ほとんどの園芸店で、ユウガオの名前でヨルガオの苗を販売します。なぜ?
上の写真のようにユウガオはウリ科でヒョウタンの仲間です。花の構造を見てもウリ科そのものです。白い花は結構に美しい。完熟したユウガオの果実は縦や横に切って器にしたり、生の果肉を細く削ってカンピョウ・干瓢にします。
上の写真のように、ヨルガオはヒルガオ科で、白い花の構造を見てもアサガオのようです。
園芸店で「ヨルガオ」を「ユウガオ」あるいは「ユウガオ(ヨルガオ)」の名で売るのは、源氏物語の「夕顔」から名が知られて売りやすいためです。語呂もユウガオの方が云いやすいこともあります。
そのため、多くの人がヨルガオの花をユウガオの花と思いこんでいます。ネットでユウガオを画像検索しても、半分はヨルガオの花の写真です。一方、ヨルガオを画像検索すると、ユウガオの花はほとんど混じりません。
こうなると、ヨルガオの名は忘れられて、ユウガオにはウリ科とヒルガオ科の2種類があるということになるでしょう。園芸植物にはよくあることです。
たとえば、アサガオは平安時代にはムクゲとキキョウに当てられた名前でした。後世、江戸時代になって、今のムクゲ、キキョウ、アサガオと分けて呼ぶようになりました。