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住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
テーマ:ブログ
2012/01/04 12:05
住みやすさランキング1位の裏側にあるもの
住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三位は石川県だそうだ。
福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25億円にもなる。
住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみに北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネルギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)こともあり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順である。
住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろう。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化するから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安い。地産地消の良い面が出ている。
原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。
その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者として招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ~原発を選ばないという生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名にかかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらしい。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。
このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)
高速炉「もんじゅ」そのものは、文殊菩薩のお導きか?
今止まっているが、他の13基ある原発の一部がまだ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それまでの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越する。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に大量の放射能が降り注ぐ事態になる。
琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にとっても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫ってきている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まっている。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めている。
原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。
こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をどうするか、検討し始める必要がある。
住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三位は石川県だそうだ。
福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25億円にもなる。
住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみに北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネルギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)こともあり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順である。
住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろう。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化するから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安い。地産地消の良い面が出ている。
原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。
その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者として招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ~原発を選ばないという生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名にかかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらしい。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。
このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)
高速炉「もんじゅ」そのものは、文殊菩薩のお導きか?
今止まっているが、他の13基ある原発の一部がまだ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それまでの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越する。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に大量の放射能が降り注ぐ事態になる。
琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にとっても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫ってきている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まっている。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めている。
原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。
こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をどうするか、検討し始める必要がある。
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