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福島県大熊町町長選挙の裏事情

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福島県大熊町町長選挙の裏事情


 去る2011年11月20日に大熊町町長選挙が行われました。大熊町は今回の大事故が起きた福島第一原発の1号炉から4号炉の立地町で、現在全域が警戒区域に指定されています。
 「除染を進めて町への帰還を」と訴えた現職の渡辺利綱氏が中高年層を中心に支持者を集めて3451票で当選。「町ごとの移転を」と主張した新人の木幡仁氏が2343票で、落選。・・のような地元マスコミの報道でした。
 放射能汚染の厳しい現実を直視し、「地元には帰れない」と言う事を前提として、町ごと移転を主張した木幡氏の主張こそ至極真っ当な主張でしょう。いくら数兆円をかけて除染したところで、数年で戻れる筈がありません。
しかし、これ以外にもマスコミが報道しなかったもっと別の対立要因もあったのです。

 木幡さんのHP  http://kowatajin.blogspot.com/  には

   2.町として町民の東電賠償請求を支援します。
   ・役場に弁護士を常駐とし、賠償請求のモデルプランを作成、請求をスム
    ーズに行えるようにします。
   ・大熊町役場に常駐入居している東電職員を撤退させます。

とあります。これには驚きです。
福島県大熊町町長選挙の裏事情

現在、会津若松市にある大熊町役場の仮庁舎には東電の職員が3人も入居して常駐しているのです。それは現職渡辺利綱氏町長の方針で、東電の職員が常駐してすぐに対応出来るように・・との説明です。町役場に東電の職員を時々呼ぶのなら理解できますが、損害賠償の請求相手が役場に常駐しているのはかなり異様な事態でしょう。町役場が東電と癒着して、損害賠償を東電に有利に進め、さらに、損害賠償請求裁判の阻止の為・・と考えられても然りでしょう。
 
大熊町には東電関係の会社に勤めている人間が6~7割いるのです。東電職員が3人も常駐している町役場でまともに損害賠償の話ができる筈がありません。
そればかりか、賠償金もまだまともに支払われていない避難民は今、東電やその
関連会社をクビになったら生活していけないという不安も大きいでしょう。
 
これまでも仮設庁舎に常駐している東電職員を撤退させるよう、木幡氏や他の住民も何度か申し入れして来たようですが、無視されてきた経緯があります。
 まともに考えたら木幡氏の主張通り、東電職員は撤退させて、その代わりに弁護士を常駐させ、損害賠償のモデルプランを作成してもらうほうが、被災した町民にとって遥かに便利で有利でしょう。

木幡氏の最後の主張は  5.原発をなくす。です。

 そう、もうお分かりの通り、今回の選挙は、原発推進派で東電と仲の良かった現職と、脱原発、脱東電を主張した木幡氏の闘いであったのです。
原子力マネーで潤ってきた大熊町は、この期に及んでも、東電の影響力は絶大なのです。マスコミもこの異様な事態をしっかり報道するべきではないでしょうか?

原発立地では、東電を潰して解体しなければ、まともな選挙も出来ないようです。
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