「家と庭」は、”決して容易ではない人生の旅路”を

家族とともに航海していくための船のようなもの。

そんな家と庭は、もっと愛され、”こだわり”を持つことで、

日々生まれ変わって存在し、進化し続けるもの・・・・・

『木造り それとも 葉刈り?』

テーマ:植物管理全般

私の暮らすこの奈良の地では、庭木の剪定のことを、「

木造り(きつくり)」、「葉刈り(はがり)」などと

呼ぶのが一般的ですが、みなさんの地域では如何ですか?

 

他にも、庭木の手入れや管理、そして散髪などと言った

呼び方をする人もいますが、やはり一般的には、うえの

2つの呼び方が多いようです。

 

「木造り」も「葉刈り」も、庭木の剪定をするということでは

同じですが、それを使っている植木屋さんの方には、

少し違いがあるように思えます。

 

「木造り派」には、プライドやこだわりがあるように思える

私のお世話になった造園会社の親方は、

『うちは“葉刈り”ではなく、“木造り”や!

 よそのと同じような“葉刈り”をしてたらあかんぞぉ!!』

と、二言目には言って聞かされていた・・・

 

「葉刈り派」の植木屋さん達ともよく仕事をするので、

その腕前も良く知ってはいるが、普段やっている事に

それほど違いもなければ、その仕上がりもとても丁寧で

きれいにする人も中にはいる。

しかし、この「葉刈り派」の植木屋さん達に共通して

言えることがある。

それは、庭木に対して淡白な人が多いということ!

別の言い方をすると、庭木が生き物であるという

感覚に乏しい人が多いということ!

 

つい最近の話。

仕事に行った先(もちろん庭木の剪定です。)の

お宅のおばあさんが、会話の中で

「木造り屋さんは、この時期大変やねえ・・・」と

言われた時、何故かドキッとした。

 

その日は、「葉刈り派」の植木屋さんの応援で、

手伝いに行っていたので、まさかお施主様の方から

「木造り」という言葉が飛び出してくるとは思っても

みなかったもので・・・・

 

奈良の旧村地域では、道幅も狭く、それほど広い

とも言えない庭に、2階の屋根まで届きそうな松の木

なんかが植わっている事は、珍しくもない光景では

あるが、そんな木を見るたびに、昔の植木屋さんは

「上へ上へ上へ。横へ横へ。とよくもまあ。これほど

大きくしていったもんだなぁ。」と感心させられる。

今では、指し枝を伸ばす程度で、上へ上へと木を高く

造っている様子など見かけることもない・・・

 

昔のそんな光景を知っているおばあさんが、植木屋を

「木造り屋さん」と呼ぶのもなんとなく想像がつく・・・

年を重ねるごとに、大きく立派に育っていく庭木たちを

愛でては、感動し、それを造りだしていける植木屋さん

にも、職人としての技術や知識そして根気に対しての

尊敬の念もあったかもしれない・・・

 

そんな思いも見透かされたような気がして、ドキッとしたのかも

 

本当の『木造り』ができるようになるのは、まだまだ先のようです。

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コメント

  1. dzj04425
    2010/08/22 15:05
    以前、勤務している造園屋の仕事で奈良市方面に伺ったときにそこのおばあちゃんが「葉摘み」っておっしゃってました。なんかとても優しい響きで印象に残っています。

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プロフィール

スキットマン

日桂造園
(にっけいぞうえん)

杉岡 靖元

1971年4月 
奈良県生まれ

これからの暮らしに
スタンダードとなっていく
ような、1つの流れを
造り出していきたいという
大きな夢を持った
小さな植木屋です。


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