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除染も「原子力ムラ」の利益
テーマ:ブログ
2011/12/17 12:02
除染も「原子力ムラ」の利益
「後始末」巨額のビジネス,大手ゼネコン、モデル事業仕切る 建屋建設のトップ3横すべり
◯ その「復興」の早さに驚く。
被災地ではない。原子力ムラである。
福島原発事故後の除染モデル事業は独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)が担うが、同機構が再委託する三つの共同企業体(JV)の幹事会社が原発建設
の受注でトップ3を占める大手ゼネコンであることが分かった。
そこには原発を造ることで稼ぎ、壊れても稼ぐという「モラルなき構図」が浮かび上がる。
除染モデル事業は、警戒区域や計画的避難区域にある福島県内の十二市町村で、各一~二カ所ずつ実施される。内閣府から事業を受託した原子力機構が大手ゼネコンの大成建設と鹿島、大林組が各幹事会社のJVに再委託した。
国からの約百十九億円の委託費に対し、同機構からJVへの発注総額は約七十二億円”ピンハネ”批判が起きた。
(略)
◯ 三JVには計二十五社が参加。
モデル事業後の本格的な”除染ビジネス”に
は巨額が投じられるとみられ、「モデル事業はその唾付け」と言い切る業界関係者もいる。(略)
元日本原子力研究所研究員で技術評論家の桜井淳氏は「除染はゼネコンにしかできない仕事ではない。
作業をするのは下請けや孫請けで、ゼネコンはマージンが狙い。
被ばくリスクの考慮から、通常より三割は高額になるなど”うまみ”のある仕事だ。
原子力機構やゼネコン各社は原発建設を推進してきた。
今回の事故についても責任の一端はあるはずなのに、恥ずかしくないのか。
除染でも原子力ムラの中でカネを回すという仕組みが、何ら変わっていない」。
東京農工大の瀬戸昌之名誉教授(環境科学)は
「取り除いた汚染土壌は行き先がなく、積んでおくだけなので解決にはならない。高線量地域は居住をあきらめ、そこに遮蔽型の置き場をつくるしかないではないか」と提言した。
(略)
原子炉建屋での実績が、そのままモデル事業の受注にも反映された形だ。
(略)
資料によると、五十七基の原子炉や建屋を含む総建設費は約十三兆円に上る。
(略)
除染事業の受注に期待を寄せていた福島県内の建設業者の一人は
「(ゼネコンは)下請けも県外の系列会社を連れてくるだろうから、地元に落ちる金は少ない。そもそも除染は人海戦術が柱で、高度な技術はそれほど必要ない。ゼネコンにやらせる理由はまったく見当たらない」と憤る。
除染モデル事業を委託された原子力機構は、事故隠しを重ねた旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の流れをくみ、政策仕分けで見直しを指摘された高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する。
その原子力機構と、原発建設に携わるスーパーゼネコンが事故の後始末を再び仕切る構図が浮かぶ。
(略)
定期的に福島入りし、住民とともに除染活動を続けている京都精華大の山田国広教授(環境学)は
「住民にとり、一番大事なのは放射線量を下げること。それ
ができるならゼネコンでも何でも構わない」としつつ、
「現段階でゼネコンが効果的に除染をやれるとは思えない。恣意的に仕事を回し、利権を与えているよう
に見える」と話す。
「除染方法は徐々に改善しながら進めていくしかない。地域ごとに状況は違う。
臨機応変に対応するには、現地を知っている市町村に任せることが最適ではないのか」
(2011.12.08東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
「後始末」巨額のビジネス,大手ゼネコン、モデル事業仕切る 建屋建設のトップ3横すべり
◯ その「復興」の早さに驚く。
被災地ではない。原子力ムラである。
福島原発事故後の除染モデル事業は独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)が担うが、同機構が再委託する三つの共同企業体(JV)の幹事会社が原発建設
の受注でトップ3を占める大手ゼネコンであることが分かった。
そこには原発を造ることで稼ぎ、壊れても稼ぐという「モラルなき構図」が浮かび上がる。
除染モデル事業は、警戒区域や計画的避難区域にある福島県内の十二市町村で、各一~二カ所ずつ実施される。内閣府から事業を受託した原子力機構が大手ゼネコンの大成建設と鹿島、大林組が各幹事会社のJVに再委託した。
国からの約百十九億円の委託費に対し、同機構からJVへの発注総額は約七十二億円”ピンハネ”批判が起きた。
(略)
◯ 三JVには計二十五社が参加。
モデル事業後の本格的な”除染ビジネス”に
は巨額が投じられるとみられ、「モデル事業はその唾付け」と言い切る業界関係者もいる。(略)
元日本原子力研究所研究員で技術評論家の桜井淳氏は「除染はゼネコンにしかできない仕事ではない。
作業をするのは下請けや孫請けで、ゼネコンはマージンが狙い。
被ばくリスクの考慮から、通常より三割は高額になるなど”うまみ”のある仕事だ。
原子力機構やゼネコン各社は原発建設を推進してきた。
今回の事故についても責任の一端はあるはずなのに、恥ずかしくないのか。
除染でも原子力ムラの中でカネを回すという仕組みが、何ら変わっていない」。
東京農工大の瀬戸昌之名誉教授(環境科学)は
「取り除いた汚染土壌は行き先がなく、積んでおくだけなので解決にはならない。高線量地域は居住をあきらめ、そこに遮蔽型の置き場をつくるしかないではないか」と提言した。
(略)
原子炉建屋での実績が、そのままモデル事業の受注にも反映された形だ。
(略)
資料によると、五十七基の原子炉や建屋を含む総建設費は約十三兆円に上る。
(略)
除染事業の受注に期待を寄せていた福島県内の建設業者の一人は
「(ゼネコンは)下請けも県外の系列会社を連れてくるだろうから、地元に落ちる金は少ない。そもそも除染は人海戦術が柱で、高度な技術はそれほど必要ない。ゼネコンにやらせる理由はまったく見当たらない」と憤る。
除染モデル事業を委託された原子力機構は、事故隠しを重ねた旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の流れをくみ、政策仕分けで見直しを指摘された高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する。
その原子力機構と、原発建設に携わるスーパーゼネコンが事故の後始末を再び仕切る構図が浮かぶ。
(略)
定期的に福島入りし、住民とともに除染活動を続けている京都精華大の山田国広教授(環境学)は
「住民にとり、一番大事なのは放射線量を下げること。それ
ができるならゼネコンでも何でも構わない」としつつ、
「現段階でゼネコンが効果的に除染をやれるとは思えない。恣意的に仕事を回し、利権を与えているよう
に見える」と話す。
「除染方法は徐々に改善しながら進めていくしかない。地域ごとに状況は違う。
臨機応変に対応するには、現地を知っている市町村に任せることが最適ではないのか」
(2011.12.08東京新聞「こちら特報部」より抜粋)