僕の弟シリーズ③
僕の弟シリーズ
今日は第三弾です。
私には3歳下の弟がいます。
あれは、弟が小学校高学年の頃だったと思います。
当時はレンタルビデオ店が世に出てきた直後でして、何処の店も大ブレイク。
当時中学生だった私は既に会員登録を済ませていて、いつも弟の分も一緒に借りていたのですが、回数が多くなって面倒になってきたので、弟にも会員登録をするように薦めたのです。
「おにいちゃん。どうしたらいいの?」
そう聞いてくる弟に
「保険証と自分の写真を持っていけば会員になれるから一緒に行こう!」
弟は早速、母親に保険証を借りてレンタルビデオ店へと走ったのです。
「写真持ったか?」
自転車で並んで走りながらそう確認したのですが弟は、
「大丈夫。ちゃんと持ってるって!」
と自信満々。
なら、大丈夫と安心しているうちに店に到着。
カウンターのお姉さんの言うとおりにすればいいよ。
というアドバイスを残して私はその場を後にしたのです。
CDを見ながら店内をブラブラしていたのですが、
何やらカウンターが非常に騒がしい。
奥から店長さんらしき人が出てきて弟の対応をしているのです。
どうしたのかな?
と近づいてみました。
そうすると、店員さんが、店長さんに
「この写真なんですけど、これで大丈夫ですかね?」
と聞いています。
「いやーこれはちょっとね……」
などといってるではないですか?
どうやら身分証明に使う写真に問題があるようです。
どれどれ……
写真を見てビックリ。
弟が持ってきた証明写真は
「少年野球のユニフォームを着て
今そこに来たボールを
さあ、打つぞ!
という瞬間の写真だったのです。」
顔は完全にピッチャーのほうを向いています。
(見えないし……)
こんな感じ
「お前、何でこんな写真もってきたんや?アホか!」
というと弟は
「だってこの写真の時にホームラン打ってんで。」
と自信満々に言うではないですか?
すっかり恥ずかしくなった私は店員さんに、
「すみません。他の写真持ってきます!」
と言い残し、顔を真っ赤にして店を後にしたのでした。
それにしても何でバッターボックスなんや?
意味解らん……
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