常15弁の房咲きになる

花は開き切ってしまうと少し色が抜けたように・・・

太陽に向かって元気よく生長している様子

 このアングルはいまいちで、いつもう~んと思う

 これが当初イメージしていた状態に近い・・・

 のぞき窓?のような状態だけれども中からは

意外とよく見える

 

思えばたったの2年間(3年目に突入)で、

「よくもまぁ。こんな立派に成長してくれたものだ」と。

 

確かに手間は多少かかったものの、これだけきっちり

応えてくれれば、やった甲斐もある。

 

このバラに限らず、どんな植物でもそうですが、

それを植える環境が(日照条件や風通しと言った

物理的なもの)合っているか、また植付けの時期、

土壌の適合性、そしてその個体の状態・・・・・と

 

それらの条件をすべて満たしたGOODグッドな状態で

植え付けられれば、半分以上はうまくいったも同然。

しかし、逆を返せば、それらの条件のうちどれかが

欠けていれば、その後は何かと気を揉むことばかり

 

庭木の植付けの時なんて、多くの種類があるのに

これらの条件を満たすとなると、本当に限られた

樹種しか思い付かないといったケースもしばしば・・・

 

木は一旦植え付けられたら最後、文句も言えないし

自分からそこを動くことも勿論できない。

そんな気の毒な思いをさせてはならないと思う・・・

 

この後は、満開になるのを待って、少し思い切った

剪定で、この窓辺をすっきりとさせたい。

そして、

このバラには感謝し、この後あまり多くを求めない

という姿勢で・・・・・今年はやっていこうと思う。

 

あぁ そうそう!これを忘れるところだった。汗(男の子)

 

最近購入したつるバラ 『ドン・ファン

イタリア生まれのビロードのような光沢のある

真っ赤な剣弁開咲きのバラらし~いやつ!

「アンジェラ”」も確か最初はこれくらいだったなぁ。

 

この2株は後日、嫁の実家に植えにいきます。

 

「何年後かには、家に負けないくらい元気で

きれいな花をめーいっぱいつけて、楽しませて

くれよぉ。」と願いを込めて・・・

 

 

 

 

 

木の見方 松 其の1

テーマ:植物管理全般

庭木の鑑賞の壺について少しお話を。

 

庭木の中で、代表的な存在と言えば、

まず思いつくのが「松」。

この「松」についての見方を私なりに・・・

 

「松」を観る時、真っ先に気になるのが、これダウン

写真は、奈良公園で撮影したもの

同じ木のアップ

 

私の場合なんといっても、「」。「松は幹モノ!」

この幹が、鑑賞の壺。

 

特に、クロマツは「男松」とも呼ばれ、その雄壮さの

象徴が、幹に現れる亀の甲状のひび割れ模様。

 

この亀甲模様は、

どの松の木にも見られるわけではない。

松の木は、年を重ねるに連れ、幹(樹皮)が、

だんだんと分厚くなっていく。

そして、100年を超えるような老大木になって

その模様がはっきりと現れる。

つまり、亀甲状に割れた幹の模様は、厳しい

環境の中で、わが身を守るために進化し、

100年もの月日を生き抜いてきた証である。

 

それでは、他の幹の写真を何枚か見比べてみてください

 

そこそこの太さはあるが、まだまだ。

 

庭木では、これくらいが多いかな?

 

今後に期待を持てそうな感じ・・・

 

この斜幹も期待できそうな感じ

 

だんだんと近ずきつつあるが、まだまだ・・・

 

 やっぱりこれぐらいになると、見応えも出てくる。

 

庭木としては、中々お目にかかれないレベルですが、

たまに出くわす場面もあります。

そんな松は、決まって威風堂々としていて、

すごい存在感を放っています。

ここに、根上りの面白いのや、幹のうねり等々・・・

が、さらに加わっていくと、

じっくり見上げて観て

その内うっとりと、見惚れてしまいます。

私の場合。

 

松に限らず、幹モノと呼ばれる木は他にも

あるが、それらの美しい幹にも魅了される

ことを思えば、根本的に幹が好きなんだと思う。

(あんまりゴチャゴチャと手の込み過ぎた木は

どうも好きにはなれない)

趣味嗜好の問題であって、個人差がある。

 

木の見方については・・・

 

また、別の機会に、他の角度

(樹形・枝ぶり・葉ぶりなど)で、もう少しお話を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓辺のつるバラ “アンジェラ” 其の2

テーマ:植物管理全般

 

以前(2月)にも、同じタイトルで投稿した。

我が家のリビングの出窓を彩るつるバラ

『アンジェラ』

 

その時には新芽も出ていない時期で、

出窓の格子に誘引されたつるバラは

少し殺風景なものでしたが、今は新芽も

出揃い、とても元気よく生長してくれ

こんな状態です。

 

 

窓辺を彩るつるバラは、思い描いていたイメージに

随分と近づいてきた。

後は、どんな風に花を咲かせてくれるのか・・・

つい最近までは、そう想っていたが、

それとは別に不安の種も・・・

よく観れば、ガラス窓にはわずかではあるが、

透明な不吉な液体が附着している

 

やっぱりか・・・・・と目を凝らして観ると、

昨年と同じ光景が・・・

  (少し見づらいですが、アブラムシが発生)

テントウ虫などの天敵の登場に期待することなく

早めの薬剤散布を行わないと・・・

 

あちらこちらに、小さな蕾ができ始めている。

もう1カ月もすれば、あの丸弁カップ咲きの

かわいいピンクの花が、この窓辺いっぱいに

咲いてくれるのだろう・・・

窓辺のつるバラ ”アンジェラ”

テーマ:植物管理全般

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの写真は、昨年5月15日に撮影したもの

 

植付け後2年目の、我が家のリビングの出窓を彩る

つるバラ”アンジェラ”

特にこの「アンジェラ」が好きだというわけでもなく

職業柄、奥様方に圧倒的な人気を誇るバラを自邸で

実験的に育ててみて、バラ咲く庭造りの魅力や効果と

管理のポイントを検証してみようと思ったのが

きっかけでした。

 

この”アンジェラ”を選んだポイントは、

以下のようなことだったと思います。

 

① 「四季咲き性及び返り咲き性」のもの。

  つまり、一季咲きと違い長い間花を楽しめるもの。

② 色は外壁の白に際立つもので、濃いピンクを。

③ リビングの窓辺を彩るに足る枝の伸び方や樹高。

 (同じCL〈つる性バラ〉に分類されるものの中でも、

  家の高さほどにまで伸びるものもある。)

④ 比較的入手しやすく、栽培も容易。

 

 

 

そんな条件に合ったつるバラ ”アンジェラ”とは

丸弁カップ咲きの中輪花が房咲きとなる人気種で、

街のあちこちでよく見かける。

作出は1984年kordes(ドイツ)でドイツでは

F種(フロリバンダ)に分類される。

 

残念なのは、

バラの大きな魅力の一つである芳香が弱いこと。

 

この窓辺に誘引された”アンジェラ”のここまでの

栽培のポイントを自分なりに整理・検証してみます。

 

一般的に、バラの栽培に適した環境とされる

「陽あたりがよく、風通しのよい場所」という面では、

なんら問題のない環境にある。

また、植付け時には、レンガで囲ったスペースの

土を少なくとも60㎝位下まで、赤玉土、ピートモス、

もみ殻くん炭などで改良した用土にすっきり入れ替え、

樹高1m位の大苗を植え付けた。

 

1年目からよく伸長し、

窓枠の格子に少し誘引できるほどにまで成長し、

2年目の昨年には、

旺盛な成長を見せ、花もよく咲かせた。

 

しかし、いくつかの問題点も発生した

 

1つは、あまりに成長が旺盛で、太く勢いのよい

シュート(新しく伸びた枝)が何本も上がってきて、

誘引では収まりつかず、6・8月と2回剪定を行った。

また、四季咲きとはいえ、満開に花を咲かせるのは、

写真撮影したこの時期位で、夏場も秋もその時期を

上回るようなことはなかった。

 

そして2つ目は、害虫による被害。アブラムシ

チュウレンジハバチは、5月中旬から10月中旬ごろ

まで何度も発生した。

最初は、被害が拡大していくことがなかったら、

窓辺でもあるし、「できるだけ我慢してみよう」

と思ったが、窓辺ゆえ、

新芽に群がるアブラムシ

かなりの勢いで増殖しチュウレンジハバチ

無差別的な葉の食害に我慢できず

4回の薬剤散布を行った。

 

ガラス窓には、うっすらと薬剤の白い汚れが・・・、

サッシには落葉と害虫の糞や死骸がたまり、

管理の問題点ははっきりとしてきた・・・・・爆弾

 

しかし、昨年の暮れ大掃除の際に窓枠から

ガラス窓を外し、

サッシの隙間までも丁寧に掃除をした。

 

ついでにつるバラ ”アンジェラ”の3回目の剪定と

誘引を行い、来年の健康的な成長に備え、

「ゆっくり休眠するよう」伝え、

すっかりきれいになった窓辺で新年を迎えた。

 

 

そして、2月に入りこの”アンジェラ”の今年の

健康的な成長のため寒肥を施した。

 

今年の肥料は、油かす・骨粉・熔成リン肥で、

土壌の物理性には特に問題ないので、

堆肥は施さなかった。

昨年もそうしたが、

生育期間中の追肥は予定していない。

マル秘特に必要としているようになかったから・・・)

 

 

 

バラに限らず、多くの植物は、

この時季の管理が結構大切。

 

「今年は、昨年以上にきれいな花を

          いっぱい咲かせてくれよ」

 

「害虫や病気なんて、

    自分の力で跳ね返してしまえよ!」とか、

 

植物たちとの対話には、

ふっと

その個体のもつ特性なんかに

気づいたりする機会がある・・・・・

今はそんな時季ではないかと思う・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

スキットマン

日桂造園
(にっけいぞうえん)

杉岡 靖元

1971年4月 
奈良県生まれ

これからの暮らしに
スタンダードとなっていく
ような、1つの流れを
造り出していきたいという
大きな夢を持った
小さな植木屋です。


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