窓辺のつるバラ ”アンジェラ”
これらの写真は、昨年5月15日に撮影したもの。
植付け後2年目の、我が家のリビングの出窓を彩る
つるバラ”アンジェラ”。
特にこの「アンジェラ」が好きだというわけでもなく
職業柄、奥様方に圧倒的な人気を誇るバラを自邸で
実験的に育ててみて、バラ咲く庭造りの魅力や効果と
管理のポイントを検証してみようと思ったのが
きっかけでした。
この”アンジェラ”を選んだポイントは、
以下のようなことだったと思います。
① 「四季咲き性及び返り咲き性」のもの。
つまり、一季咲きと違い長い間花を楽しめるもの。
② 色は外壁の白に際立つもので、濃いピンクを。
③ リビングの窓辺を彩るに足る枝の伸び方や樹高。
(同じCL〈つる性バラ〉に分類されるものの中でも、
家の高さほどにまで伸びるものもある。)
④ 比較的入手しやすく、栽培も容易。
そんな条件に合ったつるバラ ”アンジェラ”とは、
丸弁カップ咲きの中輪花が房咲きとなる人気種で、
街のあちこちでよく見かける。
作出は1984年kordes(ドイツ)でドイツでは
F種(フロリバンダ)に分類される。
残念なのは、
バラの大きな魅力の一つである芳香が弱いこと。
この窓辺に誘引された”アンジェラ”のここまでの
栽培のポイントを自分なりに整理・検証してみます。
一般的に、バラの栽培に適した環境とされる
「陽あたりがよく、風通しのよい場所」という面では、
なんら問題のない環境にある。
また、植付け時には、レンガで囲ったスペースの
土を少なくとも60㎝位下まで、赤玉土、ピートモス、
もみ殻くん炭などで改良した用土にすっきり入れ替え、
樹高1m位の大苗を植え付けた。
1年目からよく伸長し、
窓枠の格子に少し誘引できるほどにまで成長し、
2年目の昨年には、
旺盛な成長を見せ、花もよく咲かせた。
しかし、いくつかの問題点も発生した。
1つは、あまりに成長が旺盛で、太く勢いのよい
シュート(新しく伸びた枝)が何本も上がってきて、
誘引では収まりつかず、6・8月と2回剪定を行った。
また、四季咲きとはいえ、満開に花を咲かせるのは、
写真撮影したこの時期位で、夏場も秋もその時期を
上回るようなことはなかった。
そして2つ目は、害虫による被害。アブラムシと
チュウレンジハバチは、5月中旬から10月中旬ごろ
まで何度も発生した。
最初は、被害が拡大していくことがなかったら、
窓辺でもあるし、「できるだけ我慢してみよう」
と思ったが、窓辺ゆえ、
新芽に群がるアブラムシや
かなりの勢いで増殖しチュウレンジハバチの
無差別的な葉の食害に我慢できず
4回の薬剤散布を行った。
ガラス窓には、うっすらと薬剤の白い汚れが・・・、
サッシには落葉と害虫の糞や死骸がたまり、
管理の問題点ははっきりとしてきた・・・・・
しかし、昨年の暮れ大掃除の際に窓枠から
ガラス窓を外し、
サッシの隙間までも丁寧に掃除をした。
ついでにつるバラ ”アンジェラ”の3回目の剪定と
誘引を行い、来年の健康的な成長に備え、
「ゆっくり休眠するよう」伝え、
すっかりきれいになった窓辺で新年を迎えた。
そして、2月に入りこの”アンジェラ”の今年の
健康的な成長のため寒肥を施した。
今年の肥料は、油かす・骨粉・熔成リン肥で、
土壌の物理性には特に問題ないので、
堆肥は施さなかった。
昨年もそうしたが、
生育期間中の追肥は予定していない。
(特に必要としているようになかったから・・・)
バラに限らず、多くの植物は、
この時季の管理が結構大切。
「今年は、昨年以上にきれいな花を
いっぱい咲かせてくれよ」
「害虫や病気なんて、
自分の力で跳ね返してしまえよ!」とか、
植物たちとの対話には、
ふっと
その個体のもつ特性なんかに
気づいたりする機会がある・・・・・
今はそんな時季ではないかと思う・・・