私どもグッドライフデザイン株式会社では、以下のサービスを行っています。また、WEBをご覧ください。
 http://gl-design.co.jp
 私どもの製品やデザインやサービスによって、美しい邸宅や店舗を増やしていくことで、いつかは日本の街並みもヨーロッパのように美しくなっていけば最高です。
 【ロートアイアンのデザイン、製造、輸入、販売】
 日本では高価であり、しかもデザイン的に合うお洒落な邸宅や店舗が少ないことから、あまり普及が進んでいません。
 私どもでゼロからオリジナルデザインをさせていただき、ハンドメイドで本物を一品生産させていただきますので、必ずお客様のお洒落な生活シーンや店舗シーンをより瀟洒に飾ります。
 また、フランスの植民地であったベトナムの工場で、熟練工が製造しますので、より太くより瀟洒な本物を、より廉価でご提供いたします。
 【ステンドグラスのデザイン、製造、輸入、販売】
 ロートアイアン同様、日本では高価であり、しかもデザイン的に合うお洒落な邸宅や店舗が少ないことから、あまり普及が進んでいません。
 同じく私どもでゼロからオリジナルデザインをさせていただき、ハンドメイドで本物を一品生産させていただきますので、必ずお客様のお洒落な生活シーンや店舗シーンをより瀟洒に飾ります。
 また、価格面でもご相談しながらお勧めさせていただきます。
 【輸入住宅・店舗デザイン】
 私どものチームは日本における輸入住宅界のパイオニアであった、エヴァソンマッコイホームズや国際ホームにて経営者であったりデザイナーであった者です。
 輸入住宅デザインは、どんな高名な建築家であっても出来る世界ではありません。
 まずは是非デザイン集をチェックしてみてください、それだけで違いをご理解いただけ、お任せいただけるものと思います。
 【リフォーム、リノベーション】
 上記のような製品やデザインやサービスによって、美しい邸宅や店舗を増やしていきたいと願っていますが、もちろんそれはリフォーム・リノベーションにおいても同様です。
 他のリフォーム専業会社とは違い、デザインに富んだリフォーム・リノベーションをご提供いたしますので、是非お声をお掛けください。

今週の1冊「ファーマゲドン」後半に、日本の住宅事情を想う

テーマ:ブログ



 今週の1冊、「ファーマゲドン」、フィリップ・リンベリー著、野中香方子訳、日経BP社です。
 あまりに長かったので、今回は後半部分です。
 まずは、最も印象に残ったフレーズ2点を以下に。

 「第2次世界大戦後、欧米の農業は集約化に向かった。そもそもの動機の一部は崇高なものだった。各国政府はそうすることによって、食料不足と、配給手帳に頼るような日々を早急に終わらせようとした。特に英国民は、大切な食料を運ぶ船をドイツのUボートに沈められた悪夢を忘れられなかった。そうした経験からどの国も食料の自給を目指すようになり、新たな法律が可決され、それがその後数十年の方向性を決めることになった。新戦略は、生産を増やすことに的が絞られていた。生産を倍増させようとする農家を後押しするために、巨額の税金がつぎ込まれたが、その長期的な影響については、ほとんど考慮されなかった。
 英国では、1947年の農業法制定を機に、農業は工業化に向かい始めた。米国では、すでにその動きは加速していた。1933年に「ファーム・ビル(農業法)」が定められ、工業化を目指す農家に、補助金が支給されるようになっていたからだ。農家は最新の農業、機械、技術を使うよう奨励され、1種類の作物や家畜を育てるようになった。作物と家畜を交互に育て、家畜の糞が疲弊した土壌を復活させるという、昔ながらのサイクルは失われ、代わりに人工の肥料が使われるようになった。こうして農業は産業になり、自動車やテレビの製造と同じで、品質より量が優先されるようになった。農業革命の始まりだった。
 政策と補助金が、この新しい動きを後押しした。農業大学は次世代の農家に新しい方法を教え、アドバイザーやセールスマンが田園地帯を巡って、農家の人々に、「集約化か、さもなければ廃業か」というメッセージを広めた。」

 私は、ここに日本の住宅産業を想ってしまいました。最初は戦後復興や震災復興などの住宅事情から、質は問わず量を建てまくる国家的ニーズがあったため、当時のダイワハウスや積水ハウスが必要だったと思います。
 しかし、いつしかそのような大量生産プラモデル住宅は必ずしも必要では無くなったにもかかわらず、その時点では既にあまりに巨大化し、企業の利益のみが追及され、日本の住宅事情は劣悪なまま、汚い街並みが未だに拡大再生産され続けています。挙句の果てには、これからのアジアに進出して、その毒を世界中にまき散らそうとしています。
 この本にある衝撃の農業の姿(日本の農業の実態は未だ暴かれていませんが)と一緒だなと。
 こころある新しい(というか古い)有機農業の担い手が育つように、消費者が自ら行動しよう、というこの本の結論に同じで、こころある建築家と工務店が素晴らしい住宅作り・街作りを出来得る環境を作るのは、やはり消費者自らの選択しかない訳です。
 しかし、この本の著者(団体)のような、触媒となれる力ある存在が必要なのかも知れません。あまりに敵は強大です(国土交通省を頂点とする行政、ダイワハウス・積水ハウス他のハウスメーカー、これらの取り巻き大手建材屋など)から。

 「わたしたちが何を買うかによって、動物福祉も含め、農業のあり方がいい方向に変わると信じている。「思いやりのある消費」は、質の高い食べ物を選び、世界をファーマゲドンから救う素晴らしい方法だ。わたしはこうアドバイスしたい。まず、地面で生産された食物を買おう。工場ではなく真の農場で作られたものを。残り物を大切にして、食品の廃棄を減らそう。そして、肉を食べすぎずバランスのとれた食事をしよう。地面で生産された食品を買うには、「平飼い」「牧草育ち」「屋外飼育」「有機」というラベルがついているものを選ぼう。反芻動物(羊と牛)の肉と乳を買おう。最も持続可能な選択肢であり、どちらも牧草を食べ物に変える。
 豚と家禽は、放し飼いで有機飼育であっても、欠点がある。現在のところ、それらは主に穀物や大豆で育てられている。EUの法律は食品廃棄物を家畜に与えることを禁じている。この法律はいずれ廃止され、自然のリサイクルの名手であるそれらは、再び野を駆け回るようになり、人間が食べられないものを食べられるものに変えてくれるだろう。しかし当面は餌には目をつむり、放牧した豚と鳥の肉と卵を買うことが、よりよい食品を手に入れ、動物によりよい暮らしをもたらす手段となり、未来のより大きな変化を加速することにもなる。
 「農場直送」「地方直送」「自然」「新鮮」といったラベルが付いた商品は避けよう。おそらく工場式農場で生産されている。「トウモロコシで育った」というラベルの商品も避けるべきだ。(途中省略)
 ファーマゲドンを回避するのは簡単だ。信頼できる地元の生産者や小売店を通じて、地面で育った(平飼いやオーガニック)家畜の産物を買い、それを残さず食べてごみを減らし、あわせて肉を食べ過ぎないようにすれば、田園地帯、自分の健康、動物の福祉のすべてに恩恵を与えつつ、食事を堪能することができる。」

 TPP後に世界中から入ってくる食料は、こういった意味で大丈夫なのでしょうか?日本にそれを判断する能力・基準があるのか、ないのでしょうね。
 そもそも、日本ではあまりこういった意味での話題が出てきませんが(まさにこの本の通り「産地直送」が最上級に安心・安全みたいな風潮になっていますが)、日本の農・畜・海産物は大丈夫なのでしょうか?中国工場のマックナゲットを酷く非難していましたが、日本でそれが無いと、なぜ信じられるのかしら。
 しかし、東京の人達には、すべて口にする物のルートを調べてみるなんて、現実的だとは思えません。地方の農家を親族に持つ人のネットワーク化でもして、絶対的に安心な農業ネットワークでも確立する以外は、東京の人達は救われることはないですね。そんなサービス、もうあるのかな?

 それ以外に気になったフレーズを以下に。

 「コーネル大学の研究者は、トウモロコシや小麦の生産に入力されるエネルギー量と、出力されるエネルギー量(カロリー)に注目してきた。同大学のデヴィッド・ピメンテルのチームは、牛肉、豚肉、鶏肉の生産についても同様の計算をしてみた。動物が消費した穀類や飼い葉の量と、最終的に生産された動物タンパク質のカロリーを比較したのだ。
 トウモロコシについて、その割合は4対1、小麦は2対1だったが、牛肉は40対1、豚肉は14対1、鶏肉は4対1だった。つまり、小麦やトウモロコシ(おそらくは野菜も)の栽培は、食肉の生産よりはるかにエネルギー効率が良いことがわかった。」

 「現在、工場式農場の飼料になっている穀物と大豆をすべて直接人間の食糧にすれば、30億人もの圧倒的な数の人を養うことができるはずだ。鶏肉、豚肉、牛肉を作るのにどれほどの植物タンパク質が必要とされるかを考えると、それがはるかに有効な資源の使い方であるのは確かだ。1キログラムの上質な肉を作るのに、平均で6キログラムの穀類などの植物タンパク質が必要となる。しかし、この「肉」のすべてが、人間が食べるにふさわしいわけではない。カナダのマニトバ大学の計算では、工業的な方法で真に食用に適した牛肉を1キログラム作るには、20キログラムもの飼料が必要とされる。豚肉では7.3キログラム、鶏肉では4.5キログラムの飼料が必要となる。
 香港を拠点とし、「グローバル・インスティテュート・フォー・トゥモロウ(明日のための世界機関)」というシンクタンクを経営する環境問題研究家、チャンドラン・ナイールは、今後40年で起きる人間と環境の破滅を回避するには、食料価格の決め方を根本的に変える必要があると考える。政治家にはおそらくできないだろうとしながら、彼は、消費者が支払う額と生産にかかる費用の差を是正するために、工場式農業で生産された肉の価格を大幅に上げる必要がある、と主張する。4ドルのハンバーガーの価格は、外部要因(穀物を肉に変える費用や使用される水とエネルギー)を計算に入れると、「ほぼ100ドルになる」と彼は言う。
 ナイールはされに話を進めて、急成長する中国とインドの人々が米国人のような生活をすることは不可能であり、その理由は、「それを支えるだけの余裕がないため」と述べている。「アジアの政策立案者や経済学者に味方する知識人の多くは、2050年に50億人になるアジア人が、平均的な米国人と同等の生活をするのは無理だということを示す証拠を否定しようとする」と彼はBBCで話した。同じインタビューで彼は、現在米国人は1年でおよそ90億羽の家禽を消費している、と指摘した。アジアは、米国の約10倍の人口を擁するが、消費する家禽の数は、その2倍に満たない。
 もしアジアの食肉消費が予想通りに増えれば、2050年のアジア人は2000億羽の鳥を消費することになる。「そのレベルの消費は起こり得ない。(中略)そうなれば、わたしたちが依存する経済システムは崩壊するだろう」とナイールは言った。」

 「村から1キロ半ほど離れたところで、養豚場の周辺に生える木の様子がおかしいことに気付いた。大半はいたって健康そうだが、一群の木だけ、葉が落ちて幹が丸見えになっていた。あたりに人の姿はなかったので、近くまで行ってみることにした。トウモロコシ畑の縁を小走りで木のほうへ向かい、急勾配の土手を上がると、原因がわかった。巨大な泥沼が腐敗臭を漂わせていた。あふれ出たヘドロが数本のポプラの木の根元を覆っている。葉は落ち、枝は枯れ、ポプラは毒された水に沈みつつあった。
 この泥沼は自然にできたものではない。急ごしらえの土手がまわりを囲んでいた。このところ気候は乾燥気味だと聞いていたが、汚水は縁の高さまで迫っていた。いつあふれ出てもおかしくない。だが、まわりには食用のトウモロコシが植えられていた。村人から聞いた汚染された土地とはここのことだった。排水は、すぐそばの養豚場から流れ出ていた。牧原がバイオガス・ダイジェスターで取り繕っていても、人目につかないこの場所に豚の糞を処理できていない証拠があった。
 皮肉なことに、牧原は環境保全の取り組みが評価されて、国連の認証を受けている。バイオガス・ダイジェスターの煙突は、「UN-CDM(国際連合クリーン開発メカニズム)」の赤い文字で誇らしげに飾られていた。CDMは国際的なCO2排出量取引制度で、この枠組みにもとづいて、国際的企業が先進国による汚染を「詫びる」ために発展途上国の企業に融資している。この養豚場は、まさにその一つに選ばれた。融資したのは日本の企業で、牧原を支援することにより自国でCO2を吐き出し続ける権利を得ている。わたしから見れば、牧原は二重に罪を犯していることになる。中国の環境を破壊しているだけでなく、国連のお墨付きで、何千マイルも遠くの国を友人が汚染するのに手を貸している。わたしたちは恐れていた最悪の環境汚染を確認した。だが、まだ1匹の豚も見ていなかった。」

 様々な示唆に富んだ、なかなかに面白い本でした。
 皆さんも、是非!
 
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