考えましょう!未来へ
学校疎開裁判大詰め 郡山集会ルポ
テーマ:ブログ
2011/10/25 12:31
学校疎開裁判大詰め 郡山集会ルポ
○ 福島県郡山市の児童・生徒らが、市に対し学校ごと疎開するよう求めた仮処
分の申し立ては、福島地裁郡山支部での審尋が大詰めを迎えている。年間被ばく
量1ミリシーベルト以下の安全な環境で教育を受けられるように―との切なる願
いは「人権の最後の砦」たる裁判所に届くのか。15日には市民団体などがJR
郡山駅前で集会を開き、熱い訴えをを繰り広げた。
○
集会「ふくしまの子どもを守れ!郡山デモ」は「ふくしま集団疎開裁判」への意気込みをにじませていた。
「どんなに勇気が要ることか、どんなに怖かったことか…。裁判を始めた十四人の子どもと親たちに、深く敬意を表したい。福島の子どもの未来を守る貴重な一歩です。
発言者のトップを切ってマイクを握ったのは、市民団体「ハイロアクション福島原発四十年実行委員会」のメンバー、武藤頼子さん(五八)だ。
武藤さんは郡山市から東へ約十キロの三春町に住む。
昨年十一月、福島第一原発一号機が今年三月で稼働から四十年を迎えるのを前に、脱原発運動をしてきた仲間ら約二十人と同団体をを結成した。
一号機の営業運転開始日だった同二十六日からの一年間を「廃炉アクション年」と位置付け、今年から各地で脱原発のイべントを開いてきた。
この日の集会では、
「私たちは、日々新しいニュースに翻弄されている。あふれそうな涙を必死でこらえている」と強調。
「たとえ子どもたちが郡山ではない町に行ったとしても、ほほを真っ赤にして風の中を走り回り、笑顔を輝かせられるなら喜ばしい。
(デモ行進を)一緒に歩き、子どもたちを守る一筋の”光の川”になりましょう」
とメッセージを締めくくると、力強い拍手がわき起こった。
矢ケ崎克馬琉球大名誉教授が
「郡山市の汚染状況は、チェルノブイリ原発から百キロ以上離れたウクライナ・ルギヌイ地区の移住権利と管理強化の地域と同程度。郡山でも同様の健康被害が起き得る」とする意見書をまとめ、これに裁判所が注目したためだ。(略)市内の児童・生徒数は約三万人。震災後、八月末時点で約千人が市外へ転出し、逆に原発に近い自治体から約五百八十人が転入。校庭などの除染を進めているが、今もなお大多数が学んでいる。
弁護団は月末までに反論書面を提出し、来月半ばにも決定が出る見通しだ。
弁護団長の柳原敏夫弁護士(六○)は
「市は本来なら『危険性はない』と反論すべきで、追い詰められているだろう。私たちの訴えが認められることを期待したい」と、こう呼び掛けた。
「裁判所の勇気を後押しできるのは、全国の皆さんの強い支援があってこそです」
(2011.10.17東京新聞『こちら特報部』より抜粋)
○ 福島県郡山市の児童・生徒らが、市に対し学校ごと疎開するよう求めた仮処
分の申し立ては、福島地裁郡山支部での審尋が大詰めを迎えている。年間被ばく
量1ミリシーベルト以下の安全な環境で教育を受けられるように―との切なる願
いは「人権の最後の砦」たる裁判所に届くのか。15日には市民団体などがJR
郡山駅前で集会を開き、熱い訴えをを繰り広げた。
○
集会「ふくしまの子どもを守れ!郡山デモ」は「ふくしま集団疎開裁判」への意気込みをにじませていた。
「どんなに勇気が要ることか、どんなに怖かったことか…。裁判を始めた十四人の子どもと親たちに、深く敬意を表したい。福島の子どもの未来を守る貴重な一歩です。
発言者のトップを切ってマイクを握ったのは、市民団体「ハイロアクション福島原発四十年実行委員会」のメンバー、武藤頼子さん(五八)だ。
武藤さんは郡山市から東へ約十キロの三春町に住む。
昨年十一月、福島第一原発一号機が今年三月で稼働から四十年を迎えるのを前に、脱原発運動をしてきた仲間ら約二十人と同団体をを結成した。
一号機の営業運転開始日だった同二十六日からの一年間を「廃炉アクション年」と位置付け、今年から各地で脱原発のイべントを開いてきた。
この日の集会では、
「私たちは、日々新しいニュースに翻弄されている。あふれそうな涙を必死でこらえている」と強調。
「たとえ子どもたちが郡山ではない町に行ったとしても、ほほを真っ赤にして風の中を走り回り、笑顔を輝かせられるなら喜ばしい。
(デモ行進を)一緒に歩き、子どもたちを守る一筋の”光の川”になりましょう」
とメッセージを締めくくると、力強い拍手がわき起こった。
矢ケ崎克馬琉球大名誉教授が
「郡山市の汚染状況は、チェルノブイリ原発から百キロ以上離れたウクライナ・ルギヌイ地区の移住権利と管理強化の地域と同程度。郡山でも同様の健康被害が起き得る」とする意見書をまとめ、これに裁判所が注目したためだ。(略)市内の児童・生徒数は約三万人。震災後、八月末時点で約千人が市外へ転出し、逆に原発に近い自治体から約五百八十人が転入。校庭などの除染を進めているが、今もなお大多数が学んでいる。
弁護団は月末までに反論書面を提出し、来月半ばにも決定が出る見通しだ。
弁護団長の柳原敏夫弁護士(六○)は
「市は本来なら『危険性はない』と反論すべきで、追い詰められているだろう。私たちの訴えが認められることを期待したい」と、こう呼び掛けた。
「裁判所の勇気を後押しできるのは、全国の皆さんの強い支援があってこそです」
(2011.10.17東京新聞『こちら特報部』より抜粋)