ツユクサの花の妙。

テーマ:加藤 收

花

処暑を過ぎたというのに暑い日が続きます。しかし、我が家の雑草園でツユクサの花が咲きだし、秋近しを感じます。

ツユクサは植物では新顔の単子葉植物で、先輩植物に無いしぶとさがあります。真夏に引き抜いて地面に置いておくと、節から発根して生き返ってしまう。しかし、花は早朝に開いて昼にはしぼむはかなさです。

花

ツユクサの花を接写すると面白い。上に二枚の大きな青い花弁があり、下に白い小さな花弁があります。花の底に小さな花のような4つの鮮やかな、しかし花粉が無い黄色の飾り雌しべがあります。青い花弁と黄色の雄しべで受粉昆虫を誘うのでしょう。その先に2本の花粉をつけた長い本当の雄しべがあります。更にその先に白い雌しべがあります。

普通の花は自家受粉(近親交配)を防ぐために、雄しべが先に熟して花粉を出し、その後に雌しべが熟して他の花の花粉を受け入れようとするものです(雌雄異熟)。ツユクサは早朝から昼までの間に、個々の花の開花時間に差をつけて、こうした経過をたどるのでしょう。

花の下にある緑の貝殻のようなものは苞葉といって、蕾と種子を保護するカプセルです。

創造の神を思わせる花の妙です。

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